校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

カンボジア体験学習(1)

2018.07.23

カンボジア体験学習を7月22日から実施中です。今回は本校から17名、札幌・不二・小林の姉妹校から各3名ずつ、合計26名が参加しています。22日朝に成田を出発、ハノイ経由でアンコールワットの町シェムリアップに到着、6日間滞在し、28日に帰国します。この体験学習はカンボジアの歴史・文化について知り、世界遺産であるアンコールワットを始めとする遺跡を訪問し、ポル・ポト政権時代の負の歴史を学ぶことで平和構築の大切さを深め、幼稚園・農村の中学校・聴覚と視覚特別支援学校・高校を訪問し、異なる環境で生活する現地の人々との出会いを通して、カンボジアの今の現実への理解を深めます。

現地では毎回チア・ノルさんにお世話になります。ノルさんはポル・ポト政権時代に難民として出国し、日本で育たれ、現在はシェムリアップでアンコールワット遺跡修復の日本チームの仕事に携わられる傍ら、NPO法人JSTを立ち上げて遺跡修復に従事する現地の人々の住む村の支援活動もされています。ノルさんは流暢な日本語で自らの体験も交えながら、カンボジアのポル・ポト政権時代の困難や平和構築の努力、遺跡修復、今のカンボジアが抱える課題などについて生徒に語り、伝えてくださる大切な存在です。

22日夕方にシェムリアップに到着、早速ノルさんにご自分の体験を語っていただきました。23日は、シェムリアップ州立聴覚・視覚特別支援学校を見学し、その後にポル・ポト政権時代のキリングフィールドを訪問、午後にカンボジアの伝統舞踊であるアプサラ舞踊学校で舞踊体験をしました。アンコールワット遺跡群についての説明もあり、盛り沢山な一日でした。

特別支援学校門.JPG

聴覚・視覚特別支援学校では、子どもたちが点字や手話を学んでいます。子どもたちが大切にされていることが伝わる明るい雰囲気の中、専門的な教育がなされている学校で、カンボジアの教育事情の一端を知る機会となりました。特に、伝統文化を教えることをカリキュラムの特色の一つとし、聴力に障がいのある生徒たちが優美な伝統舞踊を見せてくれたことは非常に印象深いものでした。先生の手拍子を見て、リズムをとって踊っていました。踊り手の生徒たちからは喜びと誇りが発せられていました。本校生たちも手話による拍手で感謝を表しました。視力障害の生徒の美しい歌声も披露されました。

授業の様子.JPG

点字学習.JPGダンス.JPG

集合写真.JPG

ポル・ポト時代の負の歴史を学ぶこともこの体験学習の重要な要素です。平和構築に向けての学びを深めます。例年は首都プノンペンのキリングフィールドを訪問していますが、今年はシェムリアップとしました。そこは町の中心からアンコールワット遺跡に向かう途中で、人々の生活に近接した場所でした。3年間で300万人が虐殺されたというポル・ポト時代、キリングフィールドはどこの町にもあったという現実を知り、改めて痛みを覚えました。

キリングフィールド.JPG

アプサラ舞踊学校は経済的に恵まれない若者の自立を支援する場です。今回は14歳から20歳の舞踊学校の生徒が集まってくれて、練習風景を見学させてくれると同時に、練習の体験もさせてもらいました。練習体験をした日本の生徒たちは、舞踊学校の生徒たちがカンボジア伝統舞踊の独特の動きを優美に踊る姿には、厳しい訓練が必要であることを感じ取っていました。言葉によるコミュニケーションが不自由でも、踊りを通して交流ができたことは実りあることでした。

舞踊学校集合写真.JPG

体験学習は続きます。第3日目はどのような出会いがあるでしょうか。

このページのトップへ
このページのトップへ