校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

「感ずべき御母」の祝日  10月20日

2017.10.23

10月20日は「感ずべき御母」の祝日です。聖心女子学院のマリア様として、どこの聖心にも飾られているこの絵を記念して、祈りを捧げます。今年は、18日にファーストステージ、19日にサードステージ、20日にセカンドステージでそれぞれ祈りの時をもちました。

マリアの左側に飾られた一本の白い百合の花、足元のバスケットに置かれた本、右の傍らに立つ糸紬のための繊維をつけた棒とマリアが手にされるスピンドル・・・聖心の児童・生徒はこれらのシンボルの意味を毎年この日に思い起こします。聖心で、創立者の頃から魂・知性・実行力を大切にしてきたことを改めて受け止め直します。そして、「感ずべき御母」のマリアの持つ特別な美しさ、静けさをたたえる雰囲気を味わいます。遠くの風景と神殿のような背景、少女の若々しさをもちながら伏せられた目の輝きは、この絵ならではの静けさのある雰囲気です。少しうつむき加減に思い巡らす姿は、「ふり返り」の姿です。「ふり返り」が魂・知性・実行力の3つを一つにまとめています。「感ずべき御母」に倣い、聖心の児童・生徒が惜しみない心で、勉学に、人のために働くことに取り組むときに、それらの3つの要素がまとめられるのは、このマリアのもつ静けさ、「ふり返り」の姿勢によります。さまざまな活動をしながら、一つ一つのことがどのようであったかしら、とふり返ることが大切です。今年は特に、この「ふり返り」の姿に注目したいものです。

「感ずべき御母」には、病の癒やしを取り次いでくださるという信心の伝統があります。「感ずべき御母」に祈って、病気回復の願いが聞き届けられたという多くの逸話があります。このマリアの美しさと祈りの雰囲気が、多くの人を深い祈りへと招いたのに違いありません。私たちも病気に苦しむ方のことを思い、心を込めて祈りたいものです。

マリアの糸紬を見て、私たちは人のために働くことを学びます。しかし、糸紬は私たちになじみ深い仕事ではありません。「感ずべき御母」の原画を描いたポーリーヌ・ペルドゥローは、老年のマリアの姿も描いています。老年のマリアは織物を織り終わり、最後の糸を切る場面に描かれています。糸紬はまさに仕事の始め、織物を織るための糸を作る仕事です。まず、糸がしっかりしていなければ、よい織物を織ることができません。太さも一定でなければなりません。児童・生徒の時代は人生の土台作りの時期です。特にセカンドステージの年頃は、学習や生活の基本的習慣を作る時です。糸紬の仕事に着実さが求められるように、児童・生徒も積み重ねによって力をつけ、しっかりした土台を作ることが求められています。「感ずべき御母」の祝日に、特別に着実さ、積み重ねを大切にする姿勢に向かう恵みをいただけるように祈りたいものです。

*世界聖心同窓会AMASCから、この祝日に世界の聖心に映像のメッセージが送られてきました。糸紬に注目した祈りへの招きです。どうぞごらんください。 (言語:英語) Mater 2017 ENG.mp4

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