トップページ > Spirit of "Mikokoro" > 1月15日初等科朝礼 一番良いということ アンネ・フランク写真パネル展
セカンドステージの5年生から8年生は中央校舎で生活し、登下校時にはブラウジングルームの前を通りますが、ブラウジングルームを自由に使えるのは7年生以上となっています。1月からブラウジングルームではアンネ・フランク写真パネル展が行われていますが、5・6年生には紹介する機会がありませんでしたので、今回子どもたちに理解してもらえるように紹介を考えてみました。このパネル展は平和教育地球キャンペーンを通してお借りして実施しているもので、全国の学校を巡回しています。
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皆さんは聖心の初等科がきっと好きだと思います。とても楽しい、良い学校だと思っているでしょう。自分の学校なのだから、そのように思っていてほしいです。そうだったらうれしいと私は思います。そして、もしかしたら、この学校が一番良い、と思ってくれているかもしれません。それもうれしいことです。でも、ちょっと考えてみましょう。この学校が一番良い学校、と言うとき、「私にはこれが一番」なら良いですが、もし「全部の学校の中で絶対に一番良い学校」となってしまったら、それはどうなのでしょう。自分の学校「だけ」がと、もし「だけ」がついてしまったら、それもどうなのでしょう。言葉の使い方は難しいです。
このような考え方はランクづけというのでしょうか。他の学校の良さを認めない、他の学校は悪い学校、というような考え方にもつながりそうです。一方的な決めつけとなってしまいそうです。何か変な感じも出てきます。このような考え方は偏っていて良くないのではないか。じっくり考えてみるとわかります。でも、時々、そのような変な方向に行ってしまうことがあるのも事実です。
たとえば、AグループとBグループがあったとして、Aグループの人たちが自分たちが一番良いと思っているとしましょう。自分の所属しているグループの良い所を見つけて、良いと思うことは大切なことです。でも、自分たちのAグループが一番良い、自分たちのAグループだけが良いグループだ、だからBグループは良くない、と言い出したらどうなるでしょうか。そして、Aグループに賛成する人が段々増えていったらどうなるでしょうか。
そこにCグループ、Dグループ、Eグループがあったとして、C・D・Eのグループの人たちが、Aグループの人たちは偏っている考え方をしていて一方的だ、Bグループの人たちが決めつけられてかわいそうだと思っていても、Aグループの人の数が多くなって強くなっていったら、何か変だ、偏っている、おかしいのではないかと思っても、言えなくなっていってしまうかもしれません。偏った考え方が強くなってしまうのは、良くないことです。
一人ひとりの意見がちゃんと言えるように、一つの考え方だけでなく、色々な考え方がきちんと聞かれるように、一つのものの良さだけでなく、色々なものの良さが大切にされるように。これらのことは大事なことです。
いまのこのお話は、ブラウジングルームで1月から行われているアンネ・フランク写真パネル展につながるお話です。皆さんはアンネ・フランクという人を知っていますか?100年くらい前の女の子で、ドイツで生まれてオランダに移住しました。自分はドイツに住んでいたドイツ人だと思っていましたが、ユダヤ人という民族の人でした。日本にも色々な国から来た人が一緒に住んでいます。外国から来て、日本人になる人もいます。どの国の人も、どの民族の人も大切にするべきだと考えています。それなのに、100年くらい前のドイツでは、ユダヤ人は一方的に差別を受けて、多くのユダヤ人が大変苦しい経験をしました。写真パネル展は、アンネ・フランクを通してその歴史がわかるように説明しています。歴史を学んで、同じようなことが繰り返されないようにするためです。
アンネ・フランクはどのような人なのでしょうか。5・6年生は機会をいただいて、この写真パネル展をぜひ見にいってください。4年生以下の方たちは本をみつけて読むことができたらよいですね。アンネ・フランクが教えてくれることはどのようなことなのでしょうか。