校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

2月17日中高等科朝礼 白の学年から受け継ぐ伝統

2022.02.19

 中高等科では卒業を間近にする12年生を送る会を「送別セレモニー」として行いました。本来ならソフィアバラホールに全員で集まって思いを込めて言葉を交わすところですが、昨年度も今年度も動画によって言葉を送り合う形になっています。生徒たちの作成した動画には、下級生・12年生双方からの学校生活を通して培った思いが溢れていました。本校では、中等科に入学すると一つの色を学年色として受け継ぎます。今回卒業する学年は「白」の学年でした。青、赤、黄、ピンク、緑の6色です。

 初等科朝礼で取り上げたように、現在は正門の改装工事中です。聖心の伝統を考えるきっかけとして取り上げながら、伝統を受け継ぐ意味を考えました。

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 伝統を受け継ぐということは、単にそのまま保存するということではありません。正門の改修工事を通して、このことがわかります。より良く受け継ぐためには、変えていくということも必要です。私たちの学校の伝統も同じことです。形を変えつつも、より良いものとして受け継がれていきます。

 12年生の送別セレモニーの動画を、12年生はソフィアバラホールで、皆さんは教室で視聴しました。ホールの12年生たちは動画を観てとても喜んでいました。動画に盛り込まれていた、皆さんからと12年生からの両方のメッセージにはこの学校で大事にしたいことが表されていました。皆さんからは 白の学年の12年生に対して、やさしさと温かさ、心強さがあった、試練があっても常に前向きな姿勢だった、不安を感じるような状況でもくじけることのない力強さがあった、全体に心配りをしていた、学校生活のあるべき姿を示してくれた、希望を示してくれたなどのことをあげ、一致団結して学校全体をリードしてくれた、ということもあげていました。

 一方、12年生からも皆さんに対して、向上心、エネルギッシュな明るさ、たくましさ、パワフルな笑顔、元気溌剌さ、行動力、熱心さ、優しさ、リーダーシップをあげて、各学年を励ましていました。

 これら、皆さんが白の学年から受け取ったもの、そして、皆さんの中にあるものとして白の学年があげてくれたものは、共に聖心で大事なことです。聖心の伝統として「イエスのみこころ」、「惜しみない心」、「聖心は一つの家庭」などがあげられますが、これらの伝統的な言葉の内容は白の学年と皆さんの中にあるものです。

 伝統は先に生きた人々が感じ取った大事なことがらです。大切なことで、忘れたくない、ぜひ続けて大事にしたい、共有して皆で守りたい、だから、後に続く人たちに大事なこととして受け取ってほしい、そのような大事な発見です。伝統は初めからあるものでも、どこかから与えられるものでもなく、また、形が決まったものとして受け継ぐものでもないでしょう。共同体のメンバーが大切にしたいこととして、いつも確認しながら、活かし続けていくものです。先人に学びながら、自分たちが実行して生きる、伝統とはこのようなものでしょう。

 惜しみない心をもつ、ということは容易いことではありません。「適当にしても、これくらいでもいいか」という気持ちと闘いながら一所懸命にやってみて、その結果として「惜しみない心」は本当に大切だと発見したのでしょう。「一つの家庭」という言葉も、そのようにはなれない難しさを味わいつくして、苦しみや悲しみも味わったからこそ、「一つの家庭」という言葉が本当に大切なこととして言い継がれてきたのでしょう。

 伝統をどのように受け継いでいくか。ものごとは受け取り方次第と言われます。白の学年が受け継ぎ、受け渡してくれているものを、自分たちのものとしてしっかりと生きようとするとき、新たな形が生まれてくることもあるでしょう。皆さんが伝統を受け継ぎ、自分のものとして新たにしていくことを期待しています。

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