校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

9月12日中高等科朝礼、9月13日初等科朝礼 インドネシアからシスター足立万利子をお迎えして

2023.09.13

 聖心会のシスター足立万利子はインドネシアのバレンダで活動されていますが、現在一時帰国中です。中高等科と初等科の朝礼にそれぞれお招きし、インドネシアについてお話ししていただきました。

 中高等科では、まずバンドン会議の話をしてくださいました。バンドンには聖心会の修道院があります。シスター足立も昨年まではバンドンで活動されていました。このバンドン会議について社会の授業で習ったでしょうということから話が始まりました。(改めて調べてみると、1955年アジア・アフリカの29ヶ国が参加してバンドンで開催された世界の平和を求める会議でした。参加国の多くが植民地支配から独立した国だったということです。この会議では平和10原則が制定されました。)開催当時は大きな注目を集めた会議で、世界の平和への期待がかけられましたが、継続して開催されることはありませんでした。現在バンドンではこの会議場が世界遺産になっており、各国の国旗が飾られているということです。

 次に、インドネシアと日本の違いについて、平均寿命や平均年齢を比較して話してくださいました。インドネシアの平均寿命は男性60.67歳、女性73.55歳ですが、日本では男性81.64歳、女性87.74歳です(2019年)。平均年齢はインドネシアは32.1歳、日本は47.4歳だそうです。これらの数字をあげながら、インドネシアで生活していると、国民皆保険制度がないために、医療を受けられない人が特に貧困層に多く、身の周りでも若くして亡くなる方が多いと感じていると話されました。日本では健康保険制度が国民全体に行き渡っており、医療が受けられるのは当たり前のことと考えてしまいますが、国により状況は異なります。インドネシアでは、特に、都会に仕事を求めて集まってくる人々が住所を持たない路上生活者となっている現実をあげられました。

 また、平均年齢が低いインドネシアには若い人がたくさんいるということです。来年インドネシアでは大統領選挙が予定されているということで、若者たちのために良い未来がもたらされることを願っているということでした。

 初等科ではインドネシアの子どもたちについて話してくださいました。インドネシアの小学校では低学年の4年生までの子どもたちは、午前中に7コマの授業をして下校し、上級生は午後にもまた授業があるということです。一つの授業は35分で、4時間目が終わったら、お茶の時間があるということでした。修道院の近くの学校には、カトリックの子どもたちとイスラム教の子どもたちと両方が通っているということでした。

 インドネシア語に訳された聖マグダレナ・ソフィアの絵本を、子ども達が読んでいる写真も見せてくださいました。

 インドネシアには子どもがたくさんいることになりますが、子どもたちの中には明らかに学校のある時間に親と一緒にゴミ拾いなどをしている子どもも見かけるので、とても心配しているということでした。路上生活者の親子です。道路で車の窓ガラスを磨いたりして働いている少年たちもいるということでした。シスターたちは修道院の近所に住むそのような人々や子どもたちのためにお弁当を作って配る活動もしているということでした。100個くらいのお弁当が1時間くらいでなくなってしまうそうです。

 初等科生たちには世界には色々な子どもたちがいることを伝えてくださいました。

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