校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

カンボジア体験学習 7月25日 第4日目

2019.07.25

第4日目もみな元気で新しい出会いに期待しながら1日を始めました。最初の訪問はシェムリアップ州立盲・聾学校です。視覚・聴覚特別支援学校です。昨年から訪問を始め、テリー校長先生が今回も私たちを待っていてくださいました。ホールで学校についての説明を聞きました。この国での教育の重要性について学んだきた聖心生たちは、カンボジアでの障害のある子どもたちの教育の現状を知りました。厳しい現実が見えてきましたが、テリー校長の温かい人柄が伝わってもきました。聖心生からの質問も出され、就労支援を行って、卒業生の自立を最終的な目標として目指していることがわかりました。

学校内を見学させていただきました。この学校では幼稚園児から高校生までが学んでおり、寮の設備も整えられ、生活しながら学ぶことができます。聴力の障害のある高校生が伝統舞踊を披露してくれました。指導の先生の指示を目で見ながら、周りで踊る仲間と動きを上手に合わせます。優美な踊り、楽しい踊りを見せてくれました。教室の児童・生徒は少人数で専門の先生の指導を受け、点字を学んだり、発声の訓練を受けたりしていました。視覚障害を体験する暗室を先生の案内で廻ったグループもありました。足で床の様子を確かめながら、真っ暗な中で歩く不自由や不安を体験しました。ご自分自身も視覚障碍者である先生が上手な英語で「今、何も見えないだろうけれど、私たちは朝・晩ずっと真っ暗な中で生活しています」と言われた言葉が耳に残ります。子どもたちはフレンドリーな姿で私たちの訪問を受け止めてくれました。

2番目の訪問先は伝統舞踊学校でした。伝統芸能の保存と、貧困家庭の子どもたちをダンサーとして養成することによる自立支援を目指している学校です。通常なら午前中は高校に通っている生徒たちが、私たちのために特別に集まってくれました。学校を欠席してくれたことに感謝しながらの交流でした。基礎・基本の動きを体験させてもらいました。柔軟性が求められます。いくつかの踊りも披露していただき、若々しい優美さに目を奪われました。伝統舞踊を通して、カンボジア社会の新たな1面を知ることができました。

強い日差しの下、午後からはアンコールワット遺跡群の一つバイヨン寺院の見学に向かいました。3日間有効の入場チケットをまず購入し、見学への期待が高まりました。チアさんは遺跡修復の仕事に25年も携わってこられました。修復に関する専門的な知識を生徒たちにわかりやすく説明していただき、遺跡を見る視点が開かれていきました。遺跡修復の現場も見せていただき、修復作業の大変さを学びました。バイヨン寺院では、優美な微笑をたたえる巨大な石造彫刻のある塔が独特ですが、そこまで登ったところでどしゃぶりの雨に見舞われて早々に帰るというハプニングで見学を終えました。

夜は伝統舞踊を楽しみながらの夕食でした。1日のうちに、聴覚障害のある高校生、プロを目指す高校生、観光ビジネスの中で生きるプロのダンサー、これらの3種類の人々による伝統舞踊に接しました。それぞれの美にカンボジア舞踊と人々の生活のつながりの深さを感じさせられました。1日の締めくくりにグループでの話し合いの時間をもち、この国で学び、感じてきた教育について考えをまとめました。これまで「当たり前」と思っていた教育について、自覚と意識を深める発言が出されました。豊かな学びの1日でした。

(活動中の写真は学院公式face Bookに今後公開します。そちらもごらんください。)

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