校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

中高等科 7月の集い  7月13日

2018.07.13

中高等科でも7月の集いを行いました。4月からのしめくくりと夏休みの生活への励ましの機会として、これまでの学校生活をふり返りながら考えました。

~~**生徒への話**~~

4月から"Take courage. Walk with Philippine Duchesne."を今年度の目標として進んで来ました。SDGsについても意識してきました。海外からの訪問を受ける機会も多く、色々な出会いがありました。皆さんにはどのような日々だったでしょうか。聖フィリピン・デュシェーンのような勇気をもって、色々なことにチャレンジし、学ぶことができたでしょうか。聖フィリピン・デュシェーンについても知識が増え、親しみも増してきたならうれしく思います。聖マグダレナ・ソフィアの祝日にはシスタードナ・コリンズの講演をお聴きして、聖フィリピン・デュシェーンについて発見することが多くあったと思います。数々のスライドを皆さんと一緒に見られたことは印象深いことでした。シスターコリンズからの問いかけがありました。もし聖フィリピンが今、ここにいたら、何に気づき、何のために、誰のために働こうとしたか、という問いでした。これについて考えてみることはとても重要です。聖フィリピンの選んだことは、フランスで革命の時期には、虐げられ、弱い立場にある人々のために働くことであり、北米においては先住民や貧しい人々のために働くことでした。皆さんには、どのようなことでしょうか。

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みこころの祝日に、「人のために自分をどのように使うか」について皆で考えました。聖フィリピンの心で考えたと思います。色々なものを皆さんはあげました。その日の掲示物を今回改めて全学年見てみました。名前が書いてありましたので、一人ひとりを思い浮かべながら読みました。それぞれに今の自分にできることを考えて、書いていました。身近な人とのかかわりの中でできること、自分の参加している活動での役割や責任、環境問題や世界全体に関わること、SDGsに関連するようなこともありました。募金もあげられていました。それぞれ自分をどう使うか考えたのですから、ぜひ実行してください。小さなことから始めることが大事です。寄付・募金は有効です。大阪での地震、西日本での水害など、支援を必要としている人は多数です。買い物のときに自分のお金の使い方を考えてみるときっと良いでしょう。そして、小さなことで良いので、自分の時間や身体を使うことも大切にしましょう。自分の心と身体を使うことに身軽になりましょう。労力を使うことは疲れることかもしれませんが、出会いの喜びがあり、自分の世界が広がります。小さい体験を積み重ねてください。

9月15日には世界の聖心でGlobal Service Dayを行います。みこころの祝日の活動で私たちも参加します。その他の活動でも、もゆる会の活動や学年の奉仕活動など、参加できるものがきっとあるでしょう。たくさんの活動が、私たちの学校から発信できれば楽しいことです。

夏休みに今年は特別の課題として、聖フィリピン・デュシェーンについての冊子を読んでいただきます。聖フィリピンについて発見してください。聖フィリピンが苦労したこと、聖マグダレナ・ソフィアとの友情、考え方などについて読むことができます。そして、読書の成果として、文章・絵画・中等科クリスマス・ウィッシングの脚本の3つの形式から選んで作品を仕上げてください。作品コンテストとなります。自分の得意な形式で聖フィリピンについて表現してください。どのような作品が出されるか楽しみにしています。11月の祝日行事も楽しみです。

SDGsについても4月から考えてきました。色々な活動がSDGsに関わることに気づくことができました。女子校で学んでいることは、目標5のジェンダー平等に関わります。6月末の初等科保護者講演会にいらしてくださった国谷裕子さんは、女子が力をつけることは大切とおっしゃっていました。日本の女性の状況を考えてみると、ものごとを決める立場、意志決定の場にいる女性、リーダーシップの場にいる女性はまだ非常に少ない。だから女子校は女子の意識を育てる場として重要ということでした。皆さんがこの学校で学んでいることは意味深いことです。

