トップページ > Spirit of "Mikokoro" > 10月5日初等科 前期終業式
初等科も前期末を迎え、終業式を行いました。前期通知表をもらう日でもあります。数日間を経て、来週には後期となります。
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前期の終わりを迎えました。4月から色々なことがありました。春、夏、そして秋になっています。たくさん学び、活動することができました。今年度は色々な行事や活動ができました。今年の学校目標は「私から私たちへ 対話:問いかけ、話し、聞く」です。どのような対話ができましたか?
各学年の集いの時間に、皆さん一人ひとりも考えたし、お友だちの発表を聞いても実感したと思いますが、今の皆さんは4月の時の皆さんとちがった人になっています。たくさんの経験ができたことに感謝しましょう。
うれしかったこと、楽しかったこと、良かったと思うことがきっとたくさんありました。でも、大変だったことや、悲しかったこと、うまくいかなかったこともきっとあったでしょう。嫌だったと思っていること、今でも嫌だと思うこともきっとあるでしょう。良かったことはとてもうれしいことですから、心の中に大切にしておきたいです。では、嫌だったことや失敗したと感じていることは、どうしたらよいでしょうか。
このようなことを考えていたら、ある一人の人が失敗について言っていた言葉を聞いて、驚かされました。対話に関係している言葉ですから、紹介します。このような言葉でした。何をやってもうまく行かない若い男の人がいて、周りの人も、残念ですがその男の人はもう無理かなあとあきらめそうになっていました。でも、その人は、その若い男の人の話をしっかり聞いて、「失敗は必ずよい経験になるから、大丈夫だよ」と言っていました。
「失敗はずっと失敗のままではない、失敗は良い経験に変わる。」これを聞いて、私ははっとさせられました。「失敗から学ぶことは大切」とこれまでも考えてきましたが、やっぱりそうだったんだ!と改めて気づきました。
本当にこの若い男の人は少しずつ変わっていきました。何が変化したのか、考えてみました。その若い男の人は、前は、「大変だった、うまく行かなかった、失敗した、だから、もうだめだ、私はだめだ」と考えていたようです。まわりの人も、自分も、「だめだ」と思って、悪いところだけ見ていたのでしょう。そうすると、どんどん力を失ってしまいます。失敗する自分に怒ったり、自分が嫌いになったりして、どんどん自分に閉じこもってしまいました。
変化していったのは、「大変だった、うまく行かなかった、また失敗した、でも、だめじゃない。やってみたことは良かった、嫌なこともあったけれど、全部だめじゃなかった」と思えるようにだんだんとなっていったことです。まわりの人も、「やってみてよかったね」と、だめなところではなくて、良いところを一緒に探していました。失敗する自分に怒ってしまうことがあっても、自分に閉じこもらないで、自分を嫌いにならないでいることができるようになりました。まわりの人が「あなたのことを嫌いじゃないよ」と伝えていることも聞こえるようになりました。よく考えてみると、これも対話の一つと言えるかもしれません。
失敗が良い経験に変わっていくというのは、こういうことかもしれません。
失敗して、自分に怒っているかもしれないけれど、自分だけに閉じこもらないで、自分を嫌いにならない。
そうです。学校でも同じです。聖心の学校では皆が大きな家庭の一員ですから、皆さんは一人ひとり大切な人です。皆さんのことを大切に思っています。もし、何か注意するとしたら、失敗が良い経験になってほしいからです。このことを心にとめて、皆でお互いを大切な人として、今日の前期を終わりましょう。
皆さんは通知表をいただきます。通知表は4月からの学習の成果です。通知表で、目に見えるものは数字と記号です。しかし、その数字と記号の中にたくさんの意味があることは皆さんも知っています。それを見逃さないようにしてください。自分で書いた評価表にあることもとても大切です。先生のお話もよく聞いてください。失敗はよい経験に変わるということも忘れないでください。
嫌いな数字や記号がもし通知表にあったら、それは好きな数字や記号にこれから変わる可能性だと考えたらどうでしょうか。
後期はまた新しい気持ちで始めたいと思います。それまで、短い期間ですが、新たな気持ちになってきてください。