校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

地図を見て  フィリピン・デュシェーンと共に生きる

2018.04.24

地図を見るのは楽しい活動です。地図を広げると、未知の世界が広がります。聖フィリピン・デュシェーンは地図を膝の上に広げて祈っている姿でしばしば描かれます。地図はフランスからアメリカへと渡った聖フィリピンの生き方を象徴する指標であり、聖フィリピンの聖画を見分けるときのアトリビュート(持物)です。

今年2018年度は聖フィリピン・デュシェーンに学び、倣う年。今年の9月15日には、世界の聖心姉妹校でGlobal Service Dayを通して聖フィリピンを記念します。各地の聖心姉妹校で聖フィリピンのスピリットで奉仕・サービスの活動を行い、この日に報告し合います。その準備のために聖フィリピンのように地図を見て、自分たちの周囲にどのような現実があり、ニードがあるか、もし聖フィリピンが今、ここにいたら、どこで、どのようなニードに気づいて、誰と、何をするか考えながら活動するようにと呼びかけられています。そして、何か不公平なことがら、正義が行われていないことがらにも気づくようにと呼びかけられています。私たちもこれからどのような活動をして、どのように発表できるか考えていきます。

世界に広がる聖心の、2つの地域からの発信について児童・生徒に朝礼で話しました。一つはインドネシアから。地図上で、日本に一番近い国、韓国、台湾、中国、フィリピンと、子どもたちと考えながら南下して行きました。インドネシアでは現在2名の日本人聖心会シスターが活動しています。その一人シスター井上千寿代から手紙が来ました。シスター井上はもう20年以上にわたりインドネシア各地で活動し、日本に帰国されるたびに本校を訪問して児童・生徒に活動報告をしてくださいます。初等科ではハイチデーの寄付をお送りしており、初等科の児童にシスター井上は親しみのあるシスターです。

シスター井上の手紙001.jpg

今回のシスター井上の手紙にはインドネシアの3つの島での活動が書かれています。ジャワ島のジャカルタでの長年の活動により、かつてストリートキッズであった2人が家庭をもち、子どもを育てる父親になっていること。これはシスター井上の初期の頃からの活動の成果です。そして、インドネシアの東に位置し、東チモールに近いフローレス島にある中学高等学校を支援し、本校から寄付した本を送付して役立てていること。その学校ではキリスト教・イスラム教と宗教の異なる生徒達が一緒に生活し学んでいること。エンデの町には聖マグダレナ・ソフィアを守護聖人とする教会もあるとのこと。聖心のシスターの活動の力が感じられます。また、「ケンクチル」という島を訪問したことが書かれていますが、この島は地図を見ても、インドネシアのどこに位置するのかまだ見つけられません。シスター井上はインドネシアの西から東へと広い範囲にわたって活動されており、報告が来るたびに地図を見て島を探すと、その活動範囲の広さに驚かされます。ケンクチル島は、シスター井上によるとフランシスコ・ザビエルがインドネシアで最初に上陸した地ということで、ザビエル像が写真に写っています。また、この島では、1942年7月30日にカトリック教会の司教・司祭・修道女が日本兵により射殺された事件があったとのことで、シスター井上は聖心会の若い修道女たちとともにここで千羽鶴を捧げ、祈りを捧げたとのことです。

シスター井上の手紙003.jpg

もう一つはハイチから。カリブ海に位置します。ハイチでは聖心会が小学校と診療所の仕事をしており、初等科からハイチデーの寄付を送りました。学校の名前は "Fe Y Alegria" (Faith and Happiness) です。聖心会が活動しているBalanという地域を探して見ますが、やはりみつかりません。首都ポルトープランスの東に位置することはわかっています。

聖心会は世界の主要な地で学校を行うかたわら、地図で探すのが困難なような地域でも活動しています。聖フィリピン・デュシェーンが先住民Potawatami族の住むSugar Creekへと赴いたのと同じ精神です。9月のGlobal Service Dayに向けて、児童・生徒が、どこの、どのようなニードをみつけ、誰と活動することになるのか期待をもって見守っています。

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