校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

11月17日セカンドステージ 聖フィリピン・デュシェーンの祝日

2021.11.18

 聖フィリピン・デュシェーンは聖心会で聖マグダレナ・ソフィアに次ぐ聖人です。祝日は11月18日ですが、セカンドステージでは17日の朝礼で祈りをし、祝日行事として午後に卒業生を招いての講演会を行いました。今回は84回生長嶋愛さんに来ていただきました。長嶋さんはNHK制作局でディレクターをなさっています。セカンドステージの朝礼の祈りは動画配信で行いましたが、毎年、生徒と共に祈るとき、聖人について新たな視点が開けます。今年は聖フィリピン・デュシェーンのシンボルカラーをオレンジ色として、皆でリボンを胸に飾りました。

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 聖フィリピン・デュシェーンの祝日おめでとうございます。

 今日は動画で皆さんとお祝いしお祈りします。シンボルのオレンジ色のリボンもつけていることと思います。

 今回の祝日にあたり聖フィリピン・デュシェーンについて改めて考えました。聖フィリピンはうまくいかないことの多い一生を送り、苦しいことも多かったのではないかと新たに気づきました。聖フィリピンの書いた手紙などを読むと、失敗のときにあたかも自分を責めているかのように感じられることがあり、読むことが苦しくなってしまうほどです。それくらいまじめに真剣に生きようとした人なのだと感じます。

 聖フィリピンと言えば、先住民ポトワトミ族のところに行って生活を共にしたことが大きなことですが、それも人生の最後の方のたった1年足らずです。決して、うまく行った日々ではありませんでした。そのようなフィリピンに輝いていたものは何だったのでしょうか。

 聖フィリピン・デュシェーンは「祈っている人」と、先住民の人たちから呼ばれていました。他の人のように働いたり、人と話したりしないけれど、いつも祈っている、年をとったおばあさんで、祈りの空気がフィリピンのまわりにあったのでしょう。決して、人と関わらない変人、怖い人ということではありません。フィリピンはポトワトミの人たちに出会って、本気で祈っていました。そして、ポトワトミの人々は聖フィリピンの祈る姿を見にいっては、ちゃんと祈っていると確かめては安心していました。

 ポトワトミの人々は、それまでの日々の中で、信じられない人にたくさん出会い、苦々しい思いをしたことがたくさんありました。白人との関わりの中で、理不尽なことや差別、残酷なことにもたくさん出会い、深い悲しみや苦しみをたくさん背負っていました。白人に対する敵意や憎しみもあったかもしれません。その中で、聖フィリピンは「信じられる人」と映ったのではないでしょうか。聖フィリピンの祈る姿を見て、このおばあさんは自分たちのことを大事にしてくれる、この人は自分たちのために祈ってくれていると感じることができたのです。それが祈りの姿から伝わるほどに、聖フィリピンには人の苦しみを共感できる力があったのです。

 言葉で話さなくても伝わるような「ほんものの力」をフィリピンは持っていたのではないでしょうか。自分の一生を通じて、うまく行かないことがあっても、失敗があっても、自分を責めるほどのことがあっても、神様が共にいてくださることを信じ続け、信じるために祈り続けました。「ほんもの」とは、表裏がない、うそがないように、努力し続ける姿勢の中にあるものです。失敗がなく、完璧、というものではありません。聖フィリピンは失敗しても挫けず、祈り続けました。ほんものになりたいと思い続けることが大事なことです。

 セカンドステージの皆さんは午後に講演会があり、卒業生が来てくださいます。今回来てくださる長嶋さんも、きっと共感する心のある方です。楽しみにお話をうかがいましょう。

 

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