校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

6月27日中高等科朝礼 LSGsはカトリック教会の取り組む7つの行動の指針

2023.06.27

 本校生たちはSDGsについて色々な取り組みを試みています。具体的にできることは少なくとも、「常識」として知っておくべきという意識をもっているのではないかと期待しています。カトリック教会でも、「LSGs」として教皇フランシスコのもとで7つの指針をあげ、世界の課題に取り組もうとしています。LSGsとは何でしょうか。生徒と共に考えてみました。上の画像はカトリック教会ラウダート・シデスクによるものです。

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 6月も最後の週となり、夏休みも近づいてきています。合唱の練習の歌声が聞こえてきて、皆さんが協力して曲を作ろうとしているのがうかがわれ、うれしい気持ちがしています。音楽の日を楽しみにしています。同時に、学習にもしっかり取り組んでください。学習するということは、正しくものを学ぶことです。つまり、正しく言葉が使えるということでもあるでしょう。毎日新しいことに接し、学ぶ、というのが皆さんの生活です。学んだことがしっかり自分のものになるようにしましょう。それはテストで良い成績をとるというだけのことではありません。

 皆さんが学んでいることは、ものの見方です。世界の理解でもあり、人間の理解の仕方も学んでいます。世界や人間を理解するための仕組みや言葉を学んでいます。それを自分のものにしてください。私たちは言葉を通して理解し、人と関わっています。たとえば、国語で漢字テストがあったり、英語で単語テストがあったりするでしょう。テストと言うと気が重いかもしれません。しかし、自分の使える言葉を増やすチャンスと思って取り組んでください。

 本当に何かを伝えたかったら、自分の言葉で語ることが大切だと言われます。借り物の言葉ではだめだとも言います。では、自分の言葉を増やすことが大事になります。それは自分にとって楽しいこと、そう思って取り組みましょう。そこで、今回は一つの新しい言葉を紹介します。それは「LSGs」です。SDGsは皆さんには、もう自分の言葉になっているでしょう。SDGsと言ったら、頭の中にぱっと、色分けされた四角形が並ぶ表のイメージが出てくるのではありませんか?17個の2030年までの世界の課題です。貧困、水、食料、教育、平和、ジェンダー平等などの課題で、持続可能がキーワードです。誰かが「SDGsとは何ですか?」と尋ねたら、「え、知らないの?」と言って、皆さんはきちんと説明できるでしょう。ではLSGsは何でしょうか。

 LSGsの「S」と「G」はSDGsと同じで、Sustainable Goals 持続可能な到達目標です。SDGsは国連のものですが、LSGsはカトリック教会のものです。「L」は「Laudate Si」の「L」で、Laudate Si は10年ほど前に教皇フランシスコが書かれた本のタイトルです。本と言っても、これは教皇から全世界への手紙です。そこでは、地球を皆の住む家、共に暮らす家ととらえ、皆で大切にしなければならないとして、環境問題やエコロジーが取り上げられています。「Laudate Si」とは、イタリア語の言葉で、地球や宇宙を創ってくださった神様、あなたをたたえますという意味です。LSGsはですから、Laudate Si Sustainable Goals のことで、7つあります。①地球の叫び、②貧しい人の叫び、③エコロジカルな経済、④持続可能なライフスタイル、⑤エコロジカルな教育、⑥エコロジカルな霊性、⑦地域社会のレジリエンスとエンパワメントです。何に注目しているかというと、地球環境、貧しい人々、お金の使い方、生活のあり方、教育、人の心の中や内面性、社会のあり方、ということです。

 Laudate Si は、神と地球のあらゆるいのち、自分の内面世界、そして社会、これらの4つがつながっていて、関わりの中で生きているという考え方を大事にしています。LSGsは、このLaudate Si の考え方で地球の課題を考えるときに浮かび上がってくる7つを取り上げています。私たちの学校でも、世界や社会の課題について色々なことに取り組んでいます。SDGsに当てはめて考えてきたことは、LSGsにもあてはまるでしょう。神様との関わりの中で、SDGsを考えるということかもしれません。LSGsについてもこれから考えていきましょう。掲示しますので、見てください。

 

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