校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

5月10日 中高等科朝礼 マリア様はゲームチェンジャー

2022.05.10

 今年度サードステージ9年生以上では、月曜日に9年生と上級生1学年の2学年ずつで聖堂朝礼を行うことになりました。9日はその第一回でした。そして、火曜日が放送朝礼です。朝礼の始めの当番の生徒による祈りでは、毎回折々の事柄が取り上げられますが、今回も「生活の中で本当に大事なことをみつけることができるように」との言葉がありました。重要な視点の祈りでした。

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 5月の連休も明けました。リフレッシュして、さあ、とりかかりましょうという気持ちで進みたいものです。サードステージ9年生以上では2学年ずつの聖堂朝礼が始まりました。9年生がサードステージ生としての意識をもって取り仕切ってくれることは頼もしいことです。聖堂での祈りの時間は大切にしたいものです。短時間のことでも、移動が少し面倒に感じられても、聖堂に行くことで受け取るものは、たとえ毎回気づかないとしても、意味深いもので、確実なものです。

 5月はマリア様の月です。聖母戴冠式も予定されています。そこで今回はマリアについて考えてみます。

 ゲームチェンジャーとは試合の流れを変える人で、キーパーソンです。そして、スポーツだけでなく、社会の流れを変える人のこともゲームチェンジャーと呼ばれます。他の人が気づかなかったことをつかむ人で、勇気がある人かもしれません。新しいことをした人として注目を浴びる存在となることもあります。流れを変えるということは、今までにない何かを拓いていくことです。新しい局面をつくることでもあり、最先端にいるとも言えます。さて、皆さんはどのようなゲームチェンジャーを思い出すことができますか?テニスプレーヤーの大阪なおみが、ゲームチェンジャーとして注目されたこともありました。

 そこで、マリア様について、隠れたゲームチェンジャーとして考えてみます。マリアは天使のお告げを受けて、イエスの母になります。祈りの心が深く、神さまの言葉を受けとめ、「はい」と答えます。これは皆よく知っていることです。心の清さ、透明さ、深さ、神さまを信頼する心、これらはマリアの個人の資質としてとてもすばらしい点で、見倣いたいことがらです。確かにマリアは人として、女性としてすばらしい。しかし、個人というだけでなく、時代の流れの中で見てみるとどうでしょうか。マリアは人と神さまの関わり方を変えました。マリアが変えたと言えないとしても、それまでになかったことを引き起こしました。イエスの母となることを受け入れたことで、神さまが人間の中に具体的に来てくださる場を開きました。これは人間と神さまの歴史の上で新しいことで、大きな影響力をもつことです。

 もちろん、イエスの存在は大きなものです。しかし、マリアは人として、その後に続く人間と神さまの関わり方の流れを変えました。マリアは、神さまが人間に新たに親しく、直接に関わってくだささるという流れを開くきっかけを作りました。人間の歴史に大きなことです。マリアは自分がそのような大きなことをしたとは思っていなかったでしょう。注目されることもありませんでした。しかし、イエスの母というだけではなく、ゲームチェンジャーとしてもマリアを受けとめたいと考えます。

 ゲームチェンジャーは新しい流れをつかみ、流れを変えます。マリアは神さまの新しい流れを感じ取り、それをつかみました。ただ流されているのはありません。よい流れを感じ取ります。これは主体的な活動です。ゲームチェンジャーは目立つものとは限りません。しかし、ほんものを聞き分けます。それには正直さ、勇気も必要で、気づく力も求められます。同時に、これは日常生活の中で誰にでも開かれていることです。私たち一人ひとりが本当に大事なことに気づくことを求められています。ちょっとしたところで、「あ、これは?」と感じることを大切にしていくことです。身近な、小さなところから始まります。心がけていきましょう。

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