トップページ > Spirit of "Mikokoro" > 9月2日中高等科 9月始業の日 参加し、協力できる場を作る・対話を通して解決を探す
台風による雨が心配されましたが、夏休み明けの学校生活を始めることができました。夏の陽射しがもどって来そうです。今年度の学校再開の初日は全体集会と夏の諸活動の報告会行いました。全体集会では防災・安全担当の先生からの話もあり、意識を高めました。各HRでは備蓄食料の試食も行いました。学校は活気づいています。上の画像は中高等科職員室前の掲示板のポスターです。生徒たちを迎えています。
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おはようございます。台風が心配されましたが、今日皆さんと一緒に学校生活を再び始めることができ、とてもうれしく思います。今回の台風は場所により雨の降り方が異なりました。皆さんの住んでいる地域は大丈夫だったでしょうか。
とても暑い夏でしたが、皆さん元気でしたか?気候変動が実感される日々だと私は感じていました。皆さんも同じ気持ちではないでしょうか。
夏のお便りを今年もたくさんの方からいただきました。ありがとうございました。色々な経験について書いてくださいました。各学年の7月の活動について多くの方が感想を書いてくださいました。7年生は中等科生としての初めての夏休みで、宿題に取り組んだり、クラブ活動に参加したり、初等科との違いを感じていました。8年生は日光に行きましたが、ずっと天候に恵まれず残念でした。それでもキャンプ場で生活してみて、東京での便利な生活との違いを体験し、「当たり前ってどういうことだろう」と、感じ・考えることもできたという感想がありました。これは大事な気づきです。9年生は奈良に行って、千年以上前から伝えられ、受け継がれて来たものにふれてきました。日本の文化の深さに接したことで、皆さんはどう変わりましたか?10年生は探究学習で色々な方の話を聞きました。探究しながら生きている人の姿はとても生き生きしていると感じたでしょう。11年生は長崎で、被爆体験者のお話を聞くことができました。ご高齢にもかかわらずお話しくださったことは貴重なことです。直接お聞きすることができたことを大事にしてください。今後いつまで直接にお話を伺う機会が持てるだろうか、と色々なところで話題になっていました。「平和は作っていかなければ保たれない」ということを伺ったということです。これを忘れないように。また、アメリカの方と原爆について話をして、考え方の違いに驚いた経験をした方もありました。それだからこそ、対話が大切だということです。12年生は黙想会でそれぞれに沈黙を通して、自分と、神様と向き合ってきました。行く前と終わった時では考え方が変わったと言う人、生き方の中心を見つけた人もいるようです。そのような体験、新たに感じたことを心の中で大切に育てていってください。これからの日々に心の支えになるでしょう。
私もこの夏にカンボジア体験学習に一緒に行き、SOFIS研修会にも一緒に参加しました。クラブ活動の合宿にも最初の1日だけ参加して見学しました。色々なことを学びました。この後の報告会で皆さんも聞いてください。他人ごとでなく、自分ごととして考えさせられることがたくさんありました。現地で学ぶ、実際に人の話を聞く、皆で話し合うということの大切さを感じています。
先生たちにも研修会がありました。聖心インターナショナルスクールで8月の半ばに、インターナショナルスクールの先生と、韓国・台湾・インド・オーストラリア・ニュージーランドの聖心の先生の合同の研修会があり、皆で聖マグダレナ・ソフィアについて、聖心の教育について学びました。各姉妹校で異なることもたくさんありますが、聖心の学校として共通していること、皆で共に大切にしていること、共に学べることもたくさんありました。また、この学校でも、先週は2日間研修会を行い、先生方でたくさんの対話をしました。対話を通して学ぶことの豊かさ、大切さを改めて感じるものとなりました。
今日から学校生活を始めて、皆さんも共に学ぶ生活の再開です。夏休みの間、それぞれに学びを深めてきましたが、今日からは学校の仲間と共に学びを深めていきましょう。まず、生活のリズムを整え、しっかり生活しましょう。
今日、朗読されたの聖書の箇所について考えてみましょう。今日の朗読はマルコによる福音書6章からでした。パンを増やす奇跡として耳に残ったかもしれませんが、イエスと弟子たちの関わりについて注目してもらいたいと考えて、この箇所を選びました。特に始めの部分です。弟子たちはイエスに派遣されて、様々なところで活動して、イエスのもとに帰ってきます。そして、自分たちの経験を喜んでイエスにお話しすると、イエスがよく聞いてくださって、とても喜んで、「よくやった、疲れたでしょう」と言うことで、「少し休みなさい」と言って、皆で静かなところに行こうとします。この箇所の様子は、夏休みを終えた皆さんの姿を思い起こさせます。それぞれが違う経験をして、集まってきます。それをイエスが聞いてくださり、喜んでくださる。私はここで皆さんにお休みを与えることはできませんが、「良かったね」という気持ちは同じです。
イエスと弟子たちも休みをとろうとしたものの、すぐ人が集まってきて、イエスたちは休んでいることはできませんでした。その上、食べものがないことに気づきます。その困った状況の中で、イエスは弟子たちと話しながら、皆が参加して、協力できるように進めていきます。イエスが一人で何か特別なことをしているのではありません。皆が参加できる場を作ったのです。そうしたら、思いがけない結果が生まれました。食べものがないと思っていたのに、有り余るほどのものが集まったということです。学校で皆で集まって、共に学ぶ。話しながら、対話しながら、解決を探す。皆が参加し、協力できる場を作る。そのような学校生活にしたいと思います。
この夏休みの間には、学校ではいくつかの工事がありました。中央校舎ではエアコン機器の交換をしました。より快適な環境となりました。また、中央校舎2階の集会室を二つに分割して、教室としました。来年の春に7年生が4クラスになる準備です。初等科でも工事がありましたが、この夏のとても暑い時に工事をしてくださった方々には本当に感謝しています。皆さんも感謝の気持ちで使ってください。
これからの日々、安全に気をつけて過ごしましょう。8月の初めに宮崎県で大きな地震があり、心配されました。日本では地震を免れることはできませんし、秋の時期は台風も心配です。学校では先生たちと皆さんと協力して安全な学校生活を作っていきますが、登下校中は心配です。この後に防災担当の先生からのお話もあります。一人ひとりが自分で自分の身を守れるように、意識を持ち、責任をもって、自分で考えながら生活してほしいと願っています。
この後の報告会では、どのような話が聞けるか楽しみです。皆さん一人ひとりがこの秋の時期に自分に向き合い、対話を深めながら、しっかりと歩んでいくことを期待しています。