校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

9月6日中高等科朝礼 宗教に責任をもって関わる姿勢をもつ

2022.09.06

 夏休み明け最初の放送での朝礼となりました。この夏以来、宗教は日本社会で一つの問題となっています。宗教に関わる姿勢が問われていると受けとめ、カトリックミッションスクールであることを大事なアイデンティティとする私たちとして、生徒と共に考えました。

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 日本社会では今、宗教に関する問題が広く話題になっています。このことは9月1日の集会でも少しふれ、7年生の保護者会でもお話しましたが、改めて皆さんにお話しします。

 今、問われているのは宗教との関わり方です。日本には多様な宗教があり、それぞれの宗教に特色があります。多様な宗教があって良いのだと考えています。その一方で、日本の社会は宗教に対して曖昧になりやすい傾向もあるでしょう。なんとなく、良いものだろう、と安易に考えてしまうところがあります。しかし、宗教は人の心や魂という、人間の重要なところに関わるものです。宗教は責任をもって関わるべきものと思います。

 宗教を正しく知る、ということも責任に含まれます。その宗教は何を信じているのか、何を大事にしているのか。その宗教を信じることによって、私はより健全に、より良い方向に向かっているか。私のもっている力がより良く開花しているか。人と良い関わりを築けるようになっているか。これらは宗教との関わりの上でとても大切なことです。知ることは、考えることにつながります。宗教を信じることによって、自分の考える力も活かされます。神さまからいただいた考える力、知性をより良く使うようになるでしょう。そして、色々な宗教を正しく知る、ということはその宗教への尊敬の姿勢です。

 聖心はキリスト教に基づく学校で、イエスの教え、とくにイエスのみこころを大切にしています。キリスト教会の長い伝統に培われたもの、聖マグダレナ・ソフィアや先輩たちが生きて、実感した大事なことを伝えられ、私たちは受け取っています。受け継いでいるからと言って、~~でなければならない、というように束縛されるものではありません。意味あるほんものを伝えられて、どのように思うか、受け取るかどうか、と呼びかけられています。何を伝えられているのか、正しく知り、受け取る責任があります。

 本当に大事なものは何ですか、という問いがここにあります。大事なものを見極める目をもつことを呼びかけられています。これは自分らしく生きることにつながります。目に見えるものにとらわれず、目に見えないものを大切にしているか、ということも重要なポイントです。宗教は何かのために利用するものではありません。

 学校では宗教について学んでいます。宗教の授業は、宗教について正しく知り、自分で考える機会となっているはずです。もし疑問があったら、質問してください。祈りは神さまとの対話として大切です。学校で祈るときは、考えや思いを皆で共有して祈っています。大切なことを皆で確かめて、味わっています。上級生の祈りから大切なことを受け継ぐ場ともなっています。

 皆さんには宗教に責任をもって関わる人になってほしいと願っています。大切なものを見極める目をもちましょう。自分のこととして、イエスの教えを改めて考えてみてください。

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