校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

5月11日初等科朝礼 5月のプラクティス「耳を傾けて 心をつなぐ」

2022.05.12

 5月はマリア様と創立者聖マグダレナ・ソフィアの二人を祝う大切な季節です。初等科ではプラクティスを行って心を整えます。今回のテーマは「耳を傾けて 心をつなぐ」です。毎日心がけて過ごし、一日の終わりにどのように実行できたか振り返ります。連休も明けて落ち着いて学校生活に取り組むときを迎え、子どもたちと考えました。

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 5月はマリア様の月、運動会の練習も始めています。今年のプラクティスのテーマは「耳を傾けて 心をつなぐ」です。耳を傾ける、心をつなぐ、どちらも大切なことです。どんなことができるでしょう?

 マリア様について考えてみると、聖書の中にはマリア様が色々な人の話をよく聞きましたというできごとは書いてありません。しかし、マリア様は子どものときから静かなお祈りの心があり、天使が来て、神さまの言葉を知らせたときには、それをしっかりと聴くことができました。それでマリア様はイエス様のお母さまになりました。

 このことは、マリア様ご自身にとってとても大事なことでしたが、人間の歴史全体にとっても大きな出来事でした。今の私たちにも影響がつながっています。

 イエス様はたくさんの人の話を聴きました。病気を治してほしい人、困っている人、子どもためにお祈りしてほしいお母さん・・・色々な人が集まって来ました。人々が集まりすぎて困ることもありました。人々はイエス様が話を聴いてくれると知って、たくさん集まってきたのでしょう。聴いてほしいこと、伝えたいことがある人たちがイエス様に話をして、イエス様に話を聴いてもらうと、たとえ何も起こらなくても、「聴きましたよ」というイエス様の心が伝わったでしょう。

 心がつながる、とはどのようなことなのでしょうか。希望をもつ、ということでしょうか?「きっと大丈夫」という気持ちになることかもしれません。話を聴いてもらったことで、神さまがいてくださると感じて、またやってみようと思えるようになることかもしれません。

 聖マグダレナ・ソフィアは耳を傾ける方でした。色々な人が訪ねてきました。生徒・子どもばかりでなく、大人の人、町の人々も訪ねてきました。聖マグダレナ・ソフィアはよく話を聴きました。そして、困った人に対しては何かしてあげられることはないかと考えて、役に立ちそうなものは何でもあげてしまいます。児島なおみさんの絵本の中には、何でもあげてしまうので、戸棚が空っぽになってしまう場面の絵がありました。

 聖マグダレナ・ソフィアは話を聴いた後に行動に移しました。しっかり話を聴くと、新しい考えが生まれ、考えが変わります。それで新しい行動も生まれます。そして、話を聴いてもらった子どもも、またやってみようかな、私はきっと大丈夫という気持ちになったでしょう。新しい一歩を踏み出して、行動が変わっていったでしょう。聖マグダレナ・ソフィアに何か言葉で励ましてもらったからかもしれません。しかし、どのような言葉だったかということよりも、話をしっかり聴いてもらったこと自体が大事なことだったでしょう。

 「耳を傾ける」ということは、相手の人を大切にすることです。そして、心を開いて相手の人を受け入れることです。話を聞くということは、その人と一緒にいて、時間を共に過ごすことです。話を聞いたら、その話をわかろうとして、考えます。そうすると、相手の人の考えや気持ちが理解できて、わかるようになります。そのときに相手の人の考えや気持ちを一緒に考えたり、感じたりして、共有します。これが心をつなげるということではないでしょうか。そして、話を聞いて、心がつながったら、新しい行動が生まれます。心だけでなく、身体も動きます。

 聖マグダレナ・ソフィアは話を聴いて心がつながったら、行動に移す方でした。私たちも今日一日、お友だちや先生と過ごしながら、どのようにお話が聞けるでしょうか。そして相手と一緒にいて、心をつなげることができるでしょうか。よい一日として過ごしましょう。

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