校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

4月26日中高等科朝礼 SDGs5 ジェンダー平等を考える 女子校だから大切なこと

2022.04.26

 新年度最初の中高等科放送朝礼となりました。今回取り上げたテーマはジェンダーです。4月23日の土曜日に中・高等科それぞれで合同保護者会を行い、保護者の皆様に今年度の指針をお話ししました。その中でSDGs5「ジェンダー平等を実現しよう」を取り上げながら、女子校としての本校の姿勢をお話ししましたので、生徒にも伝え、共に考えました。

 ~~***~~

 23日土曜日には合同保護者会を行い、今年度学校として取り組むことについてお話ししました。多くの保護者の方に来ていただいて良い機会となりました。SDGsは今年も取り組みを進めます。SDGsには17の課題があり、それぞれ個別にも大きな課題ですが、同時につながっているものです。世界全体で取り組まなければ解決できないことですから、ここには「私から私たちへ」の考え方の大切さを見いだすことができます。

 今回SDGsの課題の中で一つ特に取り上げたものは、SDGs5「ジェンダー平等を実現しよう」です。これは二つの視点から考えてみることが重要です。

 まず第一にこれは女子校として特に意味があります。日本の社会も世界もまだジェンダー平等とは言えない現実があり、女子と女性に平等でない状況が多く見られます。女子への期待や女子についての決まった考え方が見られることがありますが、女子と言っても一人の人間であり、その人らしくあってほしいと考えます。自分らしさを追求することが重要です。色々な女子のあり方があって良いでしょう。卒業生も色々なことをして活動しています。学びたいこと、やってみたいこと、将来やりたいこと、これらについて「女子だから」という要素があっても良いかもしれませんが、まず第一に「私」がやってみたいこと、好きなことに思い切り挑戦してほしいと感じます。女子校で女子の可能性を追求することは大切です。そのようにして、平等の実現に向かっていきましょう。

 そして、世界の女子の状況について学ぶことも大切です。女子の自由や平等がとても小さい国がまだあるかもしれません。

 学校の中には「母の会」という保護者の活動があります。お母様方に学校に協力していただいて大変ありがたいと感じています。しかし、保護者と言えば、父母です。ジェンダー平等の観点から言って、「母の会」という名前と活動のあり方について、これで良いのかということを母の会の方々と相談し、名称と活動のあり方を検討してきました。今回、お父様の参加を含めることにし、名称も変えていきます。早速に今年度の幹事の中にお父様も参加してくださることになり、保護者の皆様から理解と協力を得ることができ、感謝しています。

 ジェンダーに関するもう一つの重要な視点は、多様性に対して開かれるということです。色々な女子の生き方に開かれ、女子だからという固定観念に縛られないことは重要です。多様なあり方、多様性に寛容であることを学校として目ざしていきたいと考えます。ジェンダーと言うとLGBTQの点も含まれます。性についての自己認識の多様性もとても大切な視点です。皆さんの中にも色々な考え方、感じ方があるかもしれません。それで良いのだと思います。自分らしさをしっかりつかむ、お互いを大切にすることが重要です。今回の保護者会では、ジェンダーについてのこのような学校の姿勢もお話ししました。

 1年生6歳で入学し、12年生18歳で卒業するまでの12年間は長い期間です。子どもから少女、大人へと成長します。その間の皆さんの感じ方、考え方も変化し成長するものがきっとあるでしょう。それを大切に見守り、一人ひとりが自分らしくあることを大切にします。そして、お互いに、それぞれが自分らしくいることを大切にする学校を目ざしたいと考えます。ジェンダーの意識はその人のもので、自分が意識して確立していくものです。一人ひとりが大切にされ、そしてお互いも大切にします。ここにも「私から私たちへ」の考え方があります。そして、これが、女子校だからこそ、こうありたいと願う学校の姿勢です。

 もし、何か困っていることがあったら相談してください。一緒に考えていきましょう。皆さんの話を良く聞きたいと思います。そして、より良く取り組むためには、正しく学ぶことも大切です。ジェンダー・LGBTQなど、言葉として色々なところで耳にしていることでしょう。5月25日の創立者の祝日には、ジェンダーをテーマとした講演会を計画しています。皆でこれから学んでいきましょう。

このページのトップへ
このページのトップへ