トップページ > Spirit of "Mikokoro" > 2月26日初等科朝礼 札幌聖心女子学院で最後の活動
朝日新聞は作家やジャーナリストなどが学校を訪問して授業を行う「オーサー・ビジット」の活動を行っています。2月24日の紙上に、姉妹校の札幌聖心女子学院でジャーナリストの池上彰氏により行われた授業についての記事が掲載されました。この記事を初等科朝礼で取りあげました。
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先週はアフリカのケニアの聖心の話をしました。今回は日本の聖心の話をします。日本には6つの聖心の学校があります。東京に、私たちの聖心女子学院、聖心インターナショナルスクール、聖心女子大学、静岡県に不二聖心女子学院、兵庫県宝塚市に小林聖心女子学院、そして北海道の札幌に札幌聖心女子学院があります。この中で一番歴史が古いのは、私たちの聖心とインターナショナルスクールで1908年に創立されました。一番新しい学校は札幌聖心ですが、残念ながら札幌聖心は学院の歴史を閉じることになり、2月8日に最後の卒業式がありました。62年間の歴史でした。最後の卒業式には私も参列してきました。卒業する方たちは、みな学校が閉校になるのは残念だと思いながらも、聖心で学ぶことができて良かったと感じていたようです。
札幌聖心は最後まで色々な活動をがんばっていて、2月24日の朝日新聞には札幌聖心に関するすてきな記事がありました。朝日新聞に「オーサー・ビジット」という、作家やジャーナリストが色々な学校を訪問して特別な授業を行う企画があります。札幌聖心は今回それに選ばれて、ジャーナリストの池上彰さんが札幌聖心で授業をしました。池上彰さんはテレビで子ども向けに世界の問題を説明する番組をなさっていたこともありますから、皆さんの中にも知っている方はいるでしょう。世界のことをわかりやすく解説してくださる方です。今回の札幌聖心での授業でも、色々なお話をしてくださったようですが、ジャーナリストとして世界の動きを考えながら、宗教や英語をなぜ学ぶのかについて、その意味を話してくださっています。宗教を、初等科では「教え」として学んでいます。教えや宗教を学ぶことは聖心の特徴です。
池上さんはそのお話の中で、今の世界で起きている色々な出来事は、異なる宗教を信じている人たちの対立のように見えることもありますが、対立として見るのではなく、お互いにそれぞれの宗教についてよい所を学ぶことが大切ではないか、と説明しています。世界には色々な宗教があるので、その世界で生きるためには、相手の宗教を学び、尊敬することが大切だと言うことです。ですから、学校で宗教や教えを学ぶことは本当に重要だということです。
札幌聖心の生徒たちは、世界で生きる人になるために英語を一生懸命に学びたいと考えていたようです。池上さんは、もちろん英語を学ぶことは大切ですが、英語が上手になるだけではなく、英語を使って何を話したいのか、自分の考えをしっかりもっていることが、世界で生きる人になるためにはとても大切だとお話ししてくださっていました。聖心の生徒は自分の考えをしっかり持とうとしていますから、池上さんのお話を深く聞くことができたでしょう。皆さんもわかりますね。
札幌聖心が歴史を閉じて、姉妹校が1つ少なくなることは残念なことですが、私たちが聖心の教えを大事にして、これからも聖心の学校として続けていきたいと思います。