校長室ブログ - Spirit of "Mikokoro" -

11月12日 死者の月 亡くなられた方々を思い起こす

2021.11.11

 中高等科では信徒の生徒が毎月1回「宗教活動」と呼ばれる集まりを放課後に行っています。今月はカトリック教会の死者の月にあたり、追悼のためのミサを行います。それに合わせて考えました。ちょうど朝の祈りで、詩編の言葉から「避けどころ」である神様への信頼を取り上げていました。死者の月のテーマにふさわしい言葉でした。

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 11月はカトリック教会では死者の月です。亡くなられた方々のことを思い起こして祈る月です。死とはどのようなものなのでしょうか。秋の深まる今は木々の葉も落ち、いのちの終わりを意識させられる季節です。12月はクリスマスにイエスの誕生を祝う月、新しいいのちをの訪れを迎える時です。ですから、カトリック教会の暦では今が1年の終わりの時期となります。12月に始まる待降節はイエスの誕生を待つ時であり、新しい年に入ることになります。

 宗教活動では死者のためのミサを行います。追悼ミサです。この1年に亡くなられた方々のことを特に思い起こして祈ります。どなたかが亡くなるということは、とても辛い別れです。残念ながら、地上のいのちには限りがあり、終わりがあります。しかし、いのちはそれだけではありません。目に見えるいのちが全てではありません。

 この夏にNHKのBSテレビで「ライオンのおやつ」という番組がありました。原作は小川糸の小説です。「ライオン」というのはホスピスの名前です。病気になり、人生の最期の時を迎える人のための家です。そこで、主人公のまだ若い女性が死を自分のものとして受け容れていく物語です。キリスト教の考え方と必ずしも同じではありませんが、地上のいのちが全てではなく、亡くなった人々との心のつながりがあり、おだやかな光に満ちた、新たな次の世界として死を捉えているところが心に響く物語でした。

 私たちはイエスの復活によって、地上のいのちが全てでないことを知っています。生きている今も、そして、地上のいのちが終わってからも、ずっと一人ひとりのいのちが神様に大切にされていることを知っています。だからこそ、私たちも亡くなられた方々のことを大切に思い起こし、その方々とのつながり、その方々から頂いたものを大切に思い出し、感謝して、今もつながりの中に生きていることを確かめながら祈ります。出会えなくてもつながっています。

 宗教活動では、この学校全体の皆さんの大切な方々のために心を込めて祈ります。もし、特別に祈ってほしい方があるときは、宗教活動の友だちにそっと知らせてください。皆さんもどうぞ心を合わせて祈ってください。神様は私たちの「避けどころ」です。 

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