校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

初等科朝礼 3月10日、3月11日は聖心にも大事な日

2025.03.12

 3月10日東京大空襲の日、3月11日東日本大震災の日は日本にとって大事な日です。しかし、初等科の子どもたちにとっては大昔の出来事です。しかしながら、この学校にも関わりのあるできごとでした。子どもたちにもこの関わりを伝え、歴史を学ぶことの大切さを考えてもらいました。中高等科の図書館には「東京大空襲・戦災誌」という本があり、東京の各地区の人々の体験が記録されています。その第一巻に聖心の被災がコラム記事として取りあげてありました。図書館の司書さんがこの本をみつけて知らせてくださいました(「東京大空襲・戦災誌」第一巻 p967 『東京大空襲・戦災誌』編集委員会編 1973年)。上の画像は3月9日朝日新聞と本校の70年誌「私たちをつなぐもの」のページです。

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 昨日は3月11日、一昨日は3月10日、両方とも日本にとって大事な日でした。まず、昨日3月11日は何の日でしたか?知っていますね。東日本大震災のあった日で、今年で14年になりました。14年ということは、初等科の皆さんはまだ誰も生まれていない時、皆さんの知らない、ずっと前のことだったということになります。その日には初等科ではどのようなことがあったのでしょうか。

 3月10日も日本にとって大事な日です。聖心にも大事な日です。何があったのでしょうか。80年前、日本は戦争をしていました。そして3月10日、まだ朝にならない夜のうちに東京には大空襲があって、東京の北東の地域、東京駅や上野駅より東側、上野や浅草から荒川に向かう地域で大きな被害があって、大火事になり大変でした。聖心でも今の本館の場所にあった建物に爆弾が落ちて焼けました。立派な建物でした。聖堂のすぐ近くまで火事になって、聖堂の手前で火が止まったという話を、3年生以上の皆さんは聖心の歴史として学んでいるでしょう。校舎が失われたのはとても残念なことでした。それでも、亡くなった方はいませんでした。

 この間の日曜日、3月9日の朝日新聞に東京大空襲の特集記事があり、この空襲で焼けた地域の地図が出ていました。東京でいつ、どこで空襲の被害があったか色分けでわかる地図でした。3月10日の被害は黄色で示されていて、上野から東の方はものすごく広い範囲が黄色に塗られています。その地図の上で聖心がある所を探してみると、ほんの小さな範囲だけが黄色に塗られています。聖心の近所のところだけだったのか、聖心が特別にねらわれてしまったのか、よくわかりません。

 東京では4月と5月にも空襲がありました。聖心でも5月25日にもう一回空襲に遭い、その時は木造の建物、体育館として使っていた建物などがいくつか焼けました。5月25日は渋谷や世田谷など、東京の西の方の広い範囲が空襲に遭っていて、聖心の地域も含まれています。

 戦争は怖いことで、大変なことだと改めて感じました。そして、ウクライナの人々のことを改めて考えました。

 3月11日、東日本大震災のあった日のお話をします。その日は中高等科生は期末試験後のお休みで、初等科生だけが学校に来ていました。2時40分すぎに大きな地震があって、とても驚きました。1年生はもう下校した後で、2年生以上が学校にいました。初等科の建物は頑丈で、大きな地震でも安心でした。家からお迎えの方が来るのをまって、それぞれ家に帰りました。家の方が来るまで、教室のテレビで楽しい動画を見たりして待ちました。だんだん夕方になってもまだ家の方が来ない方たちのために、学校でおにぎりをたくさん作って配ったので、みんなで食べて、お迎えを待ちました。電車やバスが止まってしまい、なかなかお迎えの方が来られないこともありました。お迎えの方が来てくださっても家まで全部歩いて帰ったので、とても大変だったそうです。そして、お迎えの方がどうしても来られなかったり、来てくださっても夜とても遅かったりして、何人か学校に泊まった方もいました。修道院や色々なところからふとんを借りてきて、音楽室や英音室に休む場所を作りました。そして、朝になってから家に帰りました。

 その後、3月は学校ができなくなりました。原発事故が起きたためです。卒業式も入学式も4月になってから、大忙しで準備して行いました。

 私たちの学校にも色々大変な時がありました。でも、いつも聖心の学校はみんなの拠り所で、大変なことがあっても学校を大切にして、皆でなんとか工夫して学校を続けてきました。これからも何か大変な時があるかもしれません。それでも、皆で力を合わせて学校を大切にしていきたいと思います。そして、昔のこと、歴史を学ぶことは大切です。昔のことを学んでおくと、今どうしたらよいのか、これからどうしたらよいのか、考えることができます。明日13日にはウクライナとのオンライン交流の機会があります。その時にも歴史を知っていると、ウクライナの人たちのことについて深く考えることができます。

 皆さんには歴史をしっかり学んでほしいと思います。そして、大事なことは何かと考えて、平和を創るためにどうしたら良いか考えて行動する人になってほしいと思います。

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