学院ブログ - Sophie's diary -

セカンドステージ 聖フィリピン・デュシェーンお祝い日

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2021.11.23

18日は創立者の一人である、聖フィリピン・デュシェーンの祝日です。17日はセカンドステージで聖フィリピン・デュシェーンのお祝い日がありました。

朝のお祈り会では、アメリカに渡って、言葉や文化の異なる場所で苦労をなさりながら、生涯をかけて子どもたちの教育に情熱を捧げた聖フィリピン・デュシェーンを想い、皆で祈りました。

午後は、NHK制作局ディレクターでいらっしゃる卒業生の長嶋愛氏をお招きしてお話をうかがいました。

セカンドステージ生は事前に長嶋さんが制作に携わった番組の1つ、ETV特集「静かで、にぎやかな世界」を視聴しました。明晴学園(聾学校)での手話による日常のにぎやかなやりとりが紹介されている番組は、ほとんど音声がないので、皆、必死に画面を見ていました。

在学中から耳が悪かったという長嶋さんは、仕事を続ける中で聴覚がさらに低下していき、会議でのやりとりも聞き取れなくなってしまったとおっしゃっていました。そのような中でも、自分の働き方を探り、音声を通訳する訳者とともに働く形を見出してきたそうです。講演会当日も、通訳の方がパソコンで打って長嶋さんに情報を伝えていらっしゃいましたが、特別にその画面の様子も見せていただきました。

長嶋さんは、耳が聞こえないからこれまでの仕事ができないということに違和感を覚え、「~ができない。」ではなく、「~したい。」ということを伝えるようにしたといいます。そうすると、周囲の人が次々に聞いてくれてアイディアを出してくれるようになったそうです。「自分の弱みを強みにするとよいです。これからの世の中で多様な視点はいっそう求められます。」という話はこれからの時代を生きていく子どもたちにとって大きな希望となったことでしょう。

また、「自分の中にあるものが障がいなのではなく、自分を生きづらくしている壁こそが障がいなのです。」という捉え方にも驚かされた子どもたちが多くいました。特に、「想像力をはたらかせて」という言葉が印象に残ったようです。

〇マスク生活になってから口の動きを見られなくなったけれど、困っていると同僚がマスクを外して話してくれたことがあった。

〇訳者の方がいないときにも、携帯の画面などを使って伝えてくれる人がいた。

〇映画は邦画だと字幕が出ないので海外のものを観ることが多い。

このようなことをうかがう中で、自分たちにできることも見えてきたようでした。

最後に、「私は、私。耳が聞こえなくても大丈夫。あなたも、あなたで大丈夫。」というメッセージをいただきました。できないことがあっても諦めずに挑戦していくその姿は聖フィリピン・デュシェーンと重なるところがあり、お祝い日としてたくさんの希望と勇気をいただけた充実した日となりました。何よりも「私は今、幸せです。」という長嶋さんの生き方に魅せられた子どもたちが多くいたのは確かです。

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後日、8年生の幹事会が中心となり、5年生から8年生の学級代表や児童会などが集まりました。各クラスの講演会のふり返りを分かち合うとともに、これから「わたしたちはどのように多様性とちがいを生きていくのか。」について話し合いました。講演会を経て、自分らしさを大事にする尊さに気づき、互いの多様性を認め合う社会の一員として行動できる人としての一歩を踏み出しているように感じています。

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