校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

12月10日サードステージ ゆりの行列

2024.12.11

 12月8日はカトリック教会では無原罪の聖マリアの祝日です。今年は8日が日曜日で主日のために、9日月曜日が祝日となりました。学校ではこの祝日にゆりの行列を行い、ステージごとに6日金曜日ファーストステージ、9日セカンドステージ、10日サードステージと聖堂でお祝いしました。生徒たちはルカによる福音書1章26節からの朗読を聞き、手作りしたゆりの花をマリア像のもとに祈りを込めて捧げます。今年は12年生は白い生花をお捧げしました。

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 ゆりの行列は、マリア様の美しい心のお祝いです。カトリック教会で定められている祝日は128日です。

 今日の聖書の言葉では、「神にできなにことは何ひとつない」と天使が語り、マリア様は「おおせの通りになりますように」と答えています。神様が望まれることが実現しますようにということです。マリア様は、神様はいつでも本当に良いものを用意していてくださる、神様の願いは人間がよくなっていくことだと信頼していました。ですから、イエスの母となることを天使から告げられたときのマリア様の答えは、「はい」と言ってそれを受け入れるものでした。それができたのは、マリア様の心が神さまにしっかり向かっていて、他のことに惑わされなかったからです。そして、それは子どものときからのマリア様の心のあり方の結果です。生まれてから、子どものときから、いつでも神さまを大切にしていた心のあり方です。そこで、マリア様の子どものときからの心の美しさを大事に祝うとこの祝日の意味を考えてみれば、10代の若い皆さんがゆりの行列を行って、マリア様の若々しく美しい心、神さまに向かう心に倣おうとすることはとてもふさわしいことです。

 マリア様がもし今の世界にいらしたら、何をどのように感じられるでしょうか。考えてみました。ウクライナやパレスチナのガザを見て、とても心を痛め、人々が対立し、武力をもって戦っていることをとても悲しく思われるでしょう。多くの人々が苦しんでいることにも深く心を痛められるでしょう。中東が政治的に不安定で、アフリカやアジアでも、人々の生活が不安定で、食料や水がなかったり、生活が安心してできない人々がたくさんいたりすることを見て、悲しく思われるでしょう。日本のような国でも、人々の心が不安に満ちていたり、困っている人に対して無関心な人が多かったりするのを見て、やはり心を痛められるでしょう。そして、その人たちと共にいて、苦しみや悲しみを共にして、人々のために心を込めて祈られるでしょう。

 それから、この学校にいらしたら、皆さんがゆりを捧げて祈るのを見て、きっととても喜ばれます。自分と同じ心になれるように祈ってくれるのはとてもうれしいことだと思われるでしょう。あなた方も私と同じような心をもって生きてほしい、そのために祈ります、と言ってくださるでしょう。あなたも神さまに「はい」と言えるように、と祈ってくださるでしょう。

 マリア様が天使の言葉を聞いて、イエスの母となることに「はい」とおっしゃったのは、マリア様の人生での大きな出来事でした。しかし、マリア様が神さまに「はい」とおっしゃったのは、それ一回ではありません。生活上の様々なときに、神さまと共に生きるように、たくさんの「はい」を言いながら生きていらっしゃいました。生活の上の一つひとつの「はい」が神さまに向かう心の表れでした。

 マリア様は自分の心が何に向かっているか、自分の心をよく見つめていたでしょう。ほんとうに大事なことを選ぼうとしているか、それとも、何かに流されようとしてはいないだろうか。ほんとうに大事なものをしっかり見ているか、それとも、みかけやうわべにとらわれていないだろうか。自分を本当に大切にしているか、それとも、人と比べてうらやんだりしていないだろうか。自分を見つめて心を込めて生きているか、あるいは、弱さに負けたり逃げたりしてしまってはいないだろうか。このような問いは、神様からの呼びかけに「はい」と答えられているか、と問いかけることです。

 マリア様はいつも自分の心をよく見つめて、よいものを選んでいらしたでしょう。本当によいもの、ほんものを選ぶということが、神様への「はい」であると考えていたでしょう、神様と共にある心を大切にするということは、よいものを選ぶ力を働かせることだと考えていたでしょう。

 皆さんがゆりの花をささげるとき、マリア様はその花を受け取って喜び、皆さんがご自分のように選ぶ力のある心の持ち主になれるように、皆さん一人ひとりのために祈ってくださるでしょう。そして、いつもあなたと共にいます、特に一番大変なときにも必ず一緒にいますから、そのことを忘れないでと言ってくださるでしょう。あなたが正しいものを選ぶことができるように、あなたが「はい」と言うべき時が来たら、「はい」と言えるように祈っていますと言ってくださるでしょう。

 心を込めて祈り、ゆりをおささげしてください。

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