校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

12月11日初等科朝礼 ノーベル平和賞の授賞式・ハイチの聖心

2024.12.12

 クリスマスウィッシングも近づいています。クリスマスの飾りが校舎を彩っています。上は10年生宗教活動の生徒たちによるものです。

 先週の朝礼で校庭のお茶の木について話しましたが、11日の朝の時点ではみつけたという正しい情報はまだありませんでした。登校時に「みつけました」と言って説明してくれる児童はいましたが、残念ながら間違っていました。そこでヒントを改めて伝えたところ、早速に午後には6年生が1本みつけ、12日の朝には低学年の児童が2本見つけて教えてくれました。そして、もう1本の木もみつけることができ、校庭には3本あることがわかりました。画像はお茶の花です。IMG_3135 (1).jpg

 今回の朝礼では、10日に行われたノーベル平和賞の授賞式についてと、ハイチの聖心について話しました。ハイチでは聖心会が活動を行っていましたが、このほど政情悪化のためにやむなく活動の継続を断念することになりました。初等科生にとっては、ハイチは「ハイチデー」の活動を通してなじみの深い国名です。年に3回のハイチデーで、お弁当をおにぎりにして寄付活動を行って、世界の困っている人々のために役立てることを続けてきました。ハイチの平和と安定を願ってやみません。

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 2つのお話をします。ノーベル平和賞の授賞式についてとハイチの聖心会の活動についてです。

 10日にノルウェーのオスロでノーベル平和賞の授賞式がありました。日本では夜の9時過ぎからの時刻でしたから、皆さんはもう休んでいたかもしれません。日本被団協と呼ばれる、日本原水爆被害者団体協議会が受賞しました。被団協は広島、長崎で原子爆弾に被爆した方々が中心になって、核兵器の恐ろしさを訴える活動をしてきました。日本での出来事であり、日本の人々が多く関わる活動ですが、世界のために意味がある活動として今回受賞されました。3人の代表の方々がメダルと賞状を受け、代表の一人田中熙巳さんがスピーチをなさいました。92歳のご高齢ですが、とても内容の深いお話をなさいました。

 ご自分体験したこととして原爆の恐ろしさはどんなことかを語り、たくさんの人が一瞬で亡くなられたこと、ご自分の家族にも亡くなられた方があったことなどを話され、戦争はいけないということを訴えました。戦争もどのような兵器も良くないことですが、その中でも核兵器はあまりにも強力で被害が大きすぎるので、絶対に使ってはいけないとおっしゃっていました。核兵器は科学の特別な力を利用しています。爆弾の被害はその時だけでなくずっと続くものです。放射能の影響は健康に大変悪いもので病気を引き起こします。その苦しみをなかなか人々が理解してくれないという現実があり、国も助けてくれないという現実があったということでしたが、その中で、被害者として協力して活動されてきました。この活動は自分たちのために必要なことでしたが、それだけでなく、自分たちが伝えることで、これ以上同じような被害に遭う人を出さないことも目指して来たということもおっしゃっていました。核兵器を使うことは人間として間違っています、ということをはっきりと伝えていました。

 このようなスピーチを聞いて、勇気ある方々だと感じました。実際に原爆に遭われた方々はもう皆さん高齢になっていらっしゃいますが、このようなお話を聞いた私たちが今度は受け継いでいかなくてはなりません。この方々の言葉を大切にしたいと感じます。

 2つめのハイチの聖心の話です。先週初等科ではハイチデーがありました。今回も皆でよい活動ができました。ハイチは私たちに大切な国ですが、日本人にはあまりなじみがないかもしれません。初等科では「ハイチデー」の名前にして、ハイチのことをずっと忘れないようにしてきました。

 そのハイチの国で聖心会のシスターたちが活動していることを時々お話ししてきました。最近のハイチは大変な状況で、シスターたちも危険なことにならないように気をつけて生活しているということでした。ところが、今年の春から夏にハイチはどんどん状態が悪くなって、たくさんの事件が起こるようになり、安全でなくなってしまいました。

 聖心のシスターたちは、小さな学校を始めようとして首都の町の近くに住んでいましたが、そこは危険になったので、遠く離れた町に移っていました。しかし、そこにいることももう安全ではなくなってしまいました。それで、聖心会のシスターたちでよく相談した結果、今はハイチでの活動をやめることに決めて、ハイチの国から出ることにしました。とても残念ですが、状況が良くなったらまた必ずハイチに戻ると考えて、祈り続けることにしました。皆さんもハイチに関心をもち、お祈りもしてください。

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