校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

4月30日中高等科朝礼 ハイチ最新情報  私たちに何ができるか

2024.04.30

 カリブ海の島国ハイチは聖心生にとってなじみのある国。現在は政情が大変不安定な状況です。生徒に現状を伝えながら、私たちに何ができるか問う機会としました。画像はハイチの国樹ダイオウヤシ。

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 今回はハイチについて話します。ハイチは皆さんには初等科のハイチデーで親しみ深い国です。2月の初めにも一度朝礼でも取り上げました。そのときは、首都周辺では武装窃盗団が出没して大変危険であり、聖心のシスターたちは国境近くの 町で生活しているということをお話ししました。武装集団は bandit と言う英語の単語ですが、その単語に接したことは大きな驚きでした。それ以後、ハイチの状況は非常に悪化しています。聖心のシスターたちもすでに国外退去しています。

 教皇フランシスコは元ツィッター、現Xに毎日メッセージを出しています。私はフォロアーになっています。4月27日にはハイチに関する2つのメッセージが出ました。一つはハイチの状況について。大統領が辞任し、政権移行評議会が発足することになったので、それがうまく機能するように願い、祈るということ、もう一つはハイチの人々のために祈りましょう、という呼びかけでした。1日に2つもハイチについてのメッセージがあるということは、それだけ関心をもって、心配しているということです。

 日本の外務省はハイチの最新情報を出して、首都が武装集団に襲撃されていることを伝えています。この武装集団には、「ギャング」という言葉が使われています。そしてハイチ政府は首都を含む地域に非常事態宣言を出しており、夜間外出禁止命令を出していることも伝えています。外務省は4月10日には海外危険情報でハイチの危険レベルを最悪の4としています。駐ハイチ日本大使館も一時閉鎖されています。

 ハイチでは何が起こっているのでしょうか。4月25日にハイチの首相が辞任しました。首相は国の治安回復のためにアフリカのケニアに支援を要請に行って、帰国の際にギャングに阻まれて入国することができませんでした。空港がギャングに占拠されていて、機能していないのです。それで辞任発表はアメリカで行われました。国外で辞任発表とは考えられないことです。国内の混乱ぶりが分かります。リーダー不在の無政府状態に陥っています。一般の人の生活も成り立ちません。ギャングや暴力が普通になってしまっています。しかし、本来このようなことは普通ではないはずです。

 ハイチは歴史を調べてみると不遇なことが多い国です。奴隷に反乱によってフランスから独立しました。しかし、独立後は多額の賠償金の支払いを命じられています。苦しみを背負っての建国でした。大きな地震や災害もある国です。自力では成り立たない状況が続いています。支援がなければ立ちいきませんが、支援はいつも不足しています。他国からすると、支援するのも困難な関わり方がむずかしい国となっています。自然は豊かで人々は力があるのにとハイチの人々は考えいるようです。そのような中でも、国境なき医師団のような団体は3月初めまでは現地で活動していました。現在どうなっているでしょうか。

 教皇フランシスコは今年の3月末のご復活のメッセージで、平和がない国への祈りを呼びかけました。7つの国の名を挙げています。それらはスーダン、シリア、ハイチ、ミャンマー、モザンビーク、レバノン、コンゴ民主共和国です。教皇フランシスコはこれらの国のことを忘れないようにと呼びかけました。自分のことだけではなく、これらの国のことも考えるようにという呼びかけでした。日本の東京に住む私たちにはハイチのために何ができるでしょうか。問われています。

 

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