校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

9月1日 初等科 9月の会

2023.09.02

 夏休みが終わりました。9月の会をもって、皆で学校生活を始めました。夏休みの間には、多くの児童からお便りをもらいました。上のイラストはその一枚です。

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 夏休みが終わって、学校生活が始まります。暑い夏でした。皆さん元気でしたか?たくさんの方からお便りをいただきました。ありがとうございました。夏休みの生活を書いてくださったり、すてきな絵が書いてあったり、とてもうれしく読みました。

 皆さんは、夏休みの間、ありがとう、ごめんなさい、どうぞを大切にして、過ごすことができましたか?平和について考えることもできましたか?今年の夏は、本当に暑い毎日でした。これほど暑いと、地球は大丈夫だろうかと心配になりました。これからも暑い日がまだ続くかもしれません。気をつけながら、楽しく学校生活を始めましょう。

 今日学校に来たときに、校庭にはたくさんの大きな木があって、緑がいっぱいで気持ちがよいなと感じてくださっていたらうれしいです。この学校は本当に緑がいっぱいで広々としていると思いませんか?この環境に守られながら、学校生活を進めましょう。

  今年は、「私から私たちへ 対話」を目標にしていますから、今日からは、まず、夏休みにそれぞれが一人ひとり体験したことをお友だちや先生に話して、自分の、私の、思い出がみんなの、私たちの、思い出になるように対話できるようにしましょう。また、皆さんの夏休みの作品がたくさん展示されるでしょうから、それも楽しみにしています。

 皆さんが学校にもどってきて、学校はとても賑やかになりました。活気があって楽しいです。でも、沈黙も大切にしましょう。沈黙は聖心の大事な特徴です。賑やかで楽しい時間と、皆で静かに心を落ち着ける沈黙の時間と両方とも大切です。沈黙があると皆さんの心はすっきりするはずです。聖心の沈黙は、人を無視したり、無理矢理黙ったりする、嫌なものではありません。私たちの沈黙は、自分の心も周りの人の心も両方とも大切にする沈黙です。心が静まって広がっていくと、周りの人のことや世界のことも考えられるようになるし、神さまにも気づくことができます。このような沈黙を皆で味わうことが、聖心の学校生活です。今日からそれをまた始めます。

 お便りの1枚にこのような詩を書いてくださった方がありました。「耳を澄ませば」というタイトルです。「夏はよく耳を澄ませる/セミの鳴き声/花火の上がった音と歓声/夏祭りの太鼓の音/町を出れば自然あふれる豊かな地が広がる/木々が風でゆれた時の音/おだやかに流れる川の音/音は神さまからの贈り物/音は神さまからのプレゼント」この詩は、耳を澄ますと、自分の身近なところの音から、だんだん遠くの音が聞こえるようになり、最後には神さまにまで心が広がっていくという心のあり方が書かれています。沈黙によって広がっていく心の様子が表されています。

  よい沈黙があると対話が生まれます。たとえ、言葉で話さなくても、その人の全体から対話することもあると思います。電車やバスの中では沈黙することにしています。対話は相手を大切にするときに生まれます。皆さんがよい沈黙をしていれば、まわりの人を大切にすることができるはずです。「聖心の子どもたちがまた学校にもどってきてうれしい」と色々な方に感じていただけるようになりましょう。自分達のことだけでいっぱいになって、沈黙を失わないようにしてください。

  ちょうど100年前の9月1日に関東大震災がありました。そのときに東京が大変な被害に遭ったことは皆さんも知っているでしょう。この学校では、校舎や聖堂や理科室の大部分が倒れてしまいました。夏休み中だったので、犠牲者はいませんでした。学校は9月の終わりまで授業ができず、休みになりましたが、テントや仮校舎を急いで建てて、10月1日に授業を再開すると、300人の生徒が登校することができたということです。それから木造の校舎を建てましして、12月には完成したそうですが、その年は9月に授業ができなかったので、12月は28日まで授業をしたそうです。冬休みは短くなりましたが、学校で授業ができるようになって、きっと皆うれしかったでしょう。

 大きな災害は本当に怖いです。東京は火事の被害が大きかったですが、学校にはそれはありませんでした。災害は本当に怖いです。私たちは避難訓練をして、自分の身を守るにはどうしたらよいか考えておく必要があります。しかし、災害の怖いところは、人の心が不安になり、不確かな情報に動かされて、社会が混乱することがあるということです。関東大震災のときには、外国人を差別したり、暴力を奮ったりすることが起こったそうです。災害の時こそ、お互いに助け合わなければなりません。それなのに、このときは人々の心が一方的になって、対話がない状態になってしまったでしょう。

 対話はいつでも大切です。私たちはいつも、周りの人を大切にできるように、「私から私たちへ」を実行できるように、毎日の学校生活の中で努力しましょう。そして、これからまた楽しい学校生活を進めていきましょう。

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