校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

12月1日初等科朝礼 世界にはいろいろな現実がある ルワンダの永遠瑠マリー・ルイーズさんの話を聴いて

2021.12.01

 早朝は大変な風雨でしたが、児童・生徒が学校に到着する頃には青空が見え始め、一転して穏やかな朝となりました。

 11月30日午後に初等科母の会による「母親学習会」が学院で開かれ、今回はソフィア・バラホールで行うことができました。講師にはルワンダから来日され、福島で活動されている永遠瑠(とわり)マリー・ルイーズさんをお招きし、「教育は未来の扉を開く鍵」の題で講演していただきました。ルワンダの生活や歴史、紛争時の体験、現在のNPO法人ルワンダの教育を考える会の活動について、とても流暢な日本語でお話しくださいました。保護者のお母さん方と共に固唾を飲んでお聴きした話を、朝礼で子どもたちに分かち合いました。

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 皆さんのお母さま方と一緒にルワンダからいらした永遠瑠マリー・ルイーズさんのお話を伺いました。皆さんの中には家でお母さまからお話を聞いた方もあるかもしれません。永遠瑠マリー・ルイーズさんは日本語がとても上手なおかあさんです。ルワンダの衣装を着て、来てくださいました。今は日本に住んで、ルワンダの子どもたちを支援する活動をなさっています。若い時に日本に来て勉強されていたので、日本語がとても上手です。ルワンダの国について、ルワンダを支援する今のお仕事について、そしてとても大変な経験について、そんなことがあったのですか、というような紛争の時の経験も話してくださいました。

 ルワンダはアフリカの真ん中にある小さな国です。気候が良くて、人々の心が温かく、とても住みやすい国だそうです。国では4カ国語が話されているそうです。ルワンダ語、アフリカの共通語であるスワヒリ語、フランス語、そして英語です。テレビのニュースは4カ国語放送されているそうで、そのような国で育ったから日本語もとても上手になられたのかしらと思いました。ルワンダには、しかし、とても悲しい歴史があります。外国に支配されていた時代があり、独立してからも意見の対立があり、戦争になってしまいました。

 戦争は急に始まったそうです。ある日、夕食を食べていると停電になったそうです。しかし、停電になることは時々あったので、特別とも考えずに寝てしまいました。すると夜中に日本から電話がありました。日本のお友だちがルワンダで紛争が起こったことを知って、心配して電話してきたのだそうです。それで大変なことになっていることを知りました。数日後には住んでいるところも危険になり、逃げることになりました。それで難民となったのです。難民キャンプでなんとか生活をして、日本の友だちに無事でいることをFAXで知らせようとしたところ、紙に書いてある日本語を日本人のドクターがみつけて、ドクターの通訳としての仕事をするようになったということです。そして、日本に再び来ることになりました。

 今は福島県に住んでいて、ルワンダを支援する仕事をしていらっしゃいます。学校を作り、村の子どもたちの支援をしています。マリー・ルイーズさんのお話を聞いて、子どもたちがしっかり食べること、安心して生活できること、小学校にまず通って勉強できること、これらが大切だと言うことがわかりました。日本の私たちには当たり前のことですが、それが当たり前でない生活をしている人々がいます。あるときマリー・ルイーズさんが村の子どもたちに「大人になったら何になりたいですか」と聞いてみたら、子どもたちが「大人になるまで僕たち生きていられると思う?」と答えたのだそうです。マリー・ルイーズはそれを聞いて驚いて、子どもたちがきちんと食べられること、安心して生活できること、学校で勉強できることができ、大人になってなりたいものになることが実現できるようにしようと考えられたのだそうです。そこで学校を作りました。そして、今年は村から5人の子どもたちが中学校に行くことになったそうです。その中の3人は女の子です。

 今までも世界には色々な人が生きていて、色々な生活があるということを知っていましたが、マリー・ルイーズさんのお話を聞いて、改めて今も世界には本当に色々な生活があるということを感じました。私たちはみんな同じ地球に共に住んでいます。そして、私たちは、今日一日自分のやるべきこと、できることをして、世界のために何ができるかということを考えていきたいと思います。

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