校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

4月8日中等科入学式・始業式 学年で仲間になる、共同体を作る

2024.04.10

 中等科では、8・9年生も共に参加して、7年生を中等科に迎える入学式と始業式を行いました。7年生は12年生までの中高等科6年間のスタートを切ります。セカンドステージの中間ではあっても、学校生活上の大きな変化を経験するときです。学年としての成長を願います。

 学校では4月からミツバチの飼育も始めました。新しい取り組みとして、どの学年にも知らせています。

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 7年生の皆さん、中等科入学おめでとうございます。今日から中等科生としての新しい生活が始まります。8年生、9年生の皆さんもそれぞれ進級して、新しい学年を始めます。今日は皆さん新たな気持ちで期待をもってここに集まっているでしょう。どの学年の皆さんも、楽しく、実り多い学校生活を送りましょう。

 中高等科では学年カラーが6色あり、各学年の色としています。それぞれの学年が中等科に入学したときに自分たちの学年の色が定まります。7年生の皆さんは赤の学年カラーを受け継ぎ、これから「赤」の学年として記憶されていくことになります。どのような赤の学年になっていくのか楽しみです。これまでいくつもの赤の学年がありましたが、それぞれ異なる色合いをもった赤の学年でした。皆さんが今日からのその色合いを作ります。

 7年から始まる中等科と高等科の生活は、初等科の土台の上に、それぞれが自分らしく切り拓き、築いていくものです。一人ひとりが自分のオンリーワンを開花させていきます。人と比べることはできない自分らしさですし、一人ひとりの毎日が積みあがった歴史を作っていくものです。まだどのようになっていくかわからない未来というものを、皆さんが一人ひとり自分で描いていきます。オンリーワンであることは、孤独も意味することを皆さんは知っています。しかし、皆さんそれぞれが自分の個性とオンリーワンを大切にしようとしている仲間であれば、そこには孤独のさみしさはないでしょう。

 中高等科の生活で大事なことは、自分をみつけることと、どのような「仲間」に学年としてなっていくか、という共同体の意識です。仲間がいることがオンリーワンを支えます。「赤の学年と言えば、〇〇だ!」という特色を皆で作っていってください。赤の学年と言えば、温かい、仲が良い、助け合っている、色々な人がいて、協力していてパワフル・・・、様々に考えられます。どのような学年になっていくことを皆で目指しますか?

 7年生の皆さんは、行事や、委員会活動やクラブ活動を通して、上級生との関わりも作っていきます。ここにいる8年生、9年生は皆さんを迎えることを楽しみにしていました。10年生以上の高等科生たちとも関わる機会があるでしょう。豊かな学びの機会です。聖心の生徒のあり方を上級生から学んでください。8・9年生は上級生として責任があります。学年を越えての関わり・交流を通して、学校全体としてもよい共同体になることを目指しましょう。

 今学年の学校目標が皆さんをきっと支え、導いてくれると思います。今年度の学校目標は「私から私たちへ 対話:始める、深める、変わる」とします。「私から私たちへ」と「対話」は今学年も続けて取り組みます。この2つはとても大事な今の世界に求められているものです。私たちの学校から大事なことを世界に向けて発信する気持ちで取り組みましょう。そして、今年度の3つの動詞に注目してください。「始める、深める、変わる」です。対話を自分から始めます。自分から進んで声をかけてください。誰かが始めてくれるのを待っているのではなく、自らスタートします。そして、対話だけでなく、何にでも自ら進んで取り組みましょう。勉強も学校生活での色々な活動もです。人に言われなくても、自分から考えてやってみると、新しい世界が広がります。2つ目の動詞は「深める」です。対話で聞いたこと、知ったことをしっかり受け止めて、自分でもよく考えてみましょう。ふり返りも大切な活動です。対話をふりかえって、深めましょう。何を耳にしたのか、新しいことは何だったのか、大事なことは何だったのか。対話から学び、考える姿勢を深めます。そして3つ目の動詞は「変わる」です。よい対話ができたら、考えが変わります。そして、新しい行動が生まれます。対話を通して、私は新しい考えを得て、新たな行動を始めます。そのときには、私が変わるだけでなく、周りも一緒に変わっていくでしょう。私の変化が周りの人々を変えていく力になるかもしれません。

 今日からの1年間にどのような対話ができるか楽しみです。

 対話は言葉によるだけでなく、神さまと対話する「祈り」というものもあります。耳の聞こえない方、聴力に障がいのある方々の使う「手話」も対話の方法です。色々な対話の可能性があります。英語を学ぶことで世界の多くの人と対話することもできます。7年生から本格的に英語を学びます。コミュニケーションが広がっていくことはとても楽しみです。とは言え、最近では自動翻訳の機械も発達しています。皆さんが大人になる時には、もっと発達していくかもしれません。しかし、自分の心を伝えるためには、自分の言葉で語ることが必要です。自分を上手に伝える自分の言葉を豊かにもっている人になってください。

 そして、言葉は人を傷つける力をもつこともあります。聖心では、人を活かす対話をめざし、人を傷つけたり貶めたりする言葉、いじめにつながる言葉はしりぞけます。このことも皆で心にとめながら、お互いの間に、良い対話に向かう言葉が聞こえるように心がけて進みましょう。良い関わりのある仲間の間では、大事にしたい良いものと、注意して直していきたいことがらを区別したり、お互いの間で気をつけ合って声をかけ合ったりすることもできるはずです。そのような仲間としての学年になっていくことも目指しましょう。

 それぞれの学年でよい対話が様々にあって、一人ひとりとしても、学年としても成長していく一年にいたしましょう。今学年の皆さんの活躍を期待しています。

 今年度も世界の聖心との関わりも深めます。まず4月24日、25日にはニュージーランドの聖心 Baradene College の方々が訪問されます。とても楽しみです。また、世界で色々な出来事が起こっていますから、学校生活を通してしっかり学び、世界に対しても広く関心をもって、自分たちのできることを探していきましょう。

 もう一つ、この春から新しいことがあります。学校でミツバチの飼育を始めることになりました。本館の屋上に巣箱を設置しました。理科の先生方を中心としてミツバチの世話をしています。ミツバチは正しく接すれば人に害を与えることはありません。理科の先生に正しい接し方を教えていただきましょう。学校の庭にはたくさんの草花があり、ミツバチを飼うにも恵まれた環境です。ミツバチを通してきっと多くのことを学ぶことができます。そのうちにハチミツを取ることもできるでしょう。これも楽しみなことです。

 毎日、一日ずつを大切に過ごしましょう。今日が赤の学年の歴史の最初の一ページです。

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