校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

6月12日初等科朝礼 

2024.06.12

 11日は初等科では一日学校参観日を行い、多くの保護者が児童の授業を見に来てくださいました。児童も張り切って授業に臨みました。4時間目には下校グループの集会を行い、保護者、児童と別々に話し合いの時間を持ちました。子どもたちは6年生がリーダーとしてマナーや災害時の注意事項などを説明したり、劇で示したり、クイズで確認したり、工夫を凝らして下級生たちに伝えました。登下校のマナーは大きな課題です。子どもたちが自分たちのことだけでなく、周囲の方々に気を配ることができる子どもとなっていくことを目指して指導を続けます。今回の朝礼では、身近な食べ物であるチョコレートに題材をとった本を紹介しました(木下理仁著 旬報社 2024年)。中高等科図書館で所蔵しています。正解がない問いについて、自分で調べ、自分のこととして考えることを投げかけました。

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 昨日からおもしろい本を読んでいるので紹介します。題名がとても長いです。「チョコレートを食べたことのないカカオ農園の子どもにきみはチョコレートをあげるか」という名前です。長いでしょう。

 皆さんはチョコレートが好きですか?好きな人たくさんいるでしょう。チョコレートはどのようにして作られるか、知っていますか?カカオという大きな果物を木からとって、二つに割ると中にお豆のようなカカオ豆が入っていて、それを加工するとチョコレートになります。カカオがとれるのはアフリカのガーナのような暑い国です。

 15年以上前、テレビ番組でガーナを車で旅をして、カカオを育てている農家に出会うという話があったそうです。その農家ではお父さん、お母さんに小学生の男の子2人の子どもがいて、子どもたちは毎日学校から帰ってくると、カカオの農園で働いているお父さん、お母さんを手伝っていました。木からカカオの果物を取って、集める仕事です。テレビ番組の人たちはその仕事を見て、おもしろそうと感じたので、体験させてもらうことにしました。木からカカオの果物を取って、集めます。その仕事はおもしろかったけれど、とても大変だったそうです。すごく疲れました。

 その日は仕事が終わってから、その子どもたちの家にも行かせてもらいました。夕食が終わると、子どもたちはサッカーをして遊んでいましたが、そのサッカーのボールは普通のボールではありませんでした。ボールが買えないので、古着の布を丸くボールのようにしたもので遊んでいました。そして、子どもたちもお父さん、お母さんもチョコレートを食べたことがありませんでした。とても貧しいからです。毎日カカオを取る仕事をしているのにです。テレビ番組の人たちはとても驚きました。

 それで、テレビ番組の人たちは考えたそうです。チョコレートの仕事をしているのに、チョコレートを食べたことがないのは残念だから、日本から持って来たチョコレートを分けてあげたらどうか。こういう意見が出てきたそうです。でも、そのときに、それとは別の色々な意見も出てきたそうです。あげない方がよいのではないか。

 皆さんならどうしますか?あげた方が良いという考え方は、自分たちが作っているものがどのようなものになるのか知った方が良いという考え方です。あげない方が良いという考え方は、一度だけ食べさせてあげても、その後また食べることができないなら意味がない、村の他の人も食べたことがないのに、この家族にだけ特別なことをしたら困るのではないか、などです。どうしたらよいのでしょうか。

 このテレビ番組の人たちは良く考えて、チョコレートを分けてあげることにしました。お友だちになったお礼としてです。少しずつになってしまったけれど、家族に食べてもらいました。そうしたら、お父さんもお母さんも子どもたちも甘いのでびっくりして、笑ってしまったそうです。

 皆さんはどう思いますか?どうしたら良かったのでしょうか。このお話をした大事なことは、皆さんが自分で調べて、考えるということです。このテレビ番組は15年以上前のことです。この15年間に変化して、良くなっているかもしれないし、何も良くなっていないかもしれません。チョコレートについて今どのようになっているのか、調べてみましょう。私が買ったチョコレートはどこから来ているのか、どのようにして作られたのか、調べてみましょう。どんなことがわかるでしょうか。

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