トップページ > Spirit of "Mikokoro" > 10月29日中高等科朝礼 自立に向けてやってみよう 睡眠と家事参加
10月の終わりを迎え、秋の深まりを急に感じさせる1日となりました。中高等科では30日から2日間の球技大会を控えて、生徒たちは練習に余念がありません。一方で、秋は落ち着いてものごとに取り組む時期でもあります。11月に向かう時に、自立について睡眠と家事参加を取りあげて、生徒たちと考えました。
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もうすぐ11月になります。球技大会は各学年楽しみながらがんばってください。そして、来週からは落ち着いてものごとに取り組むことを期待しています。それぞれしっかり学習にも取り組んで、力をつける季節としてください。
力をつけるとは、しっかり生きられる人になることではないかと考えています。では「しっかり」で何を指しているでしょうか。「しっかり」と言って、さっそうとどんどん進んでいければ楽しいですが、そうも行きません。「しっかり」とは、ものごとがうまく行っていても、うまく行っていなくても、自分で受け止めて、考えながら生きていることではないでしょうか。どんな時でも、手探りでも、なんとかやってみようという気持ちで生活している、またやってみようと思って取り組んでいく、このような姿勢ではありませんか?目指したいのは、一人の人間として生きる力をつけることです。これは色々な経験を通して育つ力で、学力は人間力の一部です。生きる力がしっかり育っている人が、自立している人ではないでしょうか?
12年生の宗教で、自立ということを考えました。そして、自立には色々な側面があることがわかりました。大人になったら、自分として自立して生きていかれる。これは、皆さんが中高生として学校で学んでいることの大きな目的です。子どもは自分のことだけ考えて、「私」の世界で生きています。一方、自立した大人は周りとの良い関係の中で、自分として生きていきます。自立とは、「私から私たちへ」となるという側面も含みます。また、自立の一つの要素は、自分の生活を自分で整えられることです。これは皆さんもすでに実践しているはずです。
特に、自立に関して二つの点を話します。一つは睡眠の大切さです。最近、私は睡眠に関する二人の研究者の話を読みましたが、二人ともが十分な睡眠の重要性を説いていました。日本人は世界的にも睡眠時間が短いと言われています。皆さんは平均して何時間の睡眠をとっていますか?1日は24時間しかありませんから、十分な睡眠時間をとるためには工夫が必要です。8時間は必要と言われているようですが、皆さんはどうでしょうか?睡眠は健康を守るためだけでなく、脳を活性化するためにも必要です。起きているときに私たちは脳の神経を活発に使い、脳も疲労します。それを睡眠時に回復させています。ですから、本当に意味ある活動をし、学習効果を上げるためには、睡眠を削ってしまうより、十分な睡眠をとって再活性化した脳の状態を保つことが大事です。そこで、まず8時間程度の睡眠時間が確保できるような、一日の過ごし方を考えましょう。
二つ目は自分の生活の具体的な管理の仕方です。自分の持ち物や部屋の管理、掃除や片付け、制服や衣服の整理、お弁当箱の後始末など、自分の生活の具体的なことがらです。12年生の宗教で「自立度チェック」という確認の活動をしてみましたが、その中では、家事に参加することが自立の要素に含まれていました。家族の一員として役割を果たすこと、家でも責任をもって役割を果たせることが、自立の重要な要素となっていました。家族の掃除や片付け、買い物などの役割を担うことです。それも、もう小学生ではないので、手伝いではなく、家事への参加です。
自分のより良いパフォーマンスのために、睡眠時間を確保すること。そして、家事参加。これらの二つは自立につながる、「私から私たちへ」となることです。家事参加というと、面倒だとか時間がないなどと感じる方もいるかもしれませんが、5分、10分でできる小さなことから取り組みましょう。毎日続けることでやりがいを感じることになり、忍耐力をつけることにもなるでしょう。毎日これだけはやるという小さな課題、つまり、自分のルーティンをもつことは、皆さんを助けます。とにかくどんな日もこれはやると決めてあることがあると、調子の悪いときでも皆さんを動かしてくれます。そして、それが必ず生きる力を育てることにつながります。
睡眠と家事参加、遠回りなようでも、この二つは皆さんの底力を育てるものだと私は考えています。自分でできることを考えて、ぜひ実行してください。