校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

6月13日 ファーストステージ朝礼  1㎞歩いてみて・・・  遠くの学校まで歩く子どもたち、船の上の学校で学ぶ子どもたち 

2018.06.18

3年生の算数の授業では長さの単位「㎞」を学びます。実際に1㎞歩いて、どのくらいの距離か体験する授業に参加しました。その体験をもとに、世界には学校から遠いところに住んでいる子どもたちもいることを考えました。

CIMG1314.JPG                   〈スタート前に説明を聞く〉

学校の正門をスタート地点として1㎞歩きました。ローラーのついた距離カウンターを先頭の児童が2人1組で持って歩きます。60㍍で交替します。後ろのペアは歩数を数え、最後に合計を出します。クラスの児童は2列で沈黙で続きます。どこまで行くことになるのか、わくわくしながら歩きました。正門からの1㎞は、目黒通りを地下鉄白金台の駅を越えて、目黒方向に横断歩道を渡って、児童公園の前までとなりました。1㎞の距離を実感することができました。児童は往復で、校舎から正門までの距離も含めて2.5㎞以上、3㎞近く歩いたことになるでしょう。30分以上かかりました。4時間目でしたので、帰ってくると、児童はまだまだ疲れてはいないものの、おなかがぺこぺこになっていました。

CIMG1318.JPG                       〈1㎞達成〉

東京はとても便利なところです。地下鉄やバスがあり、通学に利用することができます。聖心の子どもたちは、家の近所に小学校があっても、聖心で学ぶために時間をかけて通学しています。聖マグダレナ・ソフィアを大切にして、聖心に集まって皆で学んでいることはとてもうれしいことです。

1㎞歩く授業に参加して、世界の子どもたちのことを考えました。山の村に住んでいる子どもたちの中には、学校が家の近くにはなく、毎日何時間も歩いて学校に行く子どももいます。アフリカのモロッコの山の村に住む女の子たちは、中学校に行くために毎週月曜日に朝4時間も山道を歩かなければなりません。毎日そのような通学はできないので、金曜日まで学校の寄宿に泊まります。しかし、山道を長い距離を歩くことは大変なことで、危険もあるので、女子は学校に行くことをやめてしまうこともあります。勉強したいという気持ちがあっても、家の手伝いをして生活していることがあります。

カンボジアには湖の上で、舟を家として生活している人々がいます。高等科生の授業で、そのような村で働いた経験のある方をお呼びして話をうかがいました。その湖はとても大きなもので、湖の上には村がいくつかあります。そのような村では、学校も船です。通学もボートです。水の上ですから、歩いて行くことはできません。湖の水はあまりきれいではありません。子どもたちは遊ぶところがないので、学校の船の上の限られたスペースで遊んでいます。

世界には様々な生活をしている子どもたちがいます。SDGsの課題4は「すべての人に質の高い教育を」です。どのような所に住んでいる子どもたちも安全に通学して、楽しく勉強を続けることができる世界が望まれます。

本校の児童が交通機関を使って通学していることも子どもには大きな経験ですが、1㎞歩いた児童が、長い時間と距離を歩いて通学する子どもたち、ボートで通学する子どもたちの生活を思い描き、自分たちとは異なる生活が世界に存在することを新たに感じ取ってくれることを願っています。

**訂正します。6月18日掲載時に「600㍍で交替」とあったのは、「60㍍」の誤りでした。

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