校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

6月第2週の朝礼 SDGs:私たちにできること、聖フィリピンも?

2018.06.12

教育は子どもたちの未来にむけてのもの。今回は2030年を目標年とするSDGs、国連の持続可能な開発目標について児童・生徒と考えました。

2020年東京オリンピックの年、その10年後の2030年、子どもたちはどのような姿となっているでしょうか。ファーストステージで聞いてみると、2020年オリンピックの時は、3年生から6年生になっています。どのような思いでオリンピックを見るのでしょうか。2030年になると、1年生は12年生となります。2年生以上は、自分たちが卒業して、もうこの学校にはいない時だとわかってびっくりしました。そのころ、どのような女性となり、どこで、何をしているのでしょうか。

2030年はSDGsが課題解決の目標としている年です。SDGsは2015年に国連で採択され、15年間が解決にむけての活動期間として設定されています。児童は世界の課題の解決は簡単なことではなく、時間がかかる困難なことであると気づいたことでしょう。SDGsの17の課題は世界全体で取り組むもので、発展途上国など課題解決に支援を必要とする国もあります。一方、SDGsは私たちの日常生活の身近なところで実践できることも数々あります。私自身が日頃気をつけて実践していることは、スーパーマーケットなどで買い物をするときにレジ袋をもらわないことです。レジ袋は再利用もできますが、それ以上にいつの間にか大量にたまってしまい、ゴミとして処分しなければならないこともあります。買い物にはマイバッグを忘れずに持って出かけます。また、観光地などで、風に飛ばされたレジ袋による環境被害に苦慮しているところもあるということです。このことを聞いて、風の強い日に飛ばしてしまい、取りに行くことができなかった経験を思い出しました。レジ袋をもらわないことは、消費者の選択です。SDGsの課題12「つくる責任、つかう責任」にあたります。学校生活でも、水をムダにしない、教室の電灯をつけたままにしないなどを心がければ、課題6「安全な水とトイレを全世界に」、課題7「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」を実践したことになります。児童・生徒は一日の学校生活の中で、できることをみつけられたでしょうか。

聖フィリピン・デュシェーンについても考えてみるとどうでしょうか。1818年にアメリカに渡り、聖心の学校を開設し、アメリカ先住民のことを心にかけた聖フィリピンが、もしSDGsを知っていたら、課題4「質の高い教育をみんなに」、課題5「ジェンダー平等を実現しよう」、課題10「人や国の不平等をなくそう」、課題16「平和と公正をすべての人に」を実践に努力したことになります。聖フィリピンが21世紀の今を生きていたら、どこで、どのようなニードに気づき、どの課題に取り組もうとしたでしょうか。

聖心女子学院の教育理念には「一人ひとりが神の愛を受けたかけがえのない存在であることを知り、世界の一員としての連帯感と使命感を持って、より良い社会を築くことに貢献する・・・」とあります。これを受け、本校は世界の人々との「共生」の姿勢を育むことをめざします。「共に生きる」は、聖心生のグローバルマインドの大事な視点です。そして、SDGsのコミットメント「誰も置き去りにしない」と共鳴します。SDGsは未来の世界を生きる聖心生のグローバルマインドに欠かせません。

SDGsは色々な分野で実践され始めています。企業、学校、自治体など、先進的な取り組みを進めているところが見られるようになりました。本校では、児童・生徒と共に取り組み始め、SDGsの課題を学校生活のすでにある諸活動と結びつけることから始めています。長野県でも県をあげて取り組もうとされていることを知りました。私たちも取り組みを進めます。

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