NHK報道局スポーツセンター副部長
村松佐和子 さん
74回生1989年卒業
東京大学文学部卒業後、1993年NHK入局。オリンピックやサッカーワールドカップ、メジャーリーグなど、主にスポーツを担当。アマチュアスポーツや女性スポーツの普及に取り組んでいる。
公共メディア30年の仕事を通じて、世界を舞台に活躍するトップアスリートから地域の暮らし、被災地取材など、世界各地の様々な現場で沢山の出会いがありました。そして今、多彩な人々とのつながりが、人生を彩り豊かなものにしてくれています。多様なバックグランドを持つ方々と絆を築く際に、私の力になってきたのが、聖心で学び、培った「信じる力」だと感じています。信念をもってぶれずに進む姿勢、責任感や社会的地位やジェンダーではなく等しく人と向き合う姿勢の源には「信じる力」が必要です。これからも人生の目標として、人を信じ、自分を信じながら、何事にも愛情を持って取り組む人でありたいと思っています。そして何より、聖心で共に育った友の存在が、今も変わらず私の大きな心の支えです。忙しい日々の中で、一緒に過ごす時間に沢山の癒しをもらっています。同じ価値観でつながれる友がいることが本当に有難く幸せを感じています。
独立行政法人 日本貿易振興機構(ジェトロ)調査部 米州課長
塩崎実佐子 さん(旧姓:伊藤)
80回生1995年卒業
聖心女子大学文学部卒業(国際政治専攻)、ジェトロ入構。育休中に米国ペンシルベニア大学大学院(行政学)に留学、修士2年目に次男を出産。2019年よりジェトロ・サンフランシスコ事務所に次男を帯同し約4年駐在。夫と長男は日本に残る2拠点生活を実施。2023年8月より現職。
政府機関の調査部門で米国経済の最新動向、通商・産業政策の情報収集と分析を行い、日本企業のグローバルなビジネス展開に資する情報発信業務を担当しています。公益性が高く社会的意義のある業務を通じ、日本経済の競争力強化に携わることができ、非常にやりがいを感じています。聖心での16年間に、国内外を問わず社会で何が起きているか、自分はそこにどのように貢献できるか、常に考えて行動する習慣を授けて頂きました。一つの大きな家庭の一員として、シスター、先生方をはじめ用務の方々、卒業生、同級生のご家族にも見守られながら、のびのびとした学校生活を送れたことが、さまざまな業態、人種、考え方で構成される国際ビジネスの最前線で働く現在においても、帰る場所がある、ありのままの自分を受け入れてくれる家族がいるという安心感を与えてくれています。日本人、女性、妻、母という枠で選択肢を狭めることなく、自分らしく人生を歩むための軸を育んでくれた聖心から、多くのたくましくしなやかな後輩が飛び立ち、一緒に社会に貢献できる将来を楽しみにしています。
医師・研究者
コーネル大学 Center for Global Health 上級研究員
羽場菜生 さん(旧姓:衞藤)
96回生2011年卒業
東京医科大学医学部卒業後、都立多摩総合医療センターにて初期研修、在日米軍横田基地空軍病院インターン修了。2020年に渡米し、コロンビア大学にて公衆衛生学修士号を取得した後、現職。ウガンダやタンザニア、ハイチを主なフィールドとして小児・青少年の感染症に関わる研究に従事する。
低・中所得国での医療の発展を目指す「Global Health」という分野で働くきっかけとなったのは、聖心で培われた「グローバル社会の一員である」という意識です。国内外の社会問題に対して、どう学び何ができるのか、時には現地で活動されるシスターやゲストの話を通して考えることは、当事者意識を持って世界に目を向ける良い練習でした。さらに高等科1年次には、タイの小学校やスラムを訪れる体験学習にて目の当たりにした医療環境に衝撃を受け、自分には何ができるのだろうかと問い始めました。その問いに答えるために医師となった後、恵まれない環境での子どもの医療を改善する研究にアフリカなどで従事しています。Global Healthの分野では、各国の多様な背景を持つ人々と共に仕事をします。その中で今また、聖心の教育に根ざす「他者のために惜しみなく働く心」で信頼関係を築くことが非常に重要だと気付かされます。この精神を自らの中で育てることができた、聖心での12年間に感謝しております。
堀由佳 さん
108回生2023年卒業
