校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

10月17・18・19日 感ずべき御母の祝日

2023.10.27

 感ずべき御母の祝日は10月20日ですが、ステージごとに3日に分けてお祝いしました。聖堂に飾られた感ずべき御母の絵の前に4学年で集まり、祈りを捧げました。今年は特に、ガザでのイスラエルとパレスチナの紛争について思いを馳せながら祈りました。ほぼ同じ内容をステージごとにわかりやすく伝えました。

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 今年も感ずべき御母の祝日が巡ってきました。皆でこの絵の前に集まっています。この絵の静かな美しさを皆さんと一緒に特に味わいたいと思います。

 去年から、ウクライナとロシアの間で戦争が起こり、今はイスラエルとパレスチナの間でも戦乱が広がっています。子どもや女性や高齢者も巻き込まれて、傷ついたり、いのちを失ったりしています。なぜ、人間はこのような争いを続けなくてはならないのでしょうか。

 絵を見てみましょう。感ずべき御母のうつむき加減の眼差しは、何を見ていらっしゃるのでしょうか。感ずべき御母の後ろには、あけぼのの光に輝く、美しい世界が広がっています。この美しい世界を背にして、どこに向かっていらっしゃるのでしょうか。

 目に見える世界から、目をそらしているのでは決してないでしょう。この若々しいマリア様の絵を前にすると、これから動き出す前のエネルギーや力が感じられます。今ある現実をしっかり受けとめながら、希望する力です。

 共に歩む心や、対話を見失っている世界を、神さまと共に心の中で受けとめているかのようです。これは心が開かれていないとできません。目に見えないもの、目に見えない世界を大切にできますように、とこの絵を前にして私たちは毎年祈ります。目に見えないものとは何でしょうか。この絵を見ると、実は毎年不自然にも感じられます。マリア様の周りにあるものは、あたかもシンボルの寄せ集めのようです。しかし、もう一歩考えてみると、この絵の表しているものはマリア様が心の中で見つめているものとも考えられます。つまり、マリア様の心の中の風景なのかもしれません。

 マリア様と共に、イスラエルの人々、パレスチナの人々の、痛みや苦しみ、悲しみを思って祈りましょう。争いや対立、力による対決でなく、お互いを活かす関わりに導かれるように。

 そして、大きなことは小さなことから始まります。まず身近な関わりで、自分から勇気をもって人と関わることができるように。まず、心を開いてものごとを見て、人の話を聞くことができるように。

 私たちも、百合の花、本、糸紡ぎを携えて、世界のために小さくても何か一歩を踏み出すことができるよう祈りましょう。

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