校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

長崎研修旅行

2025.07.24

先週11年生の長崎研修旅行に同行しました。「平和・キリシタン・歴史」がテーマの旅で、さまざまな学びが得られる旅となりました。長崎空港に到着し昼食後、原爆資料館に向かい、始めに被爆体験講話を伺いました。当時9歳だった羽田麗子さんが目の前で起きたことを思い出されながら話してくださった一語一語が心に深く響きました。「なぜ原子爆弾が投下されたのでしょうか。」「それは日本が戦争をしていたからです。」という問いかけにハッとさせられました。戦争をしていなければ、爆弾は投下されなかったという当たり前のことが、そうならなかった。なぜ戦争になってしまったのか、歴史をふり返らなければいけないと考えされます。そして「平和はむこうからきてくれるのではない。」と話され、3つのことを心にとめておいてほしいと語られました。一人ひとりの命はたったひとつのかけがえのない命。自分の命が大切、相手の命も大切。差別をしない。障害があっても、言葉が違っても、命の重さ、尊さは同じ。時間がかかることだが、話し合いで解決する。その夜の分かち合いの時間で、子どもたちの心にも響いていたことがわかり、うれしく思いました。

 その後資料館、爆心地公園、平和公園、如己堂、永井博士記念館を見学し、浦上天主堂でミサにあずかりました。永井博士記念館には教皇様から贈られたロザリオが展示されており、そのロザリオには創立者聖マグダレナ・ソフィア・バラのおメダイが付いていました。私たちを永井博士と被爆地長崎に導いてくださっているように感じられました。ごミサでは神父様が歴史的なこともお話くださいました。当時、浦上には1万2千人のカトリック信者がいて、8千人が犠牲になったことを知り、小聖堂の被爆マリア像と犠牲者の洗礼名と名前が刻まれた刻銘板を見て、ご像のマリア様の表情がより悲しく思われました。また、かつて北側の鐘楼にあったが原爆によって壊された小鐘をアメリカのカトリック信徒の方々が復元、寄贈され、翌々日に祝福式と設置工事があり、8月9日11:02に鳴らされる予定であることも伺いました。

 二日目は平戸と天草の2グループに分かれ、教会などを訪問。三日目は西坂の日本二十六聖人殉教地を訪れたあと、長崎市内班別研修となりました。最終日はあいにく雨天となりましたが、外海地区の出津教会堂、旧出津救助院、ド・ロ神父記念館などを見学し、帰路につきました。旧出津救助院では、140年ほど前、ド・ロ神父様がフランスから取り寄せたハルモニュウム(リードオルガン)をシスターが演奏してくださいました。鍵盤が左右に動き移調したり、単音でも和音が鳴る機能を持つ特別なオルガンで、その美しい音色に聞き入りました。子どもたちはそれぞれテーマを持って旅行に参加していて、夏休み中にレポートを仕上げ、10月のみこころ祭で展示することになっています。

 

 

 

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