校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

1月9日中高等科 新年の祈りの会

2025.01.09

 冬休みを終え、学校生活を再開しました。学校は生徒たちの賑やかな声に満ちています。これからの学校生活の実りを願いながら、ソフィアバラホールに集まり、祈りをもって始めました。画像はブラウジングルームで行われているアンネ・フランクの写真パネル展の様子です。

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 新年明けましておめでとうございます。今朝は気持ちを新たにここに集まっていることでしょう。2025年が良い年となるように、皆さんと祈りながら始めたいと思います。 

 去年のお正月は、元旦に能登半島での大地震、二日に羽田空港での事故があり、落ち着かない1年の始まりでした。皆さんも被災された方々への祈りを新たにしながら、今年は平和で安全な年になるように願ったのではないでしょうか。今年も日々自分の学びを深めながら、広く世界にも目を向けて進んでいきましょう。

 多くの皆さんからクリスマスカードや年賀状をいただきました。皆さんの決心や願い、すてきなイラストを一枚ずつ大切に読ませていただきました。今年は巳年ですから、へびの絵もたくさんありました。普通なら蛇に出遭ったら驚いてしまいますから、巳年のお正月は特別です。このような1枚がありました。へび年になったら、へびのように地面すれすれの道を歩まなくてはならないのか、それは大変だなとこの方は日頃の忙しい生活を合わせて考えたようですが、よく思い直してみると、へびは素早く地面をすべったり、色々な向きにくねくねと動くことができるすごい動物だと気がついた、ということです。ものの見方の問題です。へびのすごい所、よい所に出遭える素敵で楽しい一年になるように、と書いてくださいました。皆さんにとってもそうです。聖書の中でも「へびのように賢く、鳩のように素直になりなさい」とイエスが弟子に言う場面があります。ものの見方を柔軟にして、発見の多い年にいたしましょう。

 2025年はカトリック教会では、聖年と呼ばれる25年に一度の特別な年です。聖年とは聖なる年です。これは、旧約聖書の中に、50年に一度色々な借金や取り決めから解放されるという特別な年を設けるという伝統があり、それを受けて行われているものです。聖年にはローマのバチカンのサンピエトロ寺院の大きな扉が開かれて、巡礼者がそこを通ると全面的な罪の赦しという大きな恵みに預かるとされています。ローマまで行かなくても、各地の教会でも、神さまに祈り、恵みに預かる機会が設けられています。そして、今回の聖年のテーマを教皇フランシスコは「希望は欺かない」としています。イエスに希望をおく人は、失望することがないということです。なぜなら、イエスの希望は十字架の死と復活を経た、ほんものだからです。その意味で、私たちは一人ひとり希望をもって、自分のためにも、世界のためにも希望のしるしとなるように、色々なものごと、世界の課題にも取り組むことも呼びかけられています。世界は、ウクライナやパレスチナのように戦乱が続いている地域、貧困や差別、移民や難民の問題、地球温暖化など解決が簡単でない課題に満ちています。皆さんのような若い世代には希望が持ちづらい状況かもしれません。しかし、だからこそ、教皇フランシスコはイエスに希望をもって歩むようにと呼びかけています。もちろん、一挙に課題を解決できる訳ではありません。しかし、小さくても自分としてできることを実行する、そこに希望のしるしがある、と考えているのです。こうでありたいと私も思います。聖年の恵みは、私たちが希望をもって生きるところに生まれるものだと思われます。私たちも学校生活を通して聖年の恵みをいただきましょう。

  今回の聖書朗読では、ルカによる福音書の4章から、イエスが教えを述べ始めるときの場面が読まれました。旧約聖書のイザヤの預言の書からイエスが朗読します。神のしもべは主の霊を受けて、貧しい人、捕らわれている人、目の見えない人、圧迫されている人に使わされている、私が読んだこの言葉は実現する、とイエスは語ります。イエスは神の恵みがどこに向かうか示しています。課題のあるところです。ですから、世界の課題にも、私たちの課題にも、イエスは必ず共に歩んでくださるということです。イエスに聖年の希望をもって歩む私たちに力強い言葉です。 

 昨年の11月に皆さんは初等科のウクライナとの交流への献金に協力してくださいました。そのお金で初等科からウクライナに向けて荷物を送り、それが1月に現地に届いたという知らせを受けています。私たちからの贈り物が子どもたちに分配されたら、また知らせが来ると思いますので、そうしたら皆さんにもお知らせします。小さくても私たちにできる一歩が希望を伝える一つの形になったと感じています。

 今日からの学校生活が実り多いものとなるよう、希望をもって取り組みましょう。学年末に向けて一つひとつのことに心を込めて取り組んでください。韓国のソウル聖心からの生徒や短期留学生も迎えます。2月には7年生から11年生の錬成会もあります。自分の課題にしっかり向き合う機会としてください。ブラウジングルームではアンネ・フランクのパネル展が行われています。皆さんは7年生で「ハンナのかばん」を学んでいます。たくさんの写真がありますから、それらを見て思い起こしてください。歴史から学び、未来を作っていきましょう。

 12年生の受験生の皆さんはしっかりがんばってください。祈りで応援しています。他の学年でもテストがある方々はがんばってください。

 寒い時期です。健康にも気をつけて過ごしましょう。

それでは、寒い時期です。健康にも気をつけて、過ごしましょう。

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