UCL(ユニバーシティカレッジロンドン)第1学年在学中
私は今、イギリスのUCL(ユニバーシティカレッジロンドン)に通っています。事前に講義を受け理解している前提で進む双方向型授業に加え、理系のため週6時間の実験があります。1日約5時間予習をし、合間には食事の席で寮の友達と話したり掃除洗濯を行ったりしています。
聖心ではレポートや日本語英語どちらでもプレゼンテーションを作成する機会が多かったです。その経験が今でも活かされていると感じます。コロナ禍で渡航が制限される中、オンラインプログラムに多数参加し姉妹校交流をしました。そこで得た、言語の壁や文化の違いにより分からないことを分かるまで質問する姿勢が留学でも役に立っていると思います。また、クリスマスウィッシングなど宗教行事を通してキリスト教文化への理解が深まり、西欧の絵画、音楽、建築を宗教的な視点から鑑賞できることに喜びを感じています。
これからも、多様性の中で人とのつながりを大切にし、専攻以外にも視野を広げたいです。
ファーストステージ生(1年生)
私が一年生になってうれしかったことは、先生やお友だちのお手つだいをしたことです。先生が朝の会で、聖心の子どもたちは困っている人がいたら、そっと手をさしのべられる人が多いというお話をしてくださいました。そのお話をきいて、私も、だれかのために何かをしてみたくなりました。さっそく、その日のお休み時間に、ゆう気を出して先生のお手つだいをしてみました。先生は、「ありがとう。助かりました。」と言ってほめてくださいました。それがとてもうれしくてうれしくて、もっと困っている人を助けたいと思いました。そして、そうするにはどうすればいいのだろうと、考えてみました。そこで、身の回りをチェックしてみることにしました。道を歩いていると、後ろに自転車がいました。「お先にどうぞ。」といって道をゆずりました。相手の方も、おじぎをして嬉しそうに通っていきました。心がじんわりとあたたかくなりました。だれかの役に立つことは、学校の中だけではなく、外でもできるのだなと思いました。これから、今までよりももっと困っている人を助けたいです。
セカンドステージ生(6年生)
前期児童会会長
児童会では、皆で協力してさまざまな活動を行っています。その中の1つに「ハイチデー」があります。40年以上前の児童会がシスターのお話をうかがい、「その日はおにぎり弁当でその分のおかず代を寄付する。」という取り組みを考えて始めたものです。この伝統を受け継ぎ、今でもハイチやコンゴ、ウガンダ、ケニアなどの方々の生活について知る機会をもち、心を寄せて募金をお送りする活動を続けています。今年度の児童会で初めて企画したのは「言葉ウイーク」という活動でした。言葉を適切に使わないと思いがうまく伝わらず、相手を傷つけてしまうことがあると思い、改めて言葉について考える機会をもってもらいました。低学年には敬語とは何か知ってもらうところから始め、高学年には丁寧語・尊敬語・謙譲語の使い分けを適切に使えるような問題も出しました。児童会の活動を進めるうえで、私は計画性や責任感を養うことができました。児童会での活動は、相手を尊重しようとする「人を思いやる取り組み」が多くあります。身近な人だけではなく、世界にも目を向けています。そこには、「聖心は1つの家庭」という意識が根底にあり、相手を尊重して大事に思う気持ちがあります。
サードステージ生(12年生)
私は初等科から本校に通い、父の仕事の関係で小学3年生から6年生の期間はニュージーランドに滞在しました。中高等科では特に2つの点からグローバルマインドを培うことができました。1つ目は、聖心の英語に溢れた環境です。中等科ではEnglish Dayにおける英語スピーチコンテストなどを通し、英語を活用し表現する力を学びました。高等科では選択科目を通しアカデミックに英語と向き合える機会が多くありました。「Research and Presentation」の授業では英語で社会課題を研究し発表を行い、質の高い知識を得ることができました。2つ目は、聖心の世界各国の姉妹校との交流の機会の多さです。「Virtual Collaboration」や「Sacred Heart Live」など、コロナ禍でも世界の同年代の生徒とオンラインを通してディスカッションを行う機会に恵まれました。今後は聖心での学びを生かして世界で活躍する人になりたいと考えています。