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SDGsの17の目標について、自分の色の目標の意識をもつことができているでしょうか。12年生黄色の学年は目標7エネルギー問題、11年生ピンクの学年は目標10不平等をなくす、10年生緑の学年は目標13気候変動、9年生白の学年は目標6水の問題、8年生青の学年は目標14海、7年生赤の学年は目標1貧困問題です。今回SDGsの名刺大のカードを作りましたので、皆さんにお配りします。リマインダーとして活用してください。SDGsは2030年が目標達成の年です。2030年は12年後ですから、12年生は30歳になっています。社会で活躍している年代です。その時に世界はどのようになっているでしょうか。皆さんはどのような世界に住みたいですか。SDGsについて考えることは、2030年にどのような世界に生きたいか、その世界を今から作っていくことです。人ごとではありません。

グローバルな問題もローカルなところから始まります。自分のできる小さな事から始まります。SDGsは誰も置き去りにしない、世界の人々と共に、という考え方です。一人ひとり実行できることは様々あります。飲み物のストローにも気をつけてみましょう。実行できることとして一つの例をあげます。WFP(World Food Programme 国連世界食糧計画)を支援するエッセイコンテストがあります。今回のテーマは「おなか空いた、なに食べよ!」です。このコンテストの良い点は、応募して参加するだけで、1作品につき途上国で給食4食分の費用が寄付協力企業から寄付されることです。身近なテーマですし、参加するだけで支援につながります。一人でも多くの皆さんが参加することを期待します。この活動によって、SDGsのうち少なくとも目標1貧困、目標2飢餓、目標3健康、目標4教育、目標9持続可能な開発、目標10不平等、目標11企業のイノベーション、目標17パートナーシップに関わることになります。このコンテストのポスターは職員室前に掲示されています。(主催は認定NPO法人国連WFP協会)

今回の聖書の朗読箇所について考えてみましょう。イエスと弟子が湖をわたります。4月の始業の時には、イエスと弟子が湖の向こう岸へと船で出発する、イエスと弟子との船出の場面でした。4月から皆さんも一人ひとり旅をしてきました。弟子たちはイエスと共に漕ぎ出しましたが、途中で嵐が来て不安になり、イエスを起こして助けてもらいます。イエスが一緒にいたのに弟子たちは不安になり、心配になってしまいましたが、嵐を静めるイエスの力を見て、安心します。これはマルコによる福音書4章にあるエピソードです。今回の朗読はマルコによる福音書6章からでした。イエスは弟子たちだけを船で向こう岸へと行かせます。また途中で大風に遭い、船は進むことができなくなります。弟子たちは自分たちの力で何とかしようとしますが、うまく行きません。イエスの存在を忘れてしまっているかのようです。たとえイエスが一緒にいなくても、いつも見守られていることを忘れてしまっています。だから、イエスが近づいてきたときにも気づくことができず、幽霊かと思って恐れてしまいます。

この場面からイエスの心の深さを読み取ることができます。「安心しなさい、私だ」と声をかけて、イエスはいつも共にいること、どのような時でも見守っていることを弟子たちに知らせたい。イエスは誰一人をも置き去りにしません。私たち誰一人をも置き去りにしません。夏休みの間、それぞれ色々な出来事に出遭うことでしょう。心配になったり、不安になったりするような出来事に出遭ったとしても、必ずイエスは共にいてくださいます。私たちがイエスを見失ってしまったとしても、イエスは共にいてくださいます。聖書には弟子たちに起こったことが書かれていますが、それは私たちにも起こりうることでもあります。昔あったこととして書かれていることは、今も、いつも、ということです。聖書の言葉の力とはそのようなものです。私たちが気づかないとしても、イエスは共にいてくださいます。

帰宅する前に一つしていただきたいことがあります。JASHの作成された創立者聖マグダレナ・ソフィアのことば日めくりカレンダーが各教室においてあります。そのカレンダーで、自分の誕生日のことばを読んでください。どのような言葉が書かれているでしょうか。たとえ、今、ピンとこなくても、大切にしておいてください。きっと力になってくれる言葉です。

それぞれに良い夏休みを過ごしてください。来週、校外での活動がある学年は、天候に恵まれて良い体験ができますように。海外体験学習なども、今年はカンボジア、韓国、台湾、サンディエゴ語学研修、ロンドンでの研修に行く方たちがいます。安全に、良い活動をしてきてください。学校でのクラブ活動も充実したものとなりますように。暑さが予想されますから、注意して活動してください。10年生の社会体験、各自の奉仕活動などでは、出会いの中で学んできてください。

9月に元気な姿で戻ってきてください。安全で、健康で、実り多い日々となりますように。

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