校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

2月14日中高等科朝礼 問いから始まる

2023.02.14

 トルコ・シリアで大きな地震が発生し、生徒たちは心を痛めています。朝の祈りでも言及し、奉仕活動を担当する委員会であるもゆる会は救援のための募金を計画しており、生徒の活動を応援しています。今回の朝礼では、生徒の授業での活動の様子を受けて、問いを立てることの大切さについて考えました。

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 8年生の授業に、欠席された先生の代わりに行く機会がありました。課題をしたり、グループプレゼンテーションの振り返りや準備の相談をしたりする様子を見せていただきました。いくつかのグループの方にはスライドも見せていただき、自分たちで調べたことを自信を持って説明する姿にも接しました。自分で調べて学んだことは力になります。質問しても、すぐ調べて答えてくれました。調べるツールを使いこなせることも頼もしいことでした。そして、問いを立てることも大切です。なぜ、というところから新たな世界が広がります。

 私も一つの体験をしました。しばらく前に7年生の音楽でお琴の授業があり、見学にいきました。楽譜を見ながら、一所懸命に曲を練習していました。きれいに響く音はとても美しいと感じました。担当の梶先生が音程をとりながら、ドレミでなく、一、二、三、と弦の名を数字で読んで歌ってくださっていたのも、和楽器独特と思って聞きました。

 授業の後、私もお琴に触らせていただきました。思いがけず大きな音が出て響き、お琴は単純な形の楽器なのにすごいものだと感じました。弦の右の端には、上の弦から一、二、三・・・九、十、と弦の下に数をふって分かるようにしてあり、弦は全部で十三弦あるので、十一番目には「斗」(と)、十二番目には「為」(い)、十三番目には「巾」(きん)と書いてありました。そこで、「なぜ、斗、為、巾なのですか」とつい不思議に思って先生に聞いてみたところ、あらなぜでしょう?ということになりました。そうしたら、先日調べてくださって、この由来を教えてくださいました。

 琴は奈良時代に中国から日本に伝わりました。その時の弦の古い読み方では、数字ではなく全部の弦に漢字を用いて、「仁智礼義信文武斐蘭商」そして「斗為巾」とされていたということです。これらは徳目で、論語にも出てくるような人間にとって大切な内面的な要素です。たとえば、仁は思いやり、智は知恵、礼は礼義です。このことを知って、それでは、なぜ琴の弦をこのように呼ぶことにしたのだろう、という次の疑問が浮かんできました。

 琴は源氏物語にも出てくる大切な楽器です。シンプルですが、その音色は深く美しいもので、人の心に深く響きます。そのようなことから仁智礼義・・・と弦を呼んだのだろうか、と疑問はつきません。皆さんも自分の疑問を大切にして学んでいってください。自分で調べて学んだことは力になります。

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