サードステージ生(12年生)
私の聖心での12年間は、女子のリーダーシップについて学び、経験し、考える時間でした。聖心ではファーストステージから、他学年との豊富な交流の中で、上級生のリーダーシップを目の当たりにすると同時に、自分自身がリーダーを務める機会に多く恵まれます。遠足の班長や学級委員の経験を通して、その難しさとやりがいを学んできました。サードステージでは生徒会長を務め、リーダーに求められる力強さと柔軟な思考を体得できたと思います。加えて、種々の講演会やプログラムを通し、社会で活躍する女性への憧れと自覚が養われました。ひとえにリーダーといっても、ライフスタイルに合わせた様々な形があることも知りました。女子校だからこそ、これらの貴重な経験を得ることができたと感謝しています。女子もリーダーを務めるという聖心の当たり前が、次は世界の当たり前になるように、これからも学びを深め、その実現の一助となりたいです。
2018年度 保護者後援会会長
與田 健一 さん
聖心女子学院の真髄は「心の教育」だと思います。勉学に励むだけでなく、謙虚に学ぶ、何事にも感謝する、他者の為に惜しみなく尽くす、といったキリスト教の価値観に基づく精神的なルールを12年間の生活を通じ会得することに重きが置かれております。こうした教育理念の下で毎日コツコツ一つ一つのことを丁寧に積上げることでグローバル化の進む実社会の中で逞しく生きる底力が養われるものだと考えます。クラブ活動や多くの行事が生徒による主体性の下で運営され、心と体験の共有が卒業後も続く仲間との人間関係の礎になっていくとものと思います。シスター並びに先生方が世の中の環境変化を敏感に捉えることを大切にし、伝統を維持しつつ先進的な取組をされておられます。私自身も学院の門をくぐる度に背筋の伸びる緊張感を得ます。温かさと厳かさに包まれた素晴らしい教育環境の中で、娘と共に親としても日々学ばせて戴いておりますことに感謝しております。
2017年度 中・高等科母の会会長
伊藤 珠美 さん
今、将来を担う子どもたちは、「自分さえ、自分たちさえ、自国さえ良ければいい」という大人社会の風潮を肌で感じながら成長しております。しかし、それは21世紀における世界平和と共生の願いから遠ざかることを意味するのではないでしょうか。聖心の子どもたちは、初等科から高等科までの一貫教育の中、自分のためだけに頑張るのではなく、他者のためにも快く働き、それを自らの喜びとする心を学んでおります。その「Generosity 惜しみない心」は一日にして成らず、学校と家庭の双方で丁寧に育みながら時を経て、聖心を巣立つ頃には誰もが自然と身に着けている心の礎となります。思うに、聖心の教育理念にある「かけがえのない存在」であることを自覚し、「惜しみない心」で他者に尽くし、感謝と思いやりの心を携えて成長した子どもは、きっと将来、「世界の一員」として大きくはばたくことでしょう。そこに、聖心の教育方針にある「知性」と「実行力」が伴えば、まさに社会が望む最強のレディとして輝くことと思います。聖心に集う子どもたちには、この緑豊かな学院の中で、生命が奇蹟の積み重ねであることを感じつつ、神様の愛に包まれながら、しなやかに「Generosity 惜しみない心」を育んで欲しいと願っております。
2016年度 中・高等科母の会会長
清水 美佐 さん
娘には、将来社会に出て生きていく力を身につけてほしいと願っております。聖心女子学院では、都会の喧騒から離れた静かで緑豊かな環境の中、シスター・先生方に見守られ、様々な場面で一人一人が力を発揮し、活躍をする機会を与えて頂いております。日々の生活の中で多くの体験をさせて頂き、物事の真理をとらえ、じっくりと考え、自分の意見を伝えることを学び、周りの方とぶつかりながらも互いに理解を深め、コミュニケーションする力を伸ばしています。また、朝夕の祈りの場では、静かに自分自身と向き合い、振り返る時間を大切にしています。そのような環境の下、様々な経験を通して身に付けた力は、将来社会人になった時、母親になった時、しっかりと自分の足で歩んでいける大きな力となり、女性らしい、しなやかな大人に成長してくれるのではないかと思っております。