校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

5月28日中高等科朝礼 「安心して生きるための3つのポイント」

2024.05.28

 体育大会が終わり、来週には中間試験を控える時期となり、生徒たちは学習に励んでいます。自信を失ったり、不安になったりすることもある時期です。生徒の朝の祈りでは、マタイによる福音書11章の言葉をひいて、安心させてくれるイエスの姿を思い起こしていました。そのような生徒たちに向けて、上野の国立博物館で開催されている特別展「法然と極楽浄土」での企画によるトークイベントで接した西村宏道さんの講話から「安心して生きるための3つのポイント」を紹介しました。

 ~~***~~

 4月の高等科入学式・始業式で、西村宏道という仏教のお坊さんについて話しました。高等科の皆さんはこの方について検索したり、画像を見たりしてみましたか。中等科の皆さんには初めて耳にする名前でしょう。この方は僧侶で、メイクアップアーティストで、LGBTQの当事者で、とてもおしゃれな人物です。

 西村宏道という方は、人と違う自分を良いもの、すばらしいものとして受け入れて生きている人です。姿を見ると、生き生きとして特別のインパクトがあります。

 私はこの方の本を読んだり、テレビ番組を見たりしてきましたが、実際に姿を目にしたこと、話を聞いたことはなかったので、今回トークイベントがあると知り、参加してみました。上野の国立博物館で開催されている特別展示「法然と極楽浄土」の企画の一つで、とてもまじめなイベントでした。なぜ、そのようなところで西村宏道さんが、ということで、まず法然について説明します。

 法然は鎌倉時代初めの仏教の僧侶です。歴史を勉強すれば必ず出てくる名前です。法然はそれまでの仏教に対して、南無阿弥陀仏と唱えれば誰でも平等に往生できる、極楽浄土に行かれるという教えを説き、浄土宗を開いていきます。しかし、それまでの仏教と激しい対立となり、京から追放されてしまいます。人々のために平等な教えを説いて迫害されるのは、どこかイエスにも似ているような気がします。

 浄土宗のお寺は各地にあります。京都の知恩院、東京でも学校の近くでは増上寺、九品仏、祐天寺が浄土宗のお寺です。そして、西村宏道も浄土宗のお坊さんで、今回上野の博物館でのトークとなりました。

 今回のお話は、お坊さんらしく「安心して生きるための3つのポイント」というテーマで、自分の生き方も交えながら話してくださいました。どのような話だったか紹介します。ポイントの1は、完璧でなくて良い。人と比べないで、自分の大切なことを大切にするということです。2つ目は、批判はつきもの。何か新しいことを始めたりすると、人は色々言うものですが、それを気にしない。3つ目は、みんな平等。人はそれぞれが違うからこそ価値があり、違うものが集まってこそ豊かな全体が完成する、ということです。お坊さんとして仏教の教えを学びながら、教えに従うということよりは、教えを通しての自分の気づきを大切にしたいと言っていました。

 当日、西村宏道さんはとてもすてきな衣装で登壇されました。お坊さんの袈裟のような、裾の長い白と薄い茶色のドレスでした。身のこなしも美しく、自分らしい姿でした。

 西村宏道さんはお坊さんとして教えを学んで、自分が受け入れられたと安心して、仏の大きな教えの中に入った方と感じました。皆さんはこれから中間試験が近づいてくると、不安になることもあるでしょう。その時にはイエスの言葉を思い起こしながら、この「安心して生きるための3つのポイント」も心にとめて、皆さんの力を発揮してください。

このページのトップへ
このページのトップへ