校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

4月25日中高等科朝礼 スーダンのニュースを受けて

2023.04.25

 中高等科では火曜日の放送朝礼を生徒に向けて話す機会としています。今回はスーダンを取り上げました。政情が不安定で非常に心配される国です。上の画像は教皇フランシスコが今年の2月にアフリカのコンゴとスーダンを訪問されたときの、コンゴでの聖心会のシスターとの出会いの場面です。聖心会のWebサイトから転載しています。スーダンについて、対話の大切さについて教皇フランシスコの言葉を引きながら考えました。

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 今朝のニュース・新聞ではスーダンの話題がトップに取り上げられていました。スーダンはアフリカの北東部にある国で、エジプトのすぐ南に接しています。このところ政情不安定で危険な状態にあるとされ、スーダンにいた日本人が国外退避したということです。安全に退避できたのは良いことですが、もはやスーダンが普通に生活できる状態でないということは深刻なことです。現地の人々の普通の生活は壊されてしまっています。スーダンでは、政治的対立から武力の衝突が起こっています。そこでは対話がないでしょう。言葉ではなく力で対抗しようとしています。

 スーダンと聞くと、私は無関心ではいられません。ずっと以前のことですが、スーダン人のカトリック司祭と出会いました。スーダンの人と出会うのは珍しいことで、印象に残りました。背の高い神父でした。もう今は連絡をとることができません。もっと話を聞いておけば良かった、スーダンではキリスト教信徒は多いのか、少ないのか、どのような生活をしているのか、聞いておけば良かったと感じています。この方が安全でいるかどうか、スーダンと聞くと心配になります。ある国に関心をもつには、人との繋がりが大切なことなのだと自分ごととして改めて感じます。

 教皇フランシスコはこの2月にコンゴとスーダンに旅をしました。この頃、教皇は健康が心配で、旅もままなりません。しかし、旅をして人に出会わなければイエスを伝えることはできないという信念を持っていて、つい最近もそのように発言しています。人との繋がりを大切にしているということがわかります。この状況の中で、教皇は行く場所をよく選んでいるはずです。行くべき特に重要な国を選んでいます。

 そこで、コンゴとスーダンへの旅をされました。コンゴでは、聖心のシスターたちが教皇にお会いして大喜びのニュースが世界の聖心を巡りました。コンゴはダイアモンドになぞらえられます。美しい自然と豊かな天然資源が国の誇りですが、それらは争いのもとでもあり、暴力と格差を生み出してもいます。教皇は皆が共に希望をもって進みたいと語り、暴力や服従でなく、和解と希望を目指したいとしました。

 スーダンでも武器でなく、出会いと対話を求めました。出会って、決めつけから脱し、新しいものを感じ取ることを呼びかけました。どちらの国でも、特に女性たちに注目し、武力や暴力でなく、和解を求めること、難民キャンプで貧しい人々と共にいる女性たちは国を変える力となっていくと語りました。

 対話は出会って話すことです。相手の顔を見て、存在を感じながら話します。対話は言葉のやりとりをするものですが、文字ではない言葉です。メールやラインはとても便利ですが、文字の言葉です。対話にはメールやラインの文字の言葉にはない、温かさや繋がりがあります。それを大切にしたいものです。

 今日一日、どのような対話ができるでしょうか。

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