校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

12月4日・5日・6日 ゆりの行列

2023.12.08

 12月8日はカトリック教会では「無原罪の聖マリアの祝日」です。聖マリアの罪への傾きのない特別に恵まれた心を祝います。その聖マリアへの敬意をゆりの花を捧げる行事として表し、受け継いで来ました。今年もステージごとに3日にわたって行いました。児童・生徒たちが列になって、ゆりの花を捧げる様から「ゆりの行列」と呼び習わしています。毎年行う行事ですが、今年は世界の情勢の中で、聞く力、よいものを聞き分ける心を求めて祈りを捧げました。また、今年はファーストステージ、セカンドステージの児童・生徒は宗教の時間に各自が捧げるゆりの花を手作りしました。同じ型紙から作っていく紙製のゆりの花ですが、一人ひとりの花は少しずつ異なる趣で、各自の個性を表しているように見えました。

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 ゆりの行列では、マリア様の心に倣って私たちの心のゆりをお捧げします。今年、セカンドステージの皆さんは自分でお捧げするゆりを作りました。意味深いことです。今日捧げるのは、心のゆりですから、私たちの心の美しいところです。どのような美しさを、ゆりに託してお捧げしましょうか。今年は、「聞く」ということを支える心をお捧げしたいと思います。

  心は私たちの色々な活動を支えています。頭で考える、知性の働きと、心の働きが共に働いて私たちの活動を導いています。心の働きはとても大切です。

 今日の聖書朗読では、マリア様は天使のお告げの言葉をきいて、イエスの母となることを受け入れます(ルカによる福音書1章)。マリア様はご自分の人生でとても大事な言葉、世界全体にとっても大事な言葉を聞きました。

 私たちの生活では、色々な言葉や音が私たちを取り巻いています。マリア様の生活も同じだったでしょう。にぎやかな音楽や心をかき乱すようなうるさい音も、集中を邪魔する雑音もあったでしょう。賢い知恵にあふれる言葉や美しい言葉もあれば、自己中心的な言葉、人を傷つけるような言葉、ほんものでない言葉もマリア様の耳には聞こえてきたでしょう。聞きたい言葉もあれば、聞きたくない言葉もあったでしょう。それらの中で、マリア様は大事なことを聞き取り、選びとることができました。それがマリア様の心の力、マリア様の心のゆりでしょう。

  今の世界では色々な出来事が起こっています。人々の良い考えを表す言葉、まわりの人を大切にし、共に生きる姿勢の実現を目指す言葉もあれば、争いや戦いを誘う言葉もあります。困難に立ち向かおうと呼びかける言葉もあれば、あきらめを誘う言葉もあります。私たちは一人ひとりどのような言葉がほんものか、よく聴き取る必要があります。

 ほんとうに大事なことは何か、今、私にやるべきことへと導く言葉は何か聴き取る力が必要です。今日のゆりの行列では、私たちの心のゆりに託してマリア様にほんものを聴き取る力を祈り願いたいと思います。ほんものの美しさを聞き取り、見分ける心を願い求めましょう。

 ほんものを選びとる心に、神様はいつも共にいてくださる、マリア様はこのことを私たちに教えてくださり、いつも私たちのために祈り、神様が共にいてくださることを感じることができるように支えてくださいます。

 ゆりをお捧げする時には、ご自分の心とその願いと祈りをゆりの花と一緒にお捧げしましょう。

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