校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

6月第1週 ファーストステージ朝礼 6月5日

2019.06.06

 5月28日に川崎市で起こった痛ましい事件に接し、カリタス小学校の方々、関係する全ての方々のことを思い、子どもたちと共に祈りを捧げています。私たちは、すべてのいのちが大切にされる社会になることを心から願っています。

 学校では色々な方から手紙や電話をいただきます。児童・生徒の登下校に状況について、指導が行き届いていないことをご指摘くださるご連絡をいただくこともあります。毎回、真摯に伺わせていただいています。子どもたちにも話をし、どうしたら良いか考えます。このたびも手紙をくださった方があり、ファーストステージの子どもたちと共に考えました。

 6月は、カトリック教会ではイエスのみこころを祝う月となっています。「聖心」という学校名は、私たちの学校がイエスのみこころを大切にしていることを表しています。そこで、初等科では6月のみこころの月に目標を立て、イエスの心に近づけるように努力しています。この目標を「プラクティス」と呼び、言わば心の訓練を積んでいきます。今年のプラクティスは「笑顔とあいさつでつながろう。あなたの隣人は誰ですか?」としています。

 隣人は、漢字で書くと「となりの人」のことです。隣りにいる人は近くにいる人ですが、知っている人が隣りにいることもあれば、知らない人が隣りにいることもあります。朝礼で列に並んで立っているときも、隣りの列の人が同じクラスの人なら知っている人ですが、ちがう学年の人なら知らない人かもしれません。クラスで席替えがあったとき、始めの日は、隣りになった人はよく知らない人かもしれません。しかし、だんだんお友だちになっていきます。知らない人が、知っている人になっていきます。隣人について考えるときは、このように、知らない人から知っている人に「なっていく」、「なろうとする」と変わっていくことが大事なことです。自分から進んで「なっていく」ことが大切です。  

 また学校に手紙をいただきました。手紙をいただくと、どのようなことが書いてあるのだろうとどきどきしながら封を開けます。心配な気持ちで読み始めます。今回の手紙もとても大事な手紙でした。初等科生をバスの中で見て、心配してくださっている方からの手紙でした。初等科生の姿は、とても仲が良く、学校が楽しそうに見え、聖心の子どもであることは制服からわかる、だから心配で、バスや電車内では気をつけて過ごしてほしい、このような内容でした。子どもたちが周りの方々のことに気づかずにご迷惑をかけていることについて、気をつけるようにと心配して、車内で子どもたちに声をかけて注意してくださったということでした。子どもたちのことを心配してくださる、このような方の存在はありがたいことです。このような方は、自分から進んで「隣人」になろうとしてくださっている方です。

 このような方に出会ったら、どうしたら良いでしょうかと考えました。素直に「ごめんなさい」と謝る、注意していただいたことについて「ありがとうございました」と言えることが大切です。

 学校でのみこころの月のプラクティスを、学校の中や、家族に対してだけでなく、学校への登下校の途中で出会う方々に対しても、同じように「隣人」になって、大切にできるように心がけなくてはなりません。そして、この手紙の話を聞いて、子どもたちが自分たちの行動で、この手紙への返事となってほしいと話しました。そのように実行してくれることを願っています。子どもたちがこの手紙へのふさわしい返事になっていかれるように、指導に努めていきます。

 

このページのトップへ
このページのトップへ