メッセージ

卒業生の声(2023年)

他者に共感する心を持って誠実に

小林麻里

医師 医学博士
総合病院国保旭中央病院 耳鼻咽喉科主任医長

小林麻里 さん

71回生 1986年卒業
東京医科歯科大学医学部卒業後、東京医科歯科大学付属病院研修医、都立駒込病院医員、NTT東日本関東病院医員、東京医科歯科大学助教などを経て現職。東京医科歯科大学医学博士。日本耳鼻咽喉科学会専門医。耳鼻咽喉科専門研修指導医。

聖心では、「社会に貢献できる賢明な女性となること」を目指し、そのために「自分の出来ることは何か」を常に考えるように教えていただきました。中等科では、「生物、化学、物理、地学」に分かれて専門的になる理科の授業が本当に面白く、自分の興味を追求し、学んだことを人のために役立てることができる職業として医師を目指しました。大学卒業後は耳鼻咽喉科医として診療にあたっています。同じ病気でも症状の辛さ、受け止め方は人それぞれです。訴えを傾聴した上で、診察、診断、治療していく。日々の診療は同じようなことはあっても同じことはおこりません。日進月歩の医療の世界では、提供できる治療の選択肢も年々増えています。聖心で育んでいただいた他者に共感する心を持って誠実に、研鑽を怠らずに一人ひとりの患者さんのそれぞれの最善を目指すこと、それが、今、私に出来ることと考え、これからも努めてまいりたいと思います。

心の指針をつくる場所

三井麻衣子

一級建築士
株式会社日建設計 設計部門 プロジェクトアーキテクト

三井麻衣子 さん

86回生 2001年卒業
東京大学工学部建築学科、及び同大大学院工学系研究科建築学専攻を卒業。在学中にチューリッヒ工科大学(スイス)に留学。2009年より株式会社日建設計・設計部門にて勤務。超高層ビル、大学研究施設、ホテル等の意匠設計を担当。現在は双子男児を育てながら同社で働いている。

初めて三光町校舎を訪れたとき、緑豊かなキャンパスと初等科校舎の美しい佇まいに心奪われたことを今でもよく覚えています。正門から本館へと続く坂道の景色や、荘厳な聖堂での祈りの時間は、常に新鮮な感動や静謐な気持ちを与えてくれました。聖心の豊かな環境は私にとっての美しさの原点です。また在学中、授業やミサで言及される社会問題、ハイチデーや奉仕活動への参加は、周囲に目を向ける機会をくれ、活躍する諸先輩方の講演会や著作に触れることで、他者のために行動することの大切さを学びました。“他者への貢献”は思考の原点です。聖心は、私に心の指針を作ってくれました。この指針は“利用者だけでなく周辺地域や地球環境にも配慮した美しい建物を目指す”という、自分が働く上での大きな目標の礎となっています。そして自身の目標を実践していくことで、子供達や周囲の人々が心の指針を作る際のきっかけとなる存在でありたいです。

人生の糧となり道標となる聖心スピリット

内海友理

弁護士
西村あさひ法律事務所勤務

内海友理 さん

93回生 2008年卒業
慶應義塾大学法学部、慶應義塾大学法科大学院卒業。弁護士として西村あさひ法律事務所に勤務。渉外弁護士として国内外のM&Aディールを中心とした企業法務に携わる。

三光町の12年間で強く心に刻まれた教えの一つに「generosity」があります。物惜しみしないことを意味し、他者に寄り添い奉仕する惜しみない心を大事にした創立者の想いを表す言葉です。私は、実社会に貢献する仕事がしたいと考え、卒業後は法学部に進学し、現在は弁護士として主に国内外の企業買収案件に従事しています。企業の重大な局面をサポートするにあたっては、難解な判断や、時に多忙を極めることもありますが、この教えが自身の思考や行動の礎を形成していることを実感します。学院生活を振り返ると、他者、ひいては世界に目を向けて視野を広げる機会、また、他者に寄り添い自らの役割を考える機会が豊かにあり、その根底には物惜しみしない心と、それを正しく使える芯の強さやしなやかさを育むスピリットがありました。さらに、その聖心スピリットを共有し、時を超えて心を通わすことのできる友人や先輩後輩も、かけがえのない財産であると確信しています。

