トップページ > Spirit of "Mikokoro" > 1月29日初等科朝礼 聖心の校庭では土の地面をできる限り大切にしたい
3年生の児童が、学習発表会の準備のために、レターレ修道院のコンポストの見学に来ました。3年生たちは「うずまき」をテーマに地球上の色々な円を描く動きについて調べており、ゴミを土に返すコンポストもその一つに取りあげてくれました。聖心の校庭では土の地面がまだ広く残されています。修道院の庭でも土の地面を大切にして、いのちの循環にあずかるようにしています。3年生が見学に来てくれた機会に、話をすることにしました。
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1月の中旬に、3年生が二人、先生と一緒にレターレ修道院のコンポストを見学に来てくださいました。学習発表会の準備のためでした。そこで、レターレ修道院の庭について皆さんにもお話しします。
外を歩くときは、きれいな道を歩きたいでしょう。歩きやすい道を汚れないで歩きたいです。土の地面はどろで汚れやすいですし、雨が降ると特にぐちゃぐちゃになってしまいますから大変です。コンクリートの地面ならきれいに歩けます。雨が降っても平気です。学校の前庭も緑の人工芝になっていますから遊びやすいし、どろがつきません。外から中に入ってきても、あまり汚れません。少し転んでも平気です。雨が降ってもぐちゃぐちゃになりません。
このように考えると、土の地面は面倒なことが多い、良くないことばかりでしょうか。どうでしょうか。
土はとても大事なものだと私は思っています。この学校の敷地の中には、土の地面が広く残っていることはとても大事なことだと思っています。土の中には目に見えない色々な生き物がいます。植物のタネも、虫も、もっと小さな微生物もいます。この学校の庭には動物も住んでいます。小鳥、カエル、トカゲがいます。ハクビシンを見た人もいるでしょう。タヌキもいるらしいですし、クマネズミもいるらしいです。モグラもいるらしい。このような動物は土の地面がないと生きられません。
私の住んでいるレターレ修道院も土の地面を大切にしたいと考えています。コンポストもその一つです。コンポストは台所の生ゴミ、たとえばお茶ガラや野菜くず、果物の皮などをゴミとしてゴミ収集に捨てないで、土に返していく活動です。収集ゴミの量を減らすという意味もありますが、土から出て育ったものは土に返すという考え方でもあります。野菜や果物は土の畑で育ったものだから、また土に返す。レターレ修道院はそのように考えてコンポストをしています。一日の野菜などの生ゴミを夜まで集めておいて、翌朝コンポストにいれると、時間をかけて土になっていきます。魚や肉の骨などはコンポストには向かないので、別に土に埋めます。
コンポストに入れたものが土になるまでには時間がかかります。一年くらい時間をかけて、自然の力で土になっていきます。レターレ修道院では、電気の力も少し借りて、野菜や果物の皮の生ゴミを夜の間に生ゴミ乾燥機にかけてパリパリにしてから、朝捨てています。この方法はやりやすいです。
コンポストのあった所の土はとてもよい土になっていきます。去年はカボチャを植えたら、とても大きな実がいくつもなりました。土のパワーはとてもすごいです。
レターレ修道院の庭には大きな木もあって、落ち葉もたくさん出ます。道の落ち葉はそうじが毎朝必要です。その落ち葉を集めてゴミに出せば、燃やすゴミになってしまいます。でも、レターレ修道院では集めて土に返しています。時間はかかりますが、ふかふかのとても良い土になります。その土を植木ばちに入れると、きれいな花を咲かせることができます。その土の中にはコガネムシの幼虫も住んでいます。
土の地面の落ち葉は無理に片付けないで、土の上に残しておいて地面を覆っておくことにしています。そうすると、雨が降っても土が流れないし、雑草も少なくなって、土も良くなっていくので、このようにすることが良いことだと思っていますが、落ち葉が散らかっていると思う人がいるかもしれません。
土は色々ないのちを循環させる力があります。いのちは土から出て、土に返ります。そうではないでしょうか。レターレ修道院のシスターたちはそのように思っています。修道院の庭には果物のなる木もあります。ビワ、梅、ミカン、柿、キンカンがなります。実っていくのを楽しみに見守って、収穫したら感謝していただいています。小鳥もやってきますので、エサや水をやっています。土の地面があるからこそだと思っています。
これからも聖心の校庭では土の地面をできる限り大切にしたいです。