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先週の金曜日、中・高等科の校内合唱コンクールがありました。7年生から順番に合唱をし、最後に高等科の選択音楽履修者による発表がありました。その後審査員の音楽の先生から講評をいただき、結果発表、表彰式を行いました。14日からの週は校外学習に行くなど学年によって行事が異なるので、夏休み前に全校で集まる最後の日となりました。
7月11日 中・高等科合唱コンクール後の話より
歌の国イタリアでは「良い声を聞くと寿命が10年延びる」と言われているそうです。皆さんの歌声を聞いて10年、寿命が延びました。なんて素敵なメロディー、詩、言葉があるのでしょう。どの歌からも生きることのすばらしさが感じられ、歌の力、合唱の力を改めて思いました。それぞれ素晴らしい楽曲に出会い、練習を重ね、ステージの上で一生懸命歌う皆さんの姿に感動しました。そして、思ったことは、今日の本番までいろいろあったにちがいないということです。音楽委員のみなさん、ご苦労様でした。練習は必ずしも予定通りにいかなかったのではないかと思うのです。遅刻してくる人や練習に来ない人もいて、困ったことがあったでしょう。その方たちにもそれぞれきっと事情があるのですが、がんばろうと思っているのに、と歯がゆい思いをし、険悪な雰囲気になってしまったこともあるかもしれません。しかしそんなとき、皆が気を取り直して練習に集中できるように上手に声をかけてくれた仲間もいたはずです。一人ひとり違ったすばらしい個性を持っていて、違っているから互いに学び、「苦しみぬくから強くなる」と7年きく組が歌ってくれたように、たくましく成長していきます。皆が心ひとつにして今日のステージにたどり着いたことは、今年の学校目標「一歩踏み出し、出会い、新しく創る私たち」を体現しているとうれしく思いました。
いよいよ夏休み。普段できないことができる時間がたくさんあります。いろいろなことにチャレンジして知性、感性を磨いてください。勉強や部活で忙しくなるかもしれませんが家族と過ごす時間、またのんびりとした、時には電子機器から離れて何もしない時間もとりましょう。そして、ゆっくり自分の心と向き合い、祈る時間も持ってほしいと思います。体と心を休ませることはとても大切です。また8月は日本人にとって忘れてはならない月です。広島と長崎の原爆の日があります。終戦記念日があります。今年は戦後80年の節目の年でもあります。多くの方々の犠牲の上に今の私たちがあることを心にとめ、いまだ争いの絶えない世界にあって、日本人の歩みを振り返り、私たちの未来を考える月ではないでしょうか。新聞や特別番組で特集があると思います。是非、読んで、見て、考えを深めてください。
夏休みといえども、聖心の生徒であることは変わりません。どうぞ、聖心の生徒としての誇りと品位をもって過ごしてください。最後に、なによりお願いしたいことは安全に過ごすこと。事故や怪我のないようにくれぐれも気をつけてください。9月1日にひとまわり成長した皆さんにお会いすることを楽しみにしています。どうぞよい夏休みを過ごしてください。