校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

6月11日中高等科朝礼

2024.06.11

 中間試験が終わり、生徒たちは新たな気持ちで学校生活に取り組んでいます。14日金曜日はみこころの祝日行事を行います。今年は全校でのミサを行い、その後に2月に行われた「ハンセン病問題に関するシンポジウム」に参加した生徒たちの報告会を行うことにしています。夏休み前最終日には合唱コンクールを予定しているので、生徒たちはその練習にも励んでいます。

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 先週の中間試験を皆さんはがんばりました。答案返却も行われています。結果をまっすぐに受けとめて、学びを深め、次につなげてください。「わかる」を大切にしましょう。これから合唱コンクールの練習も始まるでしょう。すでに歌声が聞こえています。コンクールを楽しみにしています。

 学校ではみこころの祝日のミサを14日に行いますが、カトリック教会ではみこころの祝日は7日の金曜日でした。この祝日はイースターから数えて定めるので、年によって日にちは異なります。

 イエスのみこころの像がソフィア・バラホールの横に立っています。じっくり眺めたことがありますか。イエスの心臓が見えるように描かれています。これは19世紀の時代の表現で、イエスのみこころを心臓で表しています。心というより具体的で、「人間」というイメージです。心臓も心の動きによってドキドキしたりするものです。そう考えれば、心臓で心を表すのもわかります。

 この像の心臓をよく見てみると、まわりをイバラで巻かれています。これはイエスの十字架に至る苦しみの中の出来事として聖書に書かれています。頭にイバラの冠を押しかぶせたとあるのを、心の痛みとして描いています。もう一つ、心臓の上に何か突き出た飾りがあります。何でしょうか。それは炎です。イエスのみこころは人々への愛に燃えているということを表しています。そして、この燃えている心ということから、「もゆる会」という名前が生まれていることを皆さんは知っているでしょう。イエスの、人々への愛で燃えているみこころに倣って、私たちも奉仕活動をするということです。私たちも心が温かくなると言ったりします。

 14日の祝日行事では、ミサで祈り、その後に2月に行われたハンセン病問題に関するシンポジウムに参加した方々に、今回のシンポジウムで発表したことを私たちに向けて報告してもらいます。どのような発表か楽しみです。職員室前のスペースに「ハンセン病って何?」という掲示が出ています。ハンセン病とは何でしょう?聖書にも出てくる古い病気です。

 ハンセン病には20世紀半ばまで特効薬がなく、治らない病気とされました。大流行するような病気ではありませんが、身体の機能が失われたり、目に見える障害が出たりするので、人々に恐れられました。そして、差別の対象となりました。

 聖心ではそのような世の中の動きにかかわらず、ずっとハンセン病の方々に対して支援を続けてきました。今でもこの聖心の伝統を受け継いで、朗読ボランティアに参加したり、今回のシンポジウムに参加したりしているのは、とても意味深いことです。

 6月5日の毎日新聞に、今でもハンセン病に対する差別に苦しむ人がいることが記事になっていました。ハンセン病は今ではきちんと治る病気ですし、ハンセン病に対する国の方針も変わり、長く続けられた政府の対応のありかたに誤りがあったことは裁判で明らかになっています。それでも、人の心は簡単に変わらない。そのような現実があって、病気から回復した方も、そのご家族も今だ苦しみを背負っています。

 シンポジウムの報告会では、回復者とそのご家族から実際に自分たちが聞いたことを聞き書きして発表したことを、報告してくれることになっています。どのような話をお聞きすることができたのでしょう。差別はいつのまにか人の心に入ってきます。関心をもって耳を傾け、ハンセン病と差別について知り、差別に流されない人になりたいと思います。

 

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