トップページ > Spirit of "Mikokoro" > 1月22日初等科朝礼 チョコレートは発酵食品?やってみなければわからない
「ミライチョコレート」という絵本に出会いました。1000年後の世界が舞台です。たとえば、3025年の地球はどのようになっているのでしょうか。主人公の少女は2025年の世界について知らないことだらけです。しかし、考えてみれば、1000年前のことについて、私たちも知らないことだらけです。1000年前と言えば、日本は平安時代の後期です。その時代の人が現代に来て、家庭の冷凍庫から氷が出てきたり、子どもでもレトルトパックから出した食べ物を電子レンジで温めて食べたりしている光景を見たりしたら、とても驚くに違いありません。未来の少女は、過去の食べ物としてチョコレートについて知らないことだらけでした。しかし、考えてみれば、私たちもチョコレートについて知らないことだらけです。自分で何かしなくてもよい便利な世界で、知らないことに囲まれているのは、未来の少女と同じです。面倒くさがらずに、自分で知ろうとする、自分でやってみることの大切さを子どもたちと共に考えてみました。(上の画像の絵本の表紙は一部加工してあります)
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皆さんはチョコレートが好きですか?おいしいお菓子です。色々な形や味があります。チョコレートについては、以前の朝礼で、アフリカでは、子どもたちがカカオ畑でお父さんやお母さんの仕事を手伝って、学校に行かれないことがあるかもしれない、という話をしました。今回は「ミライチョコレート」という絵本についてお話しします。この絵本は中高等科の図書館にあります。
1000年後の女の子が主人公の話です。1000年後だとすると、今年が2025年ですから、3025年ごろということになります。その絵本の中では、今より進んだ世界ですから、人の生活も違います。女の子でも空を飛べる、自分だけのすてきな乗り物を持っていて、それでどこへでも行かれます。食べ物もお料理しなくても簡単に栄養がとれます。キャラメルのような小さな粒を食べたり、おへそに直接チューブをつなげておなかに栄養をいれたりしています。おいしいかどうかわかりませんが、簡単で便利です。
この女の子は博物館に行って、昔の生活の勉強をします。1000年前の生活のコーナーで、チョコレートについて書いてある本を見つけました。チョコレートって何だろう、食べたことない。どんな味がするのかしら。お父さん、お母さんに聞いてみよう、と思いました。でも、お父さん、お母さんもチョコレートのことを知りませんでした。この本を読んで、私はこの女の子がチョコレートを食べたことがないなんて、かわいそうと思いました。1000年後にはそうなってしまうのでしょうか。
女の子は自分でチョコレートを探しに行くことにします。素敵な乗り物に乗って、町から出て、山の方にいって、ジャングルに行きました。探しても、みつからないし、チョコレートのことがわかりません。困っていたところ助けに出会って、自分でチョコレートを作ってみることにしました。食べてみると、とてもおいしい。
この本の最後に、この女の子が「自分でやってみると楽しい」と感じているページがありました。
未来の生活は便利で、自分で何もしなくても、全部整っています。でも、自分でやってみないとわからないこともたくさんあります。考えてみると、私もチョコレートの作り方をよく知りません。そこで、調べてみると、驚いたことにチョコレートは発酵食品だということが分かりました。発酵食品とは、微生物の働きで食品を変化させておいしくさせたものです。たとえば、味噌や醤油、お漬物、ヨーグルトなど。チョコレートもそうだったとは!驚きました。チョコレートも、畑でとったカカオから中身の豆を取り出して集め、まず発酵させるのだそうです。発酵のさせ方により、味や香りが変わってくるのだそうです。作り方に秘密あり!発酵がおいしさの決めてだそうです。
未来の女の子はチョコレートを知らなくてかわいそうと思っていましたが、私にも知らないことがありました。よく知らずに、作られたチョコレートを食べていただけでした。自分で調べてみて始めてわかりました。未来の女の子の世界は便利だけれど、ちょっとつまらなそうと思っていましたが、今の私たちも同じようなところがあるかもしれません。自分で調べてみないと、知らないことがたくさんあります。皆さんも色々なことを自分で調べてみてください。そして、ちょっと面倒でも自分で作ってみることも、きっと楽しいことです。