国や文化で一般化せず一人ひとりと向き合う

花井梨沙

UCL(ユニバーシティカレッジロンドン)
第1学年在学中

花井梨沙 さん

105回生 2022年卒業

私は現在、イギリスのUCL(ユニバーシティカレッジロンドン)に通っています。毎日2時間の講義に加え、20ページのリーディングが予習として課され、1日5~6時間は自主勉強する日々が続いています。このような生活を楽しめているのは、聖心で培った目的意識を持ってやり抜く力のおかげだと思っています。聖心では、コロナ禍で行動が制限される中、生徒会長として学校行事に向けてできることに全力で取り組んできました。また、宗教行事や授業で養った、違いを受け止め、相手を知ろうとする姿勢が、様々なバックグラウンドをもつ友人とのコミュニケーションに活かされていると感じています。具体的には、普段の会話の中で世界情勢について触れる際にも、相手を国や文化で一般化するのではなく、一人ひとりの想いや考えに向き合うことができていると思います。これからも、多様性に開かれた環境の中で、様々な視点を吸収しながら学んでいければと考えています。

在校生の声

やさしく接してくださったお姉様のように

ファーストステージ生(2年)

ファーストステージ生(2年生)

この間、12年生が2年生のために科学文化祭を開いてくださいました。バスボム作りでは、ビニール袋に重曹やクエン酸を入れて、香りや色をつけるためのオイルや食紅をまぜました。いいにおいで、もっとたくさん作っておふろに入りたいと思いました。ほかにも、砂糖を入れただけでシャボン玉が軍手でさわれたのでびっくりしました。帰ってから実験してみると、軍手をつけないでさわるとすぐにわれてしまうことがわかりました。塩ではふくらみませんでした。12年生のお姉様に会うまではどういう方なのかと緊張しましたが、思った以上にやさしくて楽しい時間になりました。私はもうすぐ3年生です。秋の遠足で1,2年生をつれて動物園の案内をするので、楽しくお話をするお姉様になれるよう努力したいです。

周りに耳を傾け人に尽くす心を忘れない

後期児童会会長(6年生)

セカンドステージ生(6年生)
後期児童会会長

今年度の児童会では、初等科全体が一つになって、お互いの意見を尊重し合い、視野を広げるために「意見ポスト」を設置しました。意見ポストに入った意見をなるべく実現できるように、児童会で検討します。今年度は意見ポストに寄せられた意見を元に、SDGsをより身近に感じることができるような企画を考えました。意見ポストを通して、さまざまな意見や考え方を知り、寄せられた意見を実現するために深く考えることで、児童会の会長である責任感もよりわいてきました。また、他の学年と交流しながらSDGsに目を向けることで、一人で行うよりも楽しく、積極的にSDGsに取り組めます。児童会会長になり、自分のことだけでなく周りにも耳をたくさん傾けることの大切さが分かりました。これからも人に尽くす心を忘れずに過ごしていきたいと思います。

グローバルマインドで考え行動する

サードステージ生(12年生)

サードステージ生(12年生)

小学校時代を海外で過ごした私は、将来は国を越えて人の役に立ちたいと思っていました。聖心には視野を世界に向けた奉仕活動やSDGsに取り組む活動が多くあり、私は日々の募金活動の他、語学研修や模擬国連活動への参加を通して、自ら勇気をもって一歩踏み出した先にある大きな世界の存在に気づきました。また、校内のプラスチック・フリー・キャンパス(PFC)の活動を通して、グローバルマインドで物事を考える必要性と同時に、実際に行動に起こす重要性を学びました。PFCでは、生徒主体で校内のプラスチック使用を最小限に抑える活動を行っており、自分たちの発案が学校を巻き込んだ大きな変化を生み出した際にはメンバーで大きな喜びを味わうことができています。Think globally act locallyという言葉のように、変動する世界情勢に目を向けつつ、自分にできることを実践していく大きな意義を感じることができました。

聖心で得た経験を糧に視野をさらに世界へ

サードステージ生(12年)

サードステージ生(12年生)

私は初等科5年から聖心に入学し、英語学習を始めました。コロナ禍に高等科へ進学し、5つ以上のプログラムに参加する機会がありました。その中の2つが特に印象に残っています。1つ目は、11年生の冬に参加したSacred Heart LIVE (10か国の海外姉妹校とのオンライン交流)です。約5人の混合グループを組んで文化の相違について討論しました。離れていても聖心の共同体の温かさを感じました。週に1回、校内の参加者が集まり、英語での素早い思考力を鍛えたことも役に立っています。2つ目は、12年生の夏に開催されたUCL Japan Youth Challenge(2022年度はオンライン開催)への参加です。ロンドン大学の教授による講義後、Q&Aで日本と英国にいる高校生の視点を共有します。海外交流を通して、積極的に学び達成感を得ました。また、双方向型の講義で学びに主体性を持つことができました。これからも聖心で得た経験を糧に、さらに世界へ視野を広げていきたいです。

保護者の声

よりよく生きていくための心の教育

2018年度 保護者後援会会長
與田 健一 さん

聖心女子学院の真髄は「心の教育」だと思います。勉学に励むだけでなく、謙虚に学ぶ、何事にも感謝する、他者の為に惜しみなく尽くす、といったキリスト教の価値観に基づく精神的なルールを12年間の生活を通じ会得することに重きが置かれております。こうした教育理念の下で毎日コツコツ一つ一つのことを丁寧に積上げることでグローバル化の進む実社会の中で逞しく生きる底力が養われるものだと考えます。クラブ活動や多くの行事が生徒による主体性の下で運営され、心と体験の共有が卒業後も続く仲間との人間関係の礎になっていくとものと思います。シスター並びに先生方が世の中の環境変化を敏感に捉えることを大切にし、伝統を維持しつつ先進的な取組をされておられます。私自身も学院の門をくぐる度に背筋の伸びる緊張感を得ます。温かさと厳かさに包まれた素晴らしい教育環境の中で、娘と共に親としても日々学ばせて戴いておりますことに感謝しております。

Generosity 惜しみない心で

2017年度 中・高等科母の会会長
伊藤 珠美 さん

今、将来を担う子どもたちは、「自分さえ、自分たちさえ、自国さえ良ければいい」という大人社会の風潮を肌で感じながら成長しております。しかし、それは21世紀における世界平和と共生の願いから遠ざかることを意味するのではないでしょうか。聖心の子どもたちは、初等科から高等科までの一貫教育の中、自分のためだけに頑張るのではなく、他者のためにも快く働き、それを自らの喜びとする心を学んでおります。その「Generosity 惜しみない心」は一日にして成らず、学校と家庭の双方で丁寧に育みながら時を経て、聖心を巣立つ頃には誰もが自然と身に着けている心の礎となります。思うに、聖心の教育理念にある「かけがえのない存在」であることを自覚し、「惜しみない心」で他者に尽くし、感謝と思いやりの心を携えて成長した子どもは、きっと将来、「世界の一員」として大きくはばたくことでしょう。そこに、聖心の教育方針にある「知性」と「実行力」が伴えば、まさに社会が望む最強のレディとして輝くことと思います。聖心に集う子どもたちには、この緑豊かな学院の中で、生命が奇蹟の積み重ねであることを感じつつ、神様の愛に包まれながら、しなやかに「Generosity 惜しみない心」を育んで欲しいと願っております。

しなやかな大人になるために

2016年度 中・高等科母の会会長
清水 美佐 さん

娘には、将来社会に出て生きていく力を身につけてほしいと願っております。聖心女子学院では、都会の喧騒から離れた静かで緑豊かな環境の中、シスター・先生方に見守られ、様々な場面で一人一人が力を発揮し、活躍をする機会を与えて頂いております。日々の生活の中で多くの体験をさせて頂き、物事の真理をとらえ、じっくりと考え、自分の意見を伝えることを学び、周りの方とぶつかりながらも互いに理解を深め、コミュニケーションする力を伸ばしています。また、朝夕の祈りの場では、静かに自分自身と向き合い、振り返る時間を大切にしています。そのような環境の下、様々な経験を通して身に付けた力は、将来社会人になった時、母親になった時、しっかりと自分の足で歩んでいける大きな力となり、女性らしい、しなやかな大人に成長してくれるのではないかと思っております。

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