校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

1月7日中高等科 新年の朝礼

2022.01.07

中高等科も新年の朝礼をZoomで各教室に配信して行いました。

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 新年明けましておめでとうございます。よい冬休みを過ごしてきたと思います。雪が美しい朝を迎えて、リフレッシュしてきた心で、今日からの学校生活を楽しみに始めたいと思います。

 クリスマスとお正月にはたくさんのカード、年賀状をいただきました。ありがとうございました。大切に読ませていただきました。色々なことを書いてくださいました。家でお手伝いをたくさんして、ご家族とよい時間を過ごせた方、読書によって深い学びを得た方、英語の単語を勉強していてgenerosityという単語の意味に気づいた方もありました。Generosityとは寛大さや心の広さです。以前の学校目標の言葉でした。今も大切な言葉です。そして、とてもすてきなイラストが描いてあるものもたくさんありました。トラの絵もたくさんありました。寅年にちなんで、「虎穴に入らずんば、虎児を得ず」を目標に、失敗を恐れずに何ごとにも挑戦したい、と書いてくださった方がありました。ものごとは実現できるかどうか、取りかかる前によく考えてみる必要はありますが、チャレンジしてみなければわからないこともたくさんあります。寅年には勇猛果敢でありたいと、多くの皆さんがきっと思っていることでしょう。皆さんの新年の決意が実現していくことを願っています。

 お正月のテレビ番組を見る機会がありました。新年に世界の女性リーダーにインタビューする番組があり、昨年ノーベル平和賞を受賞したフィリピンのジャーナリスト、マリア・レッサの話を聴きました。ジャーナリストとしてマリア・レッサは正しい情報をとても重要視していました。インターネット上ではフェイクニュース、偽りの情報があふれており、人がそれに容易に動かされていくことをとても危惧していました。日本の私たちもきっと同じ状況にさらされています。正しい情報、真実は何かを見極める目をもつことがとても重要だと新年に感じました。皆さんも正しい情報、真実を見極め、うわさやいい加減な情報に動かされない人になってください。

 今回の聖書朗読は、ヨハネの第一の手紙4章から読まれました。「神は愛です」という言葉がありました。昨年のクリスマスウィッシングで、クリスマスのテーマとして私たちは「愛の帯」ということを祈り、深めました。神様がイエスを通して、私たちを愛の帯で結び着けてくださっていることを知りました。帯でつながっているから、安心して愛を分かちあったり、広めたりすることができます。そして、色々な人と帯で新たにつながって、きずなを拡げていくことができるとわかりました。今日の聖書も私たちの中の「愛」を分かち合って、お互いに愛を拡げていくことの大切さを教えてくれています。それは、私たちが愛を神様からまずいただいているからです。愛の帯をこれからの生活でも大切にしたいものです。

 今日からの学校生活で、皆さんはそれぞれに学習を進めます。学年末に向かってしめくくりもしていきます。学ぶということは、知識をため込むことではなく、自分で考える力をつけることです。一つひとつの知識をどのようにつなげてとらえるか、自分の中で筋道をつけることです。そうやって、理解を深めます。一つひとつの教科の単元で学ぶことの理解を深めていきますが、それはだんだんと皆さんのものの見方を形作り、世界とどのように関わるか、皆さんは自分の考え方を作っていきます。

 愛の帯を大切にする私たちとして、ものの見方が「私から私たちへ」と方向づけられるように心がけることが大事です。「私」がしっかりものを考える、自分のことも大切にする、そして、自分が主人公としてまわりの人に関わる、社会の色々な人のことについても知る、世界の人についても考える、地球全体のいのちとつながっていることを考える、そのようなものの見方の人になってほしいと、この新年に皆さんのために改めて願っています。

 私たちは色々な人に支えられて生きています。自分一人では生きられません。そして、地球のいのちは人間だけでなく、あらゆるいのちが関わっていて、つながりの中で生きています。神様の愛の帯でつながっています。愛の帯は「私から私たちへ」を意味します。

 さて、昨年のクリスマスウィッシングにはもう一つ大事なことがありました。それは、変化を生み出したということです。例年通りの形式でないウィッシングでしたが、新たな形で、ずっと受け継いできたウィッシングの意味を実現することができました。核心にある意味をつかんで、形にこだわらない、変化を生み出して、変容を生きる、一つの例だったと改めて感じます。一つの何か新しいことをやってみよう、という考えが、次ぎのアイディアを生み出します。誰かの考えを、周りの人がサポートする、一緒に考えてより面白いものにしていく、このような連鎖が生まれます。昨年の秋の皆さんの色々な活動を振り返ってみると、このようなよい動きがたくさんありました。今日からの学校生活で、また皆さんが何か新たなことに挑戦して、変化を生み出していくことを期待しています。

 良い変化の連鎖は、正直さや率直さのあるところに生まれます。ほんものを求める心です。これは表面的なおもしろさや、自分の都合、弱さを隠したり、ごまかしたりする心、人の弱さにつけ込んだり、軽んじたりする軽薄さとは異なります。皆さんがもし負の連鎖に出会ったときには、よいきずなをもって、お互いに支え合って、そこから抜け出してください。皆さんは悪い連鎖に流されず、良い変化を生み出すことのできる力を持っていることを私は信じていますし、それができる仲間だと思います。そして、私はこの学校がそういう共同体でありたいと願っています。そのために、本当のこと、正しい情報に基づいて考えることが大切です。真実を求めましょう。一人ひとりが自分の心の中にある真実を大事にして、まわりの人、友だちと支え合って、大きく、強いものにしていきましょう。これは大切な変化につながります。

 皆さんには一つ大事なお知らせがあります。聖心の姉妹校として日本には小林聖心、不二聖心、札幌聖心、大学、インターナショナルスクールがあります。その中で、札幌聖心が今後3年間で閉校することになりました。大変残念なことです。札幌聖心は50年以上の歴史があり、とてもグローバルな特色のある教育を行ってきて、たくさんのすばらしい卒業生がいますし、今も意欲をもって学んでいる生徒がいます。色々な事情があっての決定です。姉妹校として、これからも札幌聖心の人たちを大事にしていきたいと思います。11日には札幌聖心の中学2年生が私たちの学校を見学に来ることになっています。温かくお迎えしてください。すてきな姉妹校だと思っていただけるようにと思っています。

 さて、皆さんも感じているように、コロナウイルスの感染が急拡大しています。とても心配な状況です。ここで新たに気を引き締めて、感染対策に心がけましょう。せっかく始まった学校生活が継続できるように、色々な活動が続けられることを私は心から願っています。それには、皆さん一人ひとりの行動のあり方がかかっています。意識を高くして、一人ひとり責任をもって、登校したら手を洗う、お弁当の時は沈黙、体調が悪いときは無理をしない、検温表を忘れない、これらのことを必ず実行しましょう。このようなことは基本的なことですが、これが皆さんの健康を守ります。一人ひとりが心がけて、皆の健康と、学校を守りましょう。

 今日からの学校生活の実りを心から願っています。

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