トップページ > Spirit of "Mikokoro" > 5月7日中高等科朝礼 哲学対話
連休が明けて学校生活が再び始まりました。今回は連休の間に出遭った本から、「哲学対話」を取り上げました。永井玲衣著の「水中の哲学者たち」晶文社刊です。
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連休が明け、新しい気持ちで学校生活に取り組むときです。5月には聖母マリアの月、体育大会、創立者の祝日もあります。クラス・学年として、お互いの関わりを創り、一段階まとまって行くことが求められます。そのようなときには、話し合うことが大切になります。
連休の間に、よい対話がありましたか?対話は難しいものです。人と話しながら、ふと気づくと、「この人は〇〇だから」と枠をはめて話を聞いている自分を意識して驚いたことがあります。皆さんはそのようなことはありませんか。
「哲学対話」というものを聞いたことがあるでしょうか。たとえば、生きる意味とか夢と現実の違いなど、正解のない問いについて語り合うものです。今、私は哲学対話についての本を読んでいます。哲学対話と聞くと、哲学も対話も難しいと言えば、難しい。あーでもない、こうでもない、と色々に考えることになります。しかし、小学生でも楽しんで参加できるものだということです。
哲学対話では、発言するときに答えを持っている必要はないし、最後に結論を出さなくてはならないということもありません。ただ相手の言葉に耳を傾けて受け取る。聞いて、自分の中に浮かんできたことを言葉にして語る。違う考えを出してもよいけれど、相手を否定することはしない。ぐるぐるしているようで、何かを少しずつ納得して、皆で少しずつ前に進んでいる。このようなことであるらしい、と本を読みながら考えています。
これは宗教の授業で、皆で少しずつ考えることと似ています。そして、宗教の授業では、たとえ口に出さなくても、神様もそこに一緒にいてくださる、ということではないでしょうか。
この5月に、皆さんの間で対話があるように期待します。「あーそうなんだ」が一つでも多くあるように。自分から始める。自分から耳を傾ける、ということもあるかもしれません。聖母戴冠式の祈りもあります。それはマリア様との対話の日です。マリア様は神様とイエスと親しく対話した方です。マリア様に耳を傾けるとき、私たちはどのような言葉をマリア様と語り合うことができるでしょうか。