校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

新年の祈り 初等科 中・高等科  1月10日

2018.01.12

新しい年が明け、初等科、中高等科それぞれで祈りをもって学校生活を始めました。

2018年は聖心の歴史において2つの点で重要な年です。110年前の1908年1月1日に聖心会のシスターがオーストラリアから来日して、聖心の学校を創立しました。200年前の1818年には、聖フィリピン・デュシェーンがフランスからアメリカへと、聖心の学校創立とアメリカ先住民の人々にイエスのみこころを伝えるという目的をもって渡りました。これら2つの出来事は、新しい国・文化におけるチャレンジでした。今年はこれらの例に倣って、困難なことに出会ってもすぐにあきらめずに、チャレンジし続けることを学びたいものです。

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~~ 初等科生への話 ~~

新年おめでとうございます。クリスマスにはイエス様が皆さんの心に生まれてくださり、お正月には神さまからたくさんの恵みをいただいたことと思います。よい冬休みを過ごして、新しい気持ちでがんばろうと思っていることでしょう。

クリスマスカードや年賀状をたくさんいただきました。戌年にちなんだ決心や願いがたくさん書かれていました。ぜひ実行してほしいと思います。たとえば、このようなものがありました。「犬は3日間飼われれば、3年恩を忘れない。だから感謝を忘れないようにしたい。」また、「犬のように勤勉に、努力する心、やさしく強い心を持ちたい。」

毎年のように、「いぬどし」として言葉を考えてくれたものもありました。

「い」 いつも笑顔。いろいろなことにチャレンジ。いのちも友だちも大切にする。いっしょうけんめい。

「ぬ」 ぬくもりを伝える。ぬけ道をせずこつこつ。ぬかりなく。

「ど」 どんな人にもやさしく。どんなことにもチャレンジ。どんどん神さまの愛を大きく。どりょく。

「し」 芯を強く。失敗してもあきらめない。しっかりした人になる。親切。

これらはどれもおもしろくて、素敵な考えです。皆で、戌年にふさわしく進みましょう。

聖フィリピン・デュシェーンは勇気と忍耐力の人でした。2018年の今年は聖フィリピンに倣いたいと思います。犬は忠実ですぐにあきらめたりしない動物だそうですから、私たちもあきらめずに進みましょう。

1月は学年末のしめくくりの時です。それぞれ自分のやるべきことにしっかり取り組みます。学校目標「Build communities. +Generosity」もしめくくりの時となりました。コミュニティとして皆で努力します。よい仲間となっていくように、困っている友だち、さみしい友だちがいないようにします。2月には学習発表会があります。クリスマス・ウィッシングでは初等科全体が一つの心になりました。学習発表会では学年が一つの心になるようにと期待しています。これから毎日、よい学校生活をしていきましょう。

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~~ 中高等科生への話 ~~

休み中にクリスマスカードや年賀状をたくさんいただきました。新年は、決意や決心を新たにするときです。それぞれ心新たに希望をもって登校してきたことと思います。年賀状には様々な思いが書かれていました。たとえば、「自分に負けない人になれるように」、「自分にできることを増やしたい。苦手なこと、いやなことを楽しいことに変えて行動できるように」、「ボランティアの楽しさに気づき、ちょっとしたことにもやりがいが感じられた。これからも続けたい」、「誰かが困っているときに手をさしのべること、誰かの力になることは、自分の幸せにもなると気づいた。これからも続けたい」、「挑戦に励んでみて、勇気をもって踏み出すと、新しい景色が見え、発見があることがわかった。これからさらに続けたい」、「目に見えるものがすべてではないことに気づいた。目に見えないものに、本当に大切なものがある。人との関わり、神さまとの関わりを大切にしていきたい。」皆さんの心にもこのような思いがあったことでしょう。それを大切に実行していくことを期待します。

2018年は聖心の歴史において意味深い年です。聖フィリピン・デュシェーンも、来日したシスターたちも、どちらも新しい土地、新しい文化の中で聖心の教育を始めることを試みました。アメリカで聖フィリピン・デュシェーンは先住民にイエスのみこころを伝えようとし、日本ではシスターたちがキリスト教国でないところで聖心の学校を始めようとしています。新しいことを始めるために勇気と決断力が求められました。また、始めてみれば、思い通りにならないことや困難に必ず出会うものであり、忍耐力ややり続ける力が求められたはずです。今年はこのような力を学び、倣いたいものです。祈りの力が中心にあったはずです。これは聖心の伝統として、ぜひ受け継いでください。新年は希望や期待の時です。自分の思いを、勇気や決断力、忍耐力をもって実現してください。

今の世界の現実を考えると、お正月にも厳しい状況に直面している多くの人々がいます。毎年1月1日はカトリック教会では「世界平和の日」とされ、ローマ教皇がメッセージを出しています。昨年はこの平和メッセージについての作文コンテストがありましたので、夏休み前に9年生以上でメッセージを読み、多くの方が作文を書きました。このコンテストの結果については改めてお知らせします。今年のタイトルは「移住者と難民、それは平和を探し求める人々」でした。フランシスコ教皇は昨年11月にミャンマーを訪問し、ロヒンギャの人々に会いました。ロヒンギャの人々はキリスト教徒ではありません。仏教国であるミャンマーで、イスラム教を信じる少数派の人々です。宗教の違いが政治的な問題と結びつき、迫害を受け、難民となって過酷な状況におかれています。このことは皆さんも知っているでしょう。フランシスコ教皇は、世界各地の難民と様々な理由で移住せざるを得ない人々を大切に考えるように世界の教会に呼びかけています。移住者は世界中で2億5千万人以上いると言われています。日本の人口の約2倍ですから、大変な状況です。これらの人々は受け入れてもらうことができない人々です。聖フィリピン・デュシェーンも来日した聖心のシスターたちも、新しい土地に来て、受け入れられたからこそ、聖心の学校を始めることができました。私たちは今すぐ難民や移住者の人々のために何かすることはできないかもしれませんが、私たちの身の回りにも、弱い立場の人々、異なる考えを持つ人々はいます。困っている友だち、受け入れてもらえない人、いじめを受けている人もいるかもしれません。そのような人々のことを心にかけることができます。そのような人々の仲間になっていくことができます。今年はこのようなことを実行する1年としていきたいと思います。聖心は一つの家庭と言っています。そのように、この学校が私たち全員にとって楽しいところとなってほしいと願います。そして、この聖心から始まって、もっと広く、家族のような温かい、ほんもののかかわりが広がってほしいと願います。

今年度の目標「Build communities. +Generosity」を生きるのも、あと3ヶ月です。よいコミュニティを作ることをもう一度心にとめて進みたいものです。私たちのコミュニティには、教皇様の言う難民や移住者の人々も視野に入れていきたいですし、入っているはずです。

聖書朗読はルカによる福音書からでした。神の国は小さなものから大きく育つと語られています。神の国とは、神さまとの関わりのあるところと言えるでしょう。神さまとの関わりが生きたものとして育っていくところです。私たちの小さな祈りや感謝、恵みを受けて実行した小さなことが、大きなものとして育っていきます。それは不思議なことです。そして、神の国はどこかに見えるものとしてあるのではなく、あなたたちの間にあるとも言われます。私たちが神さまに支えられて、神さまを知っている人々の集まりとなって、祈ったり、感謝したり、小さなボランティアをしたり、仲間を受け入れたりして、コミュニティを作っていくとき、そこに神の国があり、育っていく、このようなことが言われています。これからの3ヶ月、今年度のしめくくりとして、Build communities. を実践していきましょう。各学年しっかり過ごしてください。

 

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