校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

9月13日中高等科朝礼 「すべての被造物の声を聞け」--「被造物を大切にする世界祈願日」に

2022.09.13

 中高等科の生徒たちは今週木曜日から始まる前期末試験を控え、緊張しながら毎日を送っています。この気持ちは、この季節の生徒たちの祈りにも反映され、生徒たちは心が狭くならないように、心を拡げようという思いを込めて祈ります。生徒たちの祈りに耳を傾けながら、カトリック教会での9月1日から10月6日までの「被造物を大切にする月間」について考えました。

 ~~***~~

 今朝の祈りは、期末試験を前にした皆さんの今の気持ちを汲み取ったもので、皆さんの心に響くものがあったでしょう。月曜日の9年生と11年生の聖堂朝礼での祈りでも、試験前に気ぜわしくなってくると、雲や風の動きに気づけなくなる、と聖書の言葉を思い起こしながら祈っていました。視野が狭くならないように、自分のことだけにならず、周りのことも配慮できるようになりたいという思いを込めた祈り、と受け取りました。

 私たちの学校は木々の緑に恵まれています。正門から来ると、大きなイチョウの並木があり、門をくぐれば大きな木が迎えてくれます。下の門から来ても、森の中を通るようなところがあります。そして、今もどの教室からも木々の緑が見えるでしょう。木は静かに沈黙していますが、地面にしっかり根づいて、確かに存在して、私たちにいのちを伝えてくれています。私たちが多くのいのちの中の一員である、というのは大事な感覚です。

 カトリック教会は9月1日から10月6日を「被造物を大切にする月間」と定めています。被造物とは、神に創られたものですから、様々な生きもの、自然環境や地球全体のことです。10月6日はアシジの聖フランシスコの祝日です。聖フランシスコは12世紀から13世紀のイタリアの人で、自然界の生きもの、あらゆる人々、病人や差別されている人々を大切にしました。その聖人の祝日に向けての1ヶ月です。

 私たち人間は地球のいのちの一員です。「私」だけでなく「私たち」として生きています。今年はこの月間に「被造物の声を聞け」というメッセージが教皇フランシスコから出されています。被造物の声を聞くとは、あらゆる生きもの、地球の声を聞くことです。素晴らしさや、美しさや恵みを歌う声も聞こえてくれば、悲しみや苦しみの声も聞こえてくるでしょう。地球温暖化や環境破壊、差別の問題や難民など、考えるべき、行動すべき問題はたくさんあることに気づかされます。人間の都合や便利、自分の都合や便利だけで生きてはかれません。生活のあり方全体、現代の世界の方向性や仕組みの全体にも関わることです。気持ちの問題だけではありません。学校でも、PFCの活動がプラスチックの問題について考えたり、SOFISが持続可能な町作りについて活動したり、生徒会が節電を呼びかけたりなど、色々な活動が行われています。

 期末試験を前にしている私たちは、目の前にやるべきことがたくさんあります。慌てたり、気ぜわしくなったりします。そのような時は、木々の緑を見てみましょう。私たちが生まれる前からこの学校をずっと見守っている大きな木々です。そして、小さくて、いのちは短くても、今の季節を生きている草花もあります。秋の花のヒガンバナももうすぐ咲き始めるでしょう。私たちのまわりのいのちを見て、空も見て、大きないのちの中にいることを感じましょう。そうすると、落ち着いて目の前のことに取り組むことができるでしょう。私たちは色々ないのちと共に生きていて、ひとり一人が地球の大切な一員であることに気づきましょう。そうしたら、安心な平和な気持ちになれるでしょう。学校の緑に助けられながら進みましょう。

このページのトップへ
このページのトップへ