校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

10月19日 セカンドステージ「感ずべき御母」の祝日 マリアと学び

2022.10.19

 セカンドステージ5年生から8年生は久しぶりに聖堂に集まり、祈りの時を持ちました。短い時間でも、「感ずべき御母」の絵を前に、朝のすがすがしい時を共にしました。

 セカンドステージの児童・生徒に対しては、サードステージ生への話に加えて、マリアの絵の中の本の意味に注目しました。

 マリアの絵には様々なものがあります。多くの画家がマリア様の絵を描いています。イエスの母の姿、イエスだけでなく、全ての人の母としてのマリアの姿、祈る姿、心の美しさを表した姿が描かれたものなど、有名な絵がたくさんあります。その中で、本が描き込まれているマリアの絵はあまり数が多くはなく、独特なものとなっています。しかし、マリアがイエスと一緒に本を読んでいるものや、天使のお告げを受ける時の場面に本が描かれているものもあります。それらは、女性が学ぶこと、本を読むことに対して特別の関心をもって描かれている作品と言われています。

 聖心の「感ずべき御母」には本がなくてはなりません。学ぶことを大切にすることは、聖心の特色の一つだからです。魂、知性、実行力の3つがそろって、切り離せないものとして一人の人間の中で育っていくときに、しっかりした女性になれる、という考え方を大切にするので、知性のシンボルもマリアと共に描かれていなければならないのです。

 魂・知性・実行力の3つをまとめるものも、この絵の中に描かれています。それは、マリアの祈りの姿勢です。マリアの祈りの姿勢が、3つの働きをまとめ、心の内に収めていきます。これが「感ずべき御母」の特徴で、聖心で学ぶ私たちに大切なことです。とても忙しい時でも、祈りの落ち着きがあればあわてません。祈りは心をととのえ、まとまりをつけ、より良い行動へと導きます。

 セカンドステージ生にも、やまじえびね作のコミック作品「女の子がいる場所は」を紹介しました。マリアの祝日に、世界の女子のことを思い起こして祝うことは意味深いことです。この作品のどのストーリーにも、女の子たちが学ぶ、というテーマがあります。学ぶことにより、状況が違って見えるようになり、女の子たちは自分のことに気づき、他の女の人の状況にも目が向いていきます。視野が広がっていくことは重要です。そして、状況を変える力になっていきます。学ぶことを通して、当たり前と思っていたことに対して、新たな見方で問いかけることができるようになることが大切です。弱い立場の人々へも目を向けて、「私から私たちへ」と考えてみたり、まわりの人への想像力をもって、「もし、私がその状況におかれたなら」と考えて見る勇気やゆとりをもてるようになることが大切です。

 「感ずべき御母」と共に、改めて女子として学ぶことの大切さを考えました。生徒には、この世界の中で学べる環境にあることは恵まれているということを忘れず、学ぶことで自分らしくなり、流されないで生きる力をつけてほしいと願います。祈りによって、落ち着いた心になり、大切なことをみつけることも期待しています。世界の女の子たちと共に学び、「私たち」としてできることをみつけられたらとも期待します。

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