校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

1月12日初等科朝礼 わかってもらうのはむずかしい。でも、正直に話す

2022.01.12

 放送朝礼はいつも6年生のお祈りで始まります。当番の児童がよく考えて準備し、直前まで読む練習をして臨みます。朝の時間を引き締まったものとしてくれます。先日の3連休の間に、6年生には中等科進学に向けての親子面談を行いました。初等科生活のしめくくりとして、保護者の方のお考えを伺い、児童の一所懸命な姿に接する機会でした。短時間にもかかわらず学校に来てくださった保護者の方々に感謝しています。多くの親子の姿に接し、子どもたちの懸命な姿を見て、正直な心の大切さについて改めて考えてみました。今回の話で取り上げた聖書の箇所は、ルカによる福音書2章の終わりです。

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 3連休が終わって、また学校が始まりました。これから色々なことをがんばろうという気持ちでいることでしょう。6年生の皆さんにはこの3日間の間に親子面談がありました。中等科生になる前に、お父さんお母さんにも学校に来ていただいて、初等科の生活を振り返って考え、中等科生になる決心や考えを話してもらいました。保護者の方にもお話ししていただきました。短い時間でしたが、全部のご家庭とお話しできるとても大事な機会でした。5年生以下の皆さんは、6年生になったらそういうものがあるのだ、と思って聞いてください。

 初等科で大事なこととして、多くの皆さんがお友だちがたくさんできたこと、よいお友だちができたことをあげてくださいました。よいお友だちはどのような人なのでしょうか。質問もさせていただきました。よいお友だちと考えてみると、いつも正直でうそがなく、自分の都合で動かない、ということがあげられます。言うことが一貫していて、あっちではこう言う、別のことろでは別のことを言うというように、言うことが変わったりしない。お友だちを振り回さない、ということは大事なことです。

 面談では、6年生の皆さんはとても緊張したでしょう。一所懸命に考えて話していました。お父さん、お母さんの前で自分の考えを言うということはむずかしいことかもしれません。しかし、自分が本当に大事だと感じていること、考えていることを話すことは大切です。考えているだけでなく、そこに感じていること、心に深く感じていることが一緒に合わさっているとなお良いでしょう。とは言え、お父さん、お母さんに限らず、自分のことを人にわかってもらうということはむずかしいものです。

 もしかすると、イエスもそうだったかもしれないと、聖書の中のエピソードを思い出しました。聖書は改めておもしろいと感じています。イエスが12歳の時のことと書いてあります。12歳ですから、小学校6年生にあたるでしょう。毎年、家族で親戚と一緒にエルサレムの神殿にお参りに行っていたようです。数日間の旅でした。このとき、エルサレムからの帰り道、お父さんのヨセフ様とお母さんのマリア様は息子のイエスが親戚と一緒にいると考えて安心していましたが、気がついたらイエスがいません。そこで驚きながらイエスを捜して、道を遡って行ったら、イエスはエルサレムの神殿にいて、大人の人たちと神様のことについて話をしていたと書いてあります。イエスを見つけたマリア様はとても驚いて、どうしてこのようなことをしたのですが、お父さんもお母さんもとても心配しました、とイエスに言いました。すると、イエスは「わたしが父である神様の家にいるのは当然ではありませんか」と答えます。マリア様はそれを聞いて、とても驚き、イエスが何を言っているのかよくわからなかったと書いてあります。

 イエスもお父さん、お母さんに自分のことをすぐにはわかってもらえていません。イエスは12歳になって、自分の考えもはっきりし、自分にとって本当に大事なこと、一番大事なものは神様だと感じ、それで神殿に残っていたのでしょう。その大発見を話しているのに、お母さんのマリア様はそのことがよくわかりませんでした。イエスでさえ、すぐにはわかってもらえませんでした。しかし、本当に大事なことを話したので、マリア様にはすぐそのときによくわからなくても、このことは心に残り、ずっと覚えていました。そして、後になってから、イエスが話したことの意味がわかりました。ですから、このできごとが聖書の中にも書き残されているのです。本当のことを話すということは、やはり大事なことです。人の心に伝わるものがあります。

 自分が本当に大事だと考えること、感じることを話すことは大切です。わかってもらえないからと諦めないことです。また、良く思われようとして、うわべのことですませてしまわないことも大切です。正直に話すことが大切です。

 今日一日の生活で、自分にも、お友だちにも、先生にも、そしてお父さん、お母さんにも、神様にも正直に過ごしましょう。自分の考えたこと、感じたことを正直に話すことを心がけましょう。

 

 

 

